求人倍率が高い=人手不足?(転職希望者編)

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ビジネス・マーケティング
このブログは私の人事・転職エージェントとしての経験を元に、私の身近で起きた採用・転職に関わることを綴って参ります。
業界・企業規模など特有のケース・事例が出てくるかもしれませんが、「そんなこともあるんだ」という暖かい目で見ていただけますと幸いです。
皆様の身の回りでは起こりえない事であってもご容赦ください。
採用の現場ではいろいろなことが起きているんです(笑)

前回は企業側の採用背景という観点から求人倍率について発信致しましたが、今回は転職希望者側の気持ちから求人倍率のことを考えてみます。

改めて求人倍率とは、求職者1名あたりの求人(ポジション/お仕事)数を示します。
企業や厚生労働省がそれぞれ集計・発表を行っていますがDodaさんの2023年12月のデータでは3倍を超えました。
これは1人に3件の求人があることを示しています。
経験や希望の諸条件を考慮しなければ求人(ポジション)が3件もあるってすごいと思いませんか?

転職・就職の話題では『売り手市場』という表現を耳にされることと思います。
売り手 つまり労働者側が有利な場合に使われる表現です。
※反対は「買い手市場」=企業側が有利

少子高齢化が進み、人手が不足しているのでしょうか。
確かに不足している業界・職種があります。
では実際のところ転職希望者はどのように考えて転職活動を行っているのでしょうか。

2023年10月にリクルートワークス研究所さんが
『なぜ転職したいのに転職しないのか - 転職の”都市伝説”を検証する-』というレポートを発表されました。
とても面白く、これまで私が肌感覚で感じていたことを明らかにしてくださいました。

このレポートでは
『転職を希望する就業者のうち翌年に転職していない割合=87%』と報じています。
多くの人が転職を実現させることができていないようです。
なぜ人手不足と言われ、求人もたくさんある中で転職していないのでしょうか。
それは転職に対する向き合い方・想いがポイントになっています。

転職活動に対する熱意・必要性・想い入れには個人差があって当然で、
リクルートワークス研究所さんの分析では
  いずれ転職したい:55.7%
  現在転職したいと考えているが活動していない:29.2%
  転職活動者:15.1%
というデータが出てきています。
強く「転職したい!」と考えている人は意外と少ないようです。

転職支援の現場では「某TVCMをみて年収が上がると思って・・・」や「大きな不満はないのですがもっと良い会社があれば・・・」といった声を聞く機会は日を追うごとに増えている印象です。

10年近く前までは、「残業時間が非常に長くて・・・」「会社から転勤を命じられたが家庭の事情で転勤できなくて・・・」「会社の業績が悪くて・・・」という声をたくさん聞いていました。
しかし、いつしかこういった声を聞くことが少なくなりました。
コロナ禍だった2020年・2021年は「会社の業績が・・・」という相談を受けましたが、残業時間など労働環境に纏わる相談を受けることが少なくなりました。
(「テレワークしたい」という声は増えたように思います)
各種  法改正に伴って「働きやすい労働環境」が整ってきているようです。
労働時間などの環境面ではなく、別の理由から転職を希望する人が増えています。

唐突ですが、貴方の考える『良い会社』ってどんな会社ですか!?
『良い会社』のポイントには個人差があり十人十色。
ぼんやり眺めているだけでは、はっきりしないことではないでしょうか。

貴方にとっての『良い会社』を明確にするために、「どんな仕事に就きたいか」「やりがいを感じることは何か」といった自己分析に時間をかけ、仕事/会社は慎重に選んで頂きたいです。

さて、2回に渡って『求人倍率が高い』というテーマで書かせていただきましたがいかがでしたでしょうか。

『人手不足』という社会問題だけでなく、それぞれの状況・想いによって求人倍率が形作られていることが伝わると嬉しいです。

「優秀な人を採用したい」企業
「良い会社に入社したい」転職希望者

双方の想いが掛け合わさり、ハッピーな形になることを願っております。

追伸:現実はそんな簡単なお話ではありませんが・・・・(笑)
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