心理学系大学院の受験勉強の方法~専門科目編~

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こんにちは!
心理学研究員の原です。

前に英語の受験勉強の方法を投稿したので、今回は専門科目の勉強法を書いていきたいと思います。

専門科目は、問題集などがないので過去問研究をして勉強する範囲を決めました。

使っていたテキストは以下の通りです。
①無藤 隆・高橋惠子・田島信元 編 発達心理学入門Ⅰ 東京大学出版会
②無藤 隆・高橋惠子・田島信元 編 発達心理学入門Ⅱ 東京大学出版会
③大村彰道 編 教育心理学Ⅰ 発達と学習指導の心理学 東京大学出版会
④下山晴彦 編 教育心理学Ⅱ 発達と臨床援助の心理学 東京大学出版会
⑤東 洋・繁多 進・田島信元 企画編集 発達心理学ハンドブック 福村出版
⑥無藤 隆・安藤智子 編 子育て支援の心理学 有斐閣
⑦吉田寿夫 本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本 北大路書房
⑧山田剛史・村井潤一郎 よくわかる心理統計 ミネルヴァ書房
⑨丸山欣哉・佐々木隆之・大橋智樹 学生のための心理統計法要点 おうふう

(1)発達心理学と教育心理学の勉強の際に、まずは基本テキストを決めてキーワードを抽出しました。
例えば、アタッチメント、心の理論、三項関係、社会的微笑、ターンテーキング、認知発達、社会性、自己肯定感、アイデンティティ、移行対象、乳児期、幼児期、児童期、ことばの発達、観察法、ピアジェ、エリクソン、ヴィゴツキーなどですね。

(2)抽出したキーワードを200~800文字程度にまとめました。
例)三項関係
9か月頃(約1歳)になると「自分とものと人」という関係を認識した三項関係が成立するようになる。この関係が成立することによって、自分が注目しているものや自分の欲しいものを相手に伝えるようにできるようになり、この関係を土台としてことばが発生していく。例えば、子どもが電車をみて指さしをしたらそれに興味を持っているということであり、大人(親)は子どもと同じものをみてその子どもの意図を共有する。そして、子どもの意図や気持ちをことばで伝えることによって子どもは指さしの対象の名前が電車であると理解する。

例)自己効力感
①バンデューラが提唱した概念であり、自己効力感とは自分が行為の主体であり、自分の行為が自己の統制下にあり、外界の要請に応じて適切な対応を生み出しているという感覚、確信のことである。バンデューラは社会的認知理論の中核をなすものとして自己効力を挙げており、行動が生じる先行要因として効力期待と結果期待を挙げている。
②効力期待とは、ある課題に対して自分ならこの程度はできるであろうという期待であり、自信と言い換えることができる。また、結果期待とはある課題を行うことによってこのような結果が得られるだろうと考える期待である。これらのうち、バンデューラは効力期待のことを自己効力と呼び、これが高い人は積極的に行動するようになり、低い人は行動が抑制されると考えた。
③自己効力感を高める方法として、成功体験、代理体験(同じような能力を持つ人が成功しているのをみる)、言語的説明(励まされる)、生理的状態(心身の状況が良好なこと)の4つが挙げられる。これらの中で最も効力感が高まるのは、成功体験であるが、これは我慢をして大きな壁を乗り越える体験が伴う必要がある。

繰り返しになりますが、このようにキーワードを抽出してそれを200~800字にまとめます。

私の場合、例えば自己効力感ならまず①だけにしておいてそれからより詳しく説明するために②と③をつけ加えていました。
1回ですべてをまとめることができなかったので①だけの「仮ノート」を作り、最初に基軸となる内容をまとめて「本ノート」に基軸の内容+αをして1つのキーワードの説明文を作りました。

発達心理学の場合、上で挙げた発達心理学Ⅰと発達心理学Ⅱを基本テキストとし、教育心理学は上に示した教育心理学Ⅰと教育心理学Ⅱを基本テキストにしました。基本テキストは、最初に読み込み理解を深めましたが、あとは辞書的な役割をすることの方が多かったです。他にも心理学の辞典や発達心理学、教育心理学の授業のテキストを使うなどして説明文を完成させました。

説明文の作成のポイントは自分のことばでまとめるということです。テキストの表現の場合、十分な理解に至らない場合や堅苦しくなってしまう場合があり、内容を覚えにくくなってしまうのでできるだけ自分のことばでまとめました。あとは絵を描いたりもしました。

暗記の方法ですが、私はこれまで長い文章の内容を暗記したことがあまりなかったので音読したり、書いたり、iPhoneに音声録音をして聞いたりとできることはなんでもやりました。長い文章の場合、私は書くことが一番暗記しやすいことがわかったのでとりあえず何度も書いていました。時間を結構費やしたり、腱鞘炎になったのでテーピングをしたりしていましたが、その分、多くのことを暗記したりキーワードを関連づけて説明できるようになったので良い思い出です。

最後に、統計なのですが最初に読んだ本が「本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本」だったのですが、私には十分な理解ができなかったので「よくわかる心理統計」を基本テキストにしてキーワードの説明のときには「学生のための心理統計法要点」も使って説明文を作りました。統計の場合、暗記する内容もあったのですが、どちらかというと理解することで自然と覚えることができました。

専門科目で発達心理学や教育心理学、少しなのですが臨床心理学の勉強をしたのですが、一番大変だったのは心理統計でした。南風原先生などが出している心理統計学のワークブックも使いましたが、そもそも私が在籍していた学科は心理系ではなく、哲学や倫理学系だったので数式などは本当に苦手でした。今となってはいい思い出です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。



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