見る人を不快・不安にさせる、「関節切り写真」を知っていますか?

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「関節切り写真」とは、特に人物写真で、ひじ、ひざ、足首、指など体の関節部分で画像が途切れているものをいいます。写真を見る人を不快にさせます。

WEB記事を見ていると、使っている写真が4、5枚あっても、その全部が関節切りになっている場合も決して珍しくありません。お金を掛けて作っているページでもこの有り様です。中にはフォトライターやカメラマンを名乗る人が撮っていることまであります。

関節切り写真を撮ってしまうのは、テクニックの問題ではなく、心がけの問題です。そのため、初心者でも回避することができます。
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関節切り写真の一例。右手の指が切れている。インタビュー写真で比較的よく見かける。

関節切り写真が不快なわけ

関節切りがNGな理由は、よく「すわりが悪い」「バランスが悪い」と説明されているようです。これで腑(ふ)に落ちるでしょうか?

私がかつてそう説明を受け、納得もしている理由が、「そこから先、画面の外の部分が想像できないので、写真を見る人が落ち着かない気分になる。不安になる」です。

たとえば、ひじの部分で切ると、そこから先の前腕が真っすぐなのか折れ曲がっているのか、前腕の太さがどうなのかは、情報がありません。「逆に、前腕が半分か3分の1、4分の1でもあれば、残りの前腕の様子などを無意識のうちにでも想像している」というのです。「言われみればそうだな」ぐらいのことです。かといって、否定できるほどの異論も、私は持っていません。

手首で画面が切れていればどうでしょうか。私などは、はっきりと嫌な感じを受けます。

逆に、意外に切ってもいいのが、頭のてっぺんです。これは、「関節切りがNG」の裏返しで説明がつきます。頭の形は丸く、画面の外の形も容易に想像がつくのです。フサフサの髪の毛があっても大差はありません。髪の毛のうねり方などで、画面の外までヘアスタイルが想像できます。

全体の構図次第ですが、恐れずに切っていいでしょう。写真を見る人に対し、目や口元が作り出す表情に集中してもらいたいときに有効な手段です。
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頭頂でトリミングした写真(↑)と、トリミング前の写真(↓)
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関節切り写真を防ぐ方法

関節切りから受ける不快感は、多分に感覚的なものなので、見る側にも気にならない人もいるとは思います。また、Twitterに添付する写真のように、一瞬見て終わりになる場合には、そう神経質になる必要もないかもしれません。

しかし、訪問者の滞在時間を伸ばし、離脱率を下げる努力が欠かせない企業サイトならばどうでしょうか。たとえ、可能性程度のことであっても、訪問者を不快にさせてしまう関節切り写真は排除すべきでしょう。ページ冒頭に大きめに使い、訪問者の目を引きつけるための「アイキャッチ」に関節切り写真を使うのは、特に避けたいところです。

関節切り写真を避けるには、もちろん、「ファインダーでのぞいていて、画面の端に関節がきたときには、シャッターを切らない」といったやり方もあるでしょう。

しかし、人物のように動いているものを撮る際には、表情が出たときなどのシャッターチャンスが優先され、関節の位置まで気を配れないこともしばしばです。どちらといえば、「撮影後のレタッチの際に、関節切りにならないようにトリミングで工夫する」の方が現実的です。

また、関節切りを避けたほうがいいのは、被写体が人物のときだけではなく、動物や、仏像やフィギュアなど人間や動物が元になって形ができているものも同じです。

関節切り写真回避の考え方は応用が利く

実は、この「関節切りを避ける」は、関節を持つ被写体以外にも広く応用できます。

「関節切りを避ける」は「カットしていい場所でカットする」とほぼ同じ話です。その「カットしていい位置」とは、「画面に入っていない部分を推測できる位置」です。

初心者の場合、「人物を撮れば、『念のために』と、頭のてっぺんからつま先まで入れる。家ならば、屋根の上の空から手前の地面まで入れる。丸い皿ならば、その丸いのを全部入れる」となることが珍しくありません。

たとえば、丸い皿ならば、「料理が載っていて、見せたいのは料理の場合、皿の縁はカットしてOK」ということです。

「カットしていい位置」を気に掛けるようになると、間延びした写真を撮ることが減ったり、撮った後のトリミングで間延びを小さくしたりできるようになります。


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