【持論ありますか?】小説における「ストーリー」「構成」「プロット」の定義と違い

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販売中の小説感想サービスにて、作家さんと創作談義するなかで「そもそもストーリーってなんだろう?」という話題になりました。

小説家に限らず物語を提供する創作家なら誰もが熟考すべきことですが、なんとなくで済ませてしまっている場合も多いのではないでしょうか?
(かくいう僕も明確に定義したことがありませんでした……)

とはいえ「ストーリーとは?」という疑問に対する答えは一つではないと思うし、作家の色が出るものだと思うんですよね。

今回トークルームでお話しさせてもらうなかで、現時点での僕なりの定義ができたので記録として残しておこう思います。

みなさんの参考にもなれば幸いです!

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小説の「ストーリー」「構成」「プロット」とは?

トークルーム内でお伝えしたことを転載しますね。
(トークルームでは、漫画『五等分の花嫁』を例にしてお伝えしたのですが、未読でネタバレを避けたい人もいるかもしれないので、今回は童話の『桃太郎』を例に書き変えます)

なお、「ストーリー」「構成」「プロット」に加えて、「物語」と「シーン」についても定義してみました。

【物語】
出来上がった作品のこと。

例:『桃太郎』という絵本


【ストーリー】
○○の変遷のこと。

○○に入るのは「主人公」が一般的。
主人公が成長(絶望でもいいです)する過程全体がストーリーだと思います。

他に○○に入るのは「世界」「他のキャラ」など。
この場合は、欠点のない主人公が「世界」や「他のキャラ」を変えていきます。

1巻で主人公が成長して、2巻から成長した主人公が世界や他のキャラを変えるという手もあります。

小説って、大抵は主人公の人生全部じゃなくて特定の期間を切り取りますよね。
なぜその期間を描くかというと、その期間の最後(小説のラスト)で何らかの変化があるからです。
その変化に至るまでの“変遷全体”がストーリーではないでしょうか。

例:桃太郎は「主人公の変遷」ではなく、「世界の変遷」を描いている。
強者として生まれた桃太郎の世界は「鬼に支配されていた」。
桃太郎と仲間たちが鬼を倒したことで「世界に平和が訪れた」。

「鬼の支配された世界」という始点から、「平和の訪れた世界」という終点につながる”変遷”が『桃太郎』のストーリーとなります。

【構成】
ストーリーをどう語るか?

構成はストーリーをどういう順番で語るとより面白いか、だと思います。
順番だけでなく、どういう配分や見せ方で情報を開示するかなども含まれます。

例:桃太郎は時系列順
「鬼に支配された世界に平和をもたらす」というストーリーに対し、時系列順の構成となっています。

桃から生まれて、すくすくと育って、鬼の存在を知って、旅に出て、仲間を集めて、鬼を倒して、財宝を持ち帰る……。
童話ということもあり、子供でも分かりやすい構成と言えますね。

それでは試しに構成を変えた『桃太郎』を2パターン考えています。

①時系列を変えてみる
冒頭で桃太郎が鬼と戦うシーンをまず見せておいてから、桃が流れてくる本来のシーンに時系列を戻す。

②より詳しく描写してみる
・桃太郎が成長する過程をもっと詳細に書く。
・仲間あつめのシーンを”きびだんご”で済ませず、桃太郎が仲間たちが抱えている問題を解決することで絆を結ぶ流れにする。 など

どちらも「鬼に支配された世界に平和をもたらす」というストーリーは変わっていませんよね。
でも、読者が読んだ印象はかなり違うはずです。

このようにストーリーをいかに読者に見せるか頭を捻ることが「構成」だと思います。

【シーン】
特定の時間、あるいは場所で起きた、ひと続きの出来事。
小説文章では記号(♦や†など)で区切ったり、空白の行を入れたりして視覚的に分かるようにするのが一般的。

例:
桃太郎は仲間を集めて鬼ヶ島へ向かいます。

鬼ヶ島に到着した桃太郎は〜。

↑場所が変わっている。(道中のシーン⇒鬼ヶ島のシーン)

【プロット】
構成をもとに、シーンを並べたもの。
(時系列順ではなく、構成順で書きます)


以上になります。

おわりに:この定義が小説を考える基本になる

これらを定義することで作品が面白くなることはおそらくありません。

しかし次の段階として「面白いストーリー」や、「ストーリーを最大限活かす構成」「効果的なシーン」などを考えていくには、これらが定義できているだけでかなり違ってくると思います。
(↑これらの話も追々ブログで書いていこうと思います!)

みなさんもぜひ、ご自分なりの定義を考えてみてくださいね!

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