【スタイル診断】自分に合った物語創作術を見つけよう!

記事
学び
おはようございます、鳳堂 志幻です。

今回のブログのテーマは『スタイル診断』です。
これは私の造語で、
「自分に合った物語の創作術(型)を見つける」という意味です。

つまり【スタイル】とは、【自分の物語創作術】ですね。
スタイル.jpg


物語創作術なんて一つしかないんじゃないか?
――と思う人もいるかもしれませんが、
実はそうではありません。

目的に合わせて4種類に大別されます。
ちゃんと根拠もあるので、解説を楽しみにしていてください。

1.【スタイル】を知らないことで起きる問題

①.jpg

そもそも物語創作術は統計論(帰納法)です。

過去に面白かった作品に共通する法則から導き出されたものが、
現在世の中で広まっている創作論になっているのです。

さて、なら気付くはず。
「多様な作品があるにも関わらず、同じ作り方なのはおかしい」
その通りです。

「重厚なテーマを持つ作品」と「魅力的な謎を解明しようとする作品」、
「魅力的なキャラクターが活躍する作品」と「腹を抱えて笑ってしまう作品」。

全部スタイル(型)が違いますよ!
それにも関わらず、巷では同じ手法で物語を作ろうと推奨されている。

「これって絶対間違ってますよね?」

勉強熱心なあなたなら知っているはずです。
『ヒーローズ・ジャーニー』、『セイブ・ザ・キャット』、
『三幕構成』といった脚本術を。

自分の作りたい作風と違う、と思いつつ仕方なく取り入れてみる。
何となく違和感を感じるけど、本に書いてるし正しいのかな?
ココナラ低画質.jpg


他にも、作品を編集者や友達に見せた時に、
「もっとキャラクターに共感させた方がいいね」とか、
「派手な事件を増やした方が面白いよ」とか言われませんでしたか?

「それってあなたの好みですよね?」という言葉を飲み込んだ人も多いはず。
それらも全て【スタイル】のズレから生まれるものです。

【要約・以下の問題は『スタイル』を知ることで解消される】
1.自分の表現したいことがわからない(自己分析)
2.自分のするべきこともわからない(戦略)
3.参考にすべき作品がわからない(手本・資料)
4.既存の作品の楽しみ方がわからない(作品分析)
5.他人の的外れのアドバイスに悩まされる(取捨選択)
6.いつも同じ様な作品や既存の作品の真似になってしまう(差別化)


2.そもそも【スタイル診断】はなぜ生まれたの?

②.jpg

私は学生時代は『専門学校』に通っていました。

専攻は「漫画学科」だったのですが、
授業では現役で活躍している小説家や脚本家の講師も指導してくれました。
ですが、専門学校には致命的な欠陥があったのです。

それは、「みんな似た作品を作ってしまう」という問題です。
これは、私の担当になってくれた編集者(少年週刊誌)から聞いた話です。

同じ講師が添削した結果、生徒たちの個性は消失し、
質は上がるが、魅力が下がる……。

似た問題を「キャラクターデザイン学科」の生徒も持っていました。

デッサン力は上がり人体について詳しくなる一方で、
オリジナリティが減って講師の劣化コピーになる。

これらは【スタイル】を意識していないから起きる問題です。
講師が自分の【スタイル】だけを信じて、
それを生徒に押し付けた結果、みんな同じ【スタイル】の作品になる。

具体的にいうと漫画学科の講師の場合、
「クライマックスには、ヒロインが泣きながらテーマを叫ぶ」みたいな、
展開を生徒全員に強制させてしまうといった具合です。

ギャグマンガを描いている生徒にも、それを押し付けていたので驚きました。

講師にとってそれが理想のクライマックスかもしれませんが、
生徒たちの作品を読まされる編集者にとっては食傷気味でしょう。
みんな似た展開の作品を描くって、恐怖でしかないです。

