レコーディングの基本3「最高のテイクを出す」

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音声・音楽
まだ1と2を読んでいない人はどうぞ。
レコーディングの基本が理解できるはずです。



レコーディングの基本はこの3つ




1,音割れが無い事
2,音が小さすぎない事
3,最高のテイクを出す事

これまで80件ほどミックスの依頼を受けてきましたが、問題として一番多いケースが音割れです。

しかし、実際僕が重視するのは3の最高のテイクを出す事です。


音割れは多少あったとしてもあまり気にならない場合、テイクが良ければOKテイクとして採用します。

音割れが無かったとしても、テイク的にあまり良く無い場合、リテイクを要求します。

ちなみにリテイクが不可能な人気コンテンツの





ファーストテイクですが、






ピッチやタイミングの補正がされていると噂されています。(実際してると思います。みんなあまりに上手いから。)

なのでミックス師に音源を渡してボーカル補正でピッチとタイミングを修正してくれるから「ある程度下手でも良い感じになるよね!」

このように思っている人がいるかもしれませんが、大きな間違いです。





なぜ最高のテイクを出す必要があるのかお話していきます。





まず、ご自身でボーカル補正(ピッチとタイミング修正)をやった事が無い人にお伝えしたい事があります。それは、



ボーカル補正は万能薬では無いという事です。




多少のズレはボーカル補正で簡単に直す事が出来ますし、人為的な修正をしているかわからないレベルまで自然に修正が可能です。

歌い手にはそれぞれ色があり、個性、




癖があります。




ボーカル補正も何もする必要が無いならそれが一番です。自然だから。

しかし、みんながみんなピッチもリズムも完璧とはいきませんから、

ボーカル補正はコンテンツのクオリティの支えになるなら全然使えば良い。と僕は考えています。

比較的安価でボーカル補正が出来る世の中になったおかげで音痴の人でも歌ってみたを堂々と公開出来るようになりましたが、



中にはどうしようも無いケースがあります。




修正するとケロっとしたり、機械っぽいノイズが入ってしまう。

どのような理屈でこのような副作用が起こるのかはわかりませんが、修正に限界がある時、無理な物は無理という時はあります。




ボーカル補正に頼るのでは無く、




「ボーカル補正は万能薬には成り得ない。副作用もある。」

という事実を理解した上で、

なるべく良いテイクを出す事を目指して欲しいです。

ココナラでミックス依頼する際に、ミックス師の方に音源を送る事があると思いますが、


テイクのクオリティによって値段が変わってくる事もあると思います。




他のエンジニアさんがどういう風かよく知りませんが、僕はボーカル補正が多いと料金は高くします。

ボーカル補正をやった事無い人には理解しがたいかもしれませんが、ボーカル補正は結構手間が掛かります。




一音一音、くまなく波形を見ていきますし、





マウス操作が多く、タイミング修正した時に修正箇所の前後に違和感が出る場合、さらに広範囲で修正しなければならない時もあります。

もしボーカル補正について


「歌のデータをソフトに取り込んで後は、自動で修正してくれる。」




このような間違った認識でいる人は考えを改めてください。

将来的にはどうなるかわかりませんが、現時点で、ボーカル補正は

人が目で見て、聴いて、一音一音丁寧にマウス操作して修正していく。


全手動の手作業なのです。




テイクが良ければ修正が少なくて済みますから、当然料金は安くなります(少なくとも僕はテイクが良ければ良いほど安くします。)

お金の面で考えても良いテイクを出すべきです。

実例を聴いても色々な事に気付くと思います。

これは僕が歌ったものですが、別のテイクもあります。

上のテイクはボーカル補正をしましたが、下のテイクはボーカル補正をほとんどしていません。



オケは両方同じ物を使っています。




どちらのテイクも音程、タイミングは最低限の修正はしているので、合っています。ですが、聴いている印象は違ってくると思います。

多くの人は「歌が上手くなりたい!」と思っているかもしれません。しかし、





聴き手は「上手い歌」を聴きたいのでしょうか?




もちろん上手な歌を聴きたいという人もいると思いますが、ピッチもタイミングも完璧な所謂上手い歌であっても人が感動するかどうかは別の話です。

上手いから良いとか下手だから悪いとか、そのような短絡的な考えをするのは勿体無いです。

OKテイクというのは修正が必要かとか、上手いとか下手とか、


そんな低次元なレベルの情報だけが存在するわけではありません。



細かい息遣いやビブラート、ブレスの長さ、歌い方の癖。






歌い手がどのように生きてきたか?生き様さえもマイクを通して収録されます。音程が合ってるとかリズムが合ってるというのは

もはや







合ってて当たり前の時代です。





みんな当たり前のようにボーカル補正使いますし、使わなくても歌が上手い人たくさんいます。

そんな群雄割拠の時代に割って入る為に必要な事は、




上手い下手では無く、個性です。




歌が上手になりたい人はその為の努力をすれば良いですが、

人を感動させたいとか、人を笑わせたいとか、Youtubeで人気者になりたいという人は、歌が上手いだけではゴールに直結しません。




「ひふみん」






の愛称で知られる将棋界のレジェンド加藤一二三さんが「ラブストーリーは突然に」を歌っている映像を見た事がありますが、

上手いとか下手とかそういうレベルではありません。






(とりあえずめちゃくちゃ笑いました。)






