求人倍率が高い=人手不足?(企業編)

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ビジネス・マーケティング
このブログは私の人事・転職エージェントとしての経験を元に、私の身近で起きた採用・転職に関わることを綴って参ります。
業界・企業規模など特有のケース・事例が出てくるかもしれませんが、「そんなこともあるんだ」という暖かい目で見ていただけますと幸いです。
皆様の身の回りでは起こりえない事であってもご容赦ください。
採用の現場ではいろいろなことが起きているんです(笑)

先日、Doda(パーソルキャリア)さんが2023年12月の転職求人倍率が3倍を超えたという発表がありました。
Dodaさんの転職求人倍率は、中途採用の採用予定人数を転職サイトdodaの会員登録者(転職希望者)で割ったものだそうです。
(経験や希望は加味せず)転職希望者1人に対して3件の求人があるということ。

「1人に対して3件」ってどのように感じられますか。
多いでしょうか?少ないでしょうか?
Dodaさんの発表によると2019年は1倍~1.5倍程度だったのが、2021年以降から右肩上がりとなり3倍を超えたようです。
数字上、とても増えているという事が分かります。

これまでも少子高齢化を理由に「人手不足」「労働力が不足する」としきりに言われていますので倍率が上がっていくことは自然だと思います。
でも本当に「人手不足」によって求人倍率が上がっているのでしょうか?

2024年1月に日経新聞が「非正規社員から正社員への転換は7%に留まる」と報じました。
正社員を望む人がいて、人手不足ならもっと高い数字になってもよいのではないでしょうか。

実は業界・企業によって募集する背景が異なっており、「人手不足」を補うための採用ばかりではありません。
2023年は人手不足による倒産企業数が増えており、人手不足の業界・企業があることは事実です。同時に『組織強化 / 次世代リーダー候補を採用したい』という想いの企業も募集を行っています。
このような次世代リーダー候補の採用は、高いレベルを要求され厳選した採用が行われています。

つまり最近の転職市場は「人手不足」と「組織強化 / 次世代リーダー候補を採用したい」という2つのキーワードが混ざっているんです。
「3倍」という数字だけに着目すのではなく、応募を考えている企業・求人の募集背景まで確認した上で、検討することをおススメいたします。

ちなみに前述のDodaさんの発表によると求人倍率が高い業界は、
人材サービス業界:9倍、IT・通信業界:8倍、コンサルティング業界:7倍となっておりました。
職種別で見るとIT・通信系のエンジニアが13倍と抜きに出た倍率となっていました。

次回は労働者(転職希望者)側の心情、転職活動の状況などに触れて参ります。














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