ちなみに私は専門学校の講師よりも、
高校時代からの親友を信じていました。

「志幻の物語の魅力は、読者の予想を裏切ってやろうという意気込みだよな!」

そこを自分の魅力だと信じて、突き詰める方向で伸ばそうと意識しました。
じゃあ、どうすればもっと読者の予想を裏切るエンタメを作れるだろうと考えて、自分なりに「伏線」や「類推」などを巧みに使うという結論に辿り着きました。

結果、講師に「なんでヒロインが泣きながらテーマを叫ばないの!?」と責められました。
ですが、進級制作展でマガジンの副編集長に評価して貰えたので嬉しかったです。
PXL_20230616_07194385.jpg


これらの経験から、物語の創作術を一つに絞ることの危険性を意識し、
より多くの創作者が自分らしい作品を作れる方法を見つけ出そうと考えました。

これが私が【スタイル診断】を作ったきっかけです。


3.【スタイル】の分類方法を知れば納得できる

③.jpg

【スタイル診断】では物語を4種類に大別します。
この4種類というは、適当に選んだものではありません。

構造上、必然性がある4種類なのです。
ちなみに【スタイル】が完成したのが2012年くらいでしたが、
数年後発売した『荒木飛呂彦の漫画術(2015)』で、
漫画の『基本四大構造』として列挙されている要素と酷似していました。

そこで紹介されているものは以下の通り。
・キャラクター
・ストーリー
・絵
・世界観
――そして、全ての要素は『テーマ』につながる。

【スタイル】の4種類は、以下の通り。
1.キャラクター
2.ワールド
3.ストーリー
4.ドラマ
――ワールドは世界観、ドラマはテーマなので似ていますよね。

【スタイル】には数字が付いていますが、これにはちゃんと理由があります。
この数字の順番に要素が生まれているからです。
軽く説明しましょう。

1.キャラクター
①.jpg

まず、最初に視点キャラとなる「キャラクター」が存在します。
一般的には「主人公」と呼ばれていますが、
厳密には視点キャラの方が操りやすいので「視点キャラ」とします。
魅力的なキャラクターを一番に大事にしたい作者はここを意識します。

2.ワールド
②.jpg

視点キャラが存在する世界・社会がこの「ワールド」です。
時代や場所や表現するモチーフもここに属します。
「ホラー」や「SF」といったジャンルもここの魅力です。
自分ならではの世界観を大切にしたい作者はここに力点を置きます。

3.ストーリー
③.jpg

「ストーリー」とはできごとの流れを意味します。
つまり、時間の流れによって事態が変化していくということです。
「この先何が起きるか気になる(謎)」という魅力を持っています。
できごとの整合性や驚くべき展開を意識する作者はここを重視します。

4.ドラマ
④.jpg

「ドラマ」とは心理的な葛藤のことです。
ストーリーによって時間が流れた結果、
視点キャラが問題に悩み苦しむという展開になります。
そして、葛藤の末に決断するといった行動を通じて、
受け手にテーマやメッセージを伝えます。
強いメッセージ性や感動を大切にしたい作者はここを気にします。


スタイル流れ.jpg

4コマ漫画の様に構成されている要素が増えていくのが面白いですよね。

私はこの数字の中で③のストーリーを一番大事にしているので、
【スタイル診断】だと『ストーリー重視』ということになります。

ちなみに全てのイラストは【山乃碑 ルシ】氏に描いてもらいました。
先ほどの話に出てきた高校時代からの親友の漫画家です。

また、キャラクター重視とワールド重視は【テリング(表現)】
ストーリー重視とドラマ重視は【プロット(展開)】に比重を置きます。

そして、キャラクター重視とドラマ重視は【人物】
ワールド重視とストーリー重視は【社会・世界】に比重を置きます。

スタイル図.jpg

なぜ【スタイル】が4種類に分類できるか、理解出来たのではないですか?


4.診断を試してみよう

ドラマ重視.jpg


ココナラのサービスでは10個の質問にお答えいただいています。
質問に対しても、よりなぜそれを選んだのかを理由付きで聞いています。
そうすることでより細かい判断ができるからです。


今回は簡易版ということでお試し用の、3個の質問を用意しました。
質問に答える際は、
「自分は○○を重視しているから」
「さっきの図を参考にすると・・・・・・」みたいな理屈ではなく、
自分の率直な感覚で選んで貰った方が正確に診断できます。


では、始めてみましょう!