OKテイクというのはその人の見せ方、聴かせ方、

プロデュースの面にまで関わってくるめちゃめちゃ重要なデータになります。



これまでにレコーディングの基本をお伝えしてきました。




1,音割れが無い事
2,音が小さすぎない事
3,最高のテイクを出す事

この3つは自分でミックスするにしても、ミックス師に依頼するにしても最低限のボーダーラインです。

YoutubeなりTiktokなり何かで発信をしていく際に様々なライバルとの戦いになってきますが、

既に舞台に立っている人の中ではレコーディングの基本くらいは出来て当たり前のスタートラインなのです。






ですからとっとと基本的な部分は出来て当たり前になって









次のステップに行くべきです。

次のステップというのは、そもそもの声の出し方だったり、





ボーカリゼーションという部分です。



どのように歌うのか?個性に直結する部分です。

がっつり声を作って歌うのも良いでしょう。(依頼者でそのような方が実際に居ました。)

低い声に特化して歌うのも良いでしょう。(依頼者で実際居ました。)

男性が女性の歌に挑戦しても良い。

何をやっても良い正解の無い世界で、一番大切にして欲しいのが個性です。

息をどれだけ混ぜるのか、


どの音程まで地声で良くのか?

どこからはミックスボイスなのか、裏声なのか?

どのマイクが自分に合っているか?どの曲が自分に合っているか?





音程とかリズムは合ってて当たり前、歌が上手いのも当たり前の世の中です。







その中で戦っていかなくちゃならない。貴重な時間の奪い合いを勝ち取らなければならないです。その為には最高のテイクです。

なぜ最高のテイクを出さなければならないのか?理解できたかと思います。

最高のテイクを出す方法を紹介します。三箇条と捉えてみてください。



1,何テイクも録音する。





ファーストテイクが流行っていますが、素人が彼らのマネをして上手くいくと思いますか?

マネをするのは悪い事ではありませんが、

録音物なので、やり直しが聴きます。ファーストテイクが本当にファーストテイクだったらYoutubeLiveで公開しているはずです。




うまく行くまで録り直す。






うまく行った箇所とうまく行かなかった箇所があるなら、うまく行かなかった箇所だけ録り直す。

何度もやり直して良いとこどりをしてOKテイクを作りましょう。




2,環境を整える。






いくら歌が上手い人でもケータイで録音したようなものではミックスしてもあまり良いものにならない事が多いです。

オーディオインターフェースを買って、専用のマイクとケーブルを買う。

それだけで全然違ってきます。

ちなみに僕はマイクだけで今まで何本買ってきたか。

おそらく20本くらい行ってます。

あんまりマイクとか機材を集めると変化が楽しくて、目的が変わってくるので、あまりオススメはしないですが、

良いマイクで録ってさえいれば、あとはOKテイクを出せば良いだけなんで、話がシンプルになります。





3,最高音のアプローチを吟味する。







これは何を言っているかよくわからないかもしれませんが、

サビの高い音、曲の最高音を地声でいくのか?

それとも裏声でいくのか?はたまたミックスボイスでいくのか?全然聴こえ方が違ってきますよね。




喚声点(かんせいてん)という言葉がありますが、






地声と裏声の境目くらいの発声って難しくないですか?

僕の場合はHIAくらいが地声でなんとか出せるくらいなのですが、

それ以上高いキーだと諦めてミックスボイスや裏声で対応しやすい事があります。AメロやBメロなどあまり高く無いキーでは簡単にOKテイクが出せるけど、

サビに関してはいつまでたってもOKテイクが出せないという事があると思います。

そんな時は





妥協せずに何度もトライする事が重要です。




そして、ミックスボイスで対応してるけど聴こえ方が弱い時は頑張って地声で対応する。そうすると良い感じに聴こえる時って結構あります。

スラムダンクで安西先生が桜木花道にシュート2万本の特訓を要求したように、

結局は何度も何度も歌う事によって、


歌うスタミナもついてきますし、音域も広がっていき上手になっていきます。

OKテイクをたたき出す為に粘れば粘るほど勝手に歌が上手くなるので、





「後はボーカル補正で」とか安易に考えずに、





最高のテイクを出すまで録り直す粘り強さこそが最も大切な心掛けかと思います。ファーストテイクで有名歌手は一発でOKみたいな印象を植え付けられているかもしれませんが、

実際に市場に出回る音源を作成するためのレコーディングの現場の映像を見ればわかりますが、プロですら何度も録り直しているのです。





なので素人もプロと同じように、



もしくはそれ以上に録り直すくらいやらないと良い物にはなるはずがありません。

簡単に最高のテイクが出せる魔法みたいな事を僕も知ってれば言いたいですが、そんなものは無いです。




愚直な反復練習を乗り越えてこそ辿り着ける





というおもしろくない事実を受け入れられるかどうかです。

歌う事を好きなら乗り越えられるはずです。

そして最高のOKテイクを出して僕にミックスの依頼をしてきてください。

ミックス依頼を休止している時があるので、そういった時は相談事には対応が可能です。メッセージを頂ければ可能な限りお話を聞きます。簡単な音声の編集でしたら対応出来る時もあります。


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