そのうちみんなフェイクニュースに走っちゃうってことあるんですか?
あり得ると思いますよ。
時間の経過とともに書くネタが枯渇するなら、最も新規性が高く、煽情的で、射幸心を煽るのはフェイクニュースだからです。
要はやってることは週刊誌とかワイドショーと一緒ですね。
クラスメイトにもいましたよ。目立ちたいためにウソついちゃう子。
いますね、そういう人。
広告=目立つということに立脚し始めると、世の中総芸能人化というかマルチタレント化していきます。
目立つというのは異常値を叩き出すということですから、異常な振る舞いをする人達が増えるということでもあります。
ユーチューバーのノリみたいな?(笑)
そうですね(笑)
検索エンジンの収益は右肩上がりですが、それは同時に世界規模で検索エンジン関連ビジネスによって仕事を奪われた人達の屍の上に成り立っているとみることができます。再就職が難しい年齢で仕事を失った人達が行き着く先はネットビジネスです。
暗い話ですねぇ……。
私は予言しますが、コロナと紛争が流行っている現在ではフェイクニュースウォーズの年になるとみています。
ほんとですか?!
今まで人間は良心的に振るまうだろう、得にもならないウソなんてつかないだろう、と高をくくっていたところに、得になるウソのつき方、ウソをつけばつくほど得になるメソッドというか、事情が生まれたわけですから、フェイクニュース万歳・フェイクニュース憎しの対立構造が生まれるのは当然のことです。
その先はどうなるんですか?
無料で他人のコンテンツを収集してそこに広告を出すビジネスモデルですからね、やがては無に帰るものなのかもしれません。
検索エンジン側はなにか対策をしないのでしょうか?
検索エンジンのフェイクニュース対策は何が真実かをAIで判定することです。
しかし、この試みは上手くいかないでしょう。単純なノイズは除去できるでしょうけれど、よくできたフェイクニュースは排除が難しいんです。
よくできたフェイクニュース?
よくできたフェイクニュースというのは、真実とウソが程よく織り交ぜてあるものです。
ふむふむ。
100%ウソであれば統計的に対偶をとれば判定できるんでしょうけど、あるところは真実で、あるところはウソとなると、部分的に切り取れなくなるんですね。
動画の編集でも誰か一人だけが喋ってるシーンであれば差し替えできますが、複数の人がしゃべっている場面が多かったり、近景でも遠景でも映っちゃいけないものが映っていると編集ポイントがとれないことに似ています。
1回でもウソをつくと信用してもらえないことに似ていますね。
そうですね。
検索エンジンはあくまでも情報が掲載されているサイトへのナビゲーターとか電話帳みたいなものなので、そのサイトのコンテンツにはノータッチなんですよ。タッチしないことでアルゴリズム的中立の立場をとり批判を逃れているんです。
なるほどー。100%排除するか100%放置するしかないんですね。
しかし、排除すればさらに増えるし、放置すれば検索ユーザーと広告主は離れていくでしょう。
これまでの儲けをフェイクニュースの排除に費やすことになるので、従来の検索エンジンというビジネスモデルが崩壊してもおかしくはありません。
真実を特定するってことは難しいんでしょうか?
情報を担保するのは誰なのか問題というのは解決しようがないんですよ。それを省くことがロボット型=低コストにも繋がっているからです。
Wikipediaの編集合戦を見ているとそう思います。一番くわしい本人が編集しても編集ロックをかけられることがありますからね。
本当は本当なのかという自己言及って難しいんですよ。
検索エンジンを国家が運営するっていうのはどうなんですか?
では中国みたいに検索エンジンを検閲するとどうなるかというと、検索エンジンが政権与党に悪用されることになります。
都合の良い事実しか出てこなくなるので非常に危険です。最悪のディストピアが到来します。
外資系の検索エンジンは瞬く間にビジネスモデルが崩壊し、撤退することになります。
なるほど……。
国会で法案を審議するよりもネットで国民の空気を煽った方が有効であれば、選挙なんて無意味になりますからね。
独裁的ネット民主主義の出来上がりです。すぐに隣国と戦争なんてことにもなりかねないでしょう。
ヒェ~。
ネットの民主主義は過激化しやすく危険なんです。
さて、怖い話はこの辺にしておきましょう。