01.jpg

それぞれのアルファベットの中で一番大事にしているものと、
逆に大事にしていないものを選んで下さい。


02.jpg

この質問は二択ですね。
同時に考える人はどちらを大切にしているかでも大丈夫ですよ。


03.jpg


さて、それぞれお答えいただけましたか?


5.診断の結果はどうなった?

では、それぞれが何を重視しているか説明します。
01.jpg
A キャラが好き!グッズ欲しい!!   【キャラクター重視】
B 世界観が好み!雰囲気がたまらん!! 【ワールド重視】
C 騙されたわ!どんでん返しヤバい!! 【ストーリー重視】
D めっちゃ響いた!感動した!!    【ドラマ重視】

02.jpg
A キャラクター:登場人物の設定 【キャラクター重視】【ドラマ重視】 
B ストーリー:起こる事件や世界の設定 【ストーリー重視】【ワールド重視】

03.jpg
A コメディ寄り:気楽に楽しめる【キャラクター重視】【ストーリー重視】
B シリアス寄り:緊張感がある 【ドラマ重視】【ワールド重視】
C  該当なし。回答者に理由を詳しく聞いて判別する

いかがでしたか?
自分が思っていた【スタイル】と同じでしたか?
それとも意外な自分の選択に驚きましたか?

商品版ではさらに7個、合計10の質問に細かく答えて貰うことで、
得意や苦手だけでなく優先順位を付けることもできます。

「なぜ、その回答がこのスタイルになるの?」

――といった質問にも丁寧にお答えするので安心してください。

また、それぞれの【スタイル】別の物語創作法もお伝えします。
なので、【スタイル診断】で自分が何を重視しているかわかったけど、
実際に物語にどう反映させたら良いかわからない!!
――という、お悩みも解決できるはずです(むしろこっちが本題)。
スタイル詳細モザイク.jpg


6.診断&創作方法を学べるのはココナラだけ★

スタイル.jpg


いかがだったでしょう。
初めは聞いたことない【スタイル診断】について、
疑問を抱いていたと思いますが謎は解けたのではないですか?

仕組みを知ったことで、
冒頭に提示した問題がなぜ解消されるのかもわかったはずです。

【要約】
1.自分の表現したいことがわからない(自己分析)
2.自分のするべきこともわからない(戦略)
3.参考にすべき作品がわからない(手本・資料)
4.既存の作品の楽しみ方がわからない(作品分析)
5.他人の的外れのアドバイスに悩まされる(取捨選択)
6.いつも同じ様な作品や既存の作品の真似になってしまう(差別化)

上記の問題に悩んでいる方は、
是非【スタイル診断】をして前に進むことを決断してください。


今はココナラでしか【スタイル診断】をしていませんが、
今後は色々な活動をしていきたいとも考えています。


■■さいごに■■

長いブログを読んでいただき、ありがとうございます。
少しでも【スタイル】に関心を持っていただけると嬉しいです。

では、また★


※よくある質問に対するQ&Aを載せておきます。
(過去に行った【スタイル診断】での質疑応答を元にしています)

■Q.1
私は漫画家志望者です。
先日、作品を複数の出版社に持ち込みしました。
たくさんの意見を頂いたのですが、
出版社によって違う部分を評価されてしまい困っています。

■A.1
質問ありがとうございます。

出版社によって求める作品の傾向が違うのは当然です。
なので同じ作品を見ても評価が変わってしまうのです。

「某出版社A」は既に人気の「海賊漫画」を連載しているので、
新たに「海賊漫画」を求めることはありません。
出来るだけ違うモチーフが求められるのです。

一方で「某出版社B」は「ラブコメ」に力を入れています。
なので、当然作品のクオリティが同じであれば、
「ラブコメ」作品を高く評価します。

この様な時には「自分のスタイルを貫く」か、
「相手の求めるスタイルに適応する」かが問われます。

本サービスであなたの作風、
つまり「スタイル」を明らかにすることで、
今後無駄に迷わない様になるかもしれませんね。

■Q.2
今回は私の【スタイル】を診断してくださり、
ありがとうございました。
私には同じく小説家を目指している友人がいます。
彼女の【スタイル】を私が診断することはできますか?

■A.2
そうですね。
正確な【スタイル】を診断するのは難しいかも知れません。
簡単な占いとは異なり、細かい要素を分析する必要があるからです。

ですが、ご希望であれば今回利用した【スタイル診断の10個の質問】が、
【それぞれ四つのどの要素に対応しているか】をお伝えしたいと思います。

これを用いれば、自分や友人のスタイル診断だけでなく、
既存の作品の分析にも役立つでしょう。

■Q.3
プロ志望です。
脚本を書いているのですがドラマが弱いと評価されます。
どういったことを意識すれば良いでしょうか?

■A.3
スタイル診断をしていただき、ありがとうございます。

分析したところ、あなたの創作スタイルは
「ワールド重視」でした。

「ワールド重視」は世界観や雰囲気、
モチーフの魅力を活かす創作方法です。

なので、人間の葛藤を描く「ドラマ重視」とは、
違った作風と言えますね。

今回は「ドラマ重視」の作品の作り方を
お伝えするので、それを脚本に反映させてください。
二度とドラマが弱いとは言わせません。


■■ここから先は実際のココナラでの購入者とのやりとりを
  許可を得て掲載しています。■■

■Q.4
基本的かつとても重要な質問です。
自分で自分の作品が面白いと思えない時、「面白い」ってどう確認しますか?
『面白いの定義』がわからなくて困っています。
他の出品者に聞いても納得できる答えが貰えませんでした。

■A.4
【スタイル診断】を使って説明します。

1.物語には「プロット」と「テリング」の面白さがある。
プロット→時間の流れによって生まれる変化の面白さ
テリング→単体のキャラやモチーフによる面白さ

2.「プロット」は二つに分けられる。
ストーリー→意外性・納得の面白さ
ドラマ→共感・テーマの面白さ

3.「テリング」も二つに分けられる。
キャラクター→人物の魅力や関係性による面白さ
ワールド→世界観・モチーフ・ジャンル的な面白さ

スタイル別に4種類の面白さがあります。
目的や狙いに合わせて、工夫すれば良いですね。

■Q.5
オリジナリティはどう作るとお考えになるんですか?
『ワールド重視』=オリジナリティがあるという考え方で良いのでしょうか?

■A.5
【スタイル】の全てにオリジナリティはあります。

例えば『ドラマ重視』でも、
メッセージが作者ならではのものならオリジナリティは強いですよね。
響くメッセージはベタ(没個性)なのが多いですけど。

ただ仰る様に『ワールド重視』は非常にオリジナリティが強く出ます。
漫画やアニメなら『絵柄』、
小説なら『文体』もワールドですね。

■Q.6
自分なりに分析してみると、
私の作品は複数の【スタイル】が入っている様です。
こういった場合は、どういったことに注意して作れば良いでしょう?

■A.6
大事なのはあくまでも比重ということです。
全ての要素が入っていて当たり前。
どこを武器にするかに戦略が表れます。

例えばですけど、
『デスノート』をギャグ漫画で描いても良いわけです。
ですが、それはデスノートを活かしているとは言えませんよね?

自分の書きたい内容が、
どの【スタイル】なら一番お客様に楽しんで貰えるか?という視点が必要です。

それがプロの視点です。

もし好き勝手に書いてしまえば、
初めは『ストーリー重視』、
途中から突然『キャラクター重視』、
ラストはいきなり『ドラマ重視』みたいになります。

読者は何を期待して読めば良いのでしょうか?
なので、ターゲットになる読者に合わせて、
相手が期待するスタイルで攻めるという方法が有効です。


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す