ナイチンゲールへの憧れ

記事
コラム
看護学生の時に、アンパン帽という名の給食の時にかぶるような帽子をかぶっていました。

1年間はこのアンパン帽、それしかかぶれないと、ナースキャップをかぶっている先輩は、とてもカッコよく見えてしまう。ナースキャップを早くかぶりたい!!!そう思いながら過ごしていました。

目次
ナイチンゲール覚え書き
戴帽式
ナースキャップでの実習スタート
学生時代にはわからなかったナイチンゲールの偉大さ

ナイチンゲール覚え書き

看護学生の1年の時に、ナイチンゲールの覚え書きを読み、感想文を書くという課題が出されました。 なんて当たり前のことが書いてあるんだ?という感じで、これに一体どんな感想を書けばいいんだ??とりあえず、当たり前のことが書いてあるってことを感想に書きました。

先生は、なんでこの素晴らしさが分からないかしら?と困っていました。              私には、なんで先生はこれが素晴らしいと思えるのか、そっちの方が不思議でした。

結局ナイチンゲールはなんでこんなにナースの鏡のように扱われているのか?            謎のまま戴帽式を迎えることになりました。

戴帽式
いざ2年生になって戴帽式を迎えました。

戴帽式でのキャンドルの光は、ナイチンゲールが暗い夜も患者さんのためにろうそくを灯して看護したという言い伝えから、「看護の光・看護の心の光」とされています。 ナイチンゲールより伝えられた灯火(とうか)を受け継ぐことを意味しています。

全員のろうそくに火が灯り、その後、戴帽式のセリフがありました。

われはここに集いたる人々の前に厳かに神に誓わん
わが生涯を清く過ごし、
わが任務を忠実に尽くさんことを。
われはすべて毒あるもの、害あるものを絶ち、
悪しき薬を用いることなく、
また知りつつこれをすすめざるべし。
われはわが力の限り
わが任務の標準を高くせんことを努むべし。
これらを全員で声を合わせて言っていたのですが、ろうそくの灯が声を出すたびに揺れて、消えるんじゃないかと、ドキドキしていました。

あのときは、とにかくアンパン帽から抜け出せる喜びしかありませんでした。

なんて素晴らしい誓いの言葉なんだ!!これぞナースの鏡!!!

ナイチンゲールは昔の人なのに、こんなすごいことに気づいてたなんて!!本当にすごい!!!

今は賞賛しかありません!!

「博愛、責任、清潔」を表すナースキャップをかぶることによって、ナースという職業に対する情熱や人の命に関わる責任感を再認識させるものです。

 しかし、学生時代は自分がナースとして病院に向かうなんて、全く信念のかけらもない状態でした。

もちろんナイチンゲールの素晴らしさもよく分からず、先生はいちいちうるさいなってところしか覚えていません。

ナースキャップでの実習スタート
ついにナースキャップの出番!!

ウキウキしながらナースキャップをつけようとするが、これがうまくとまらない。なんで???

ピンの止め方で、グラグラ揺れるし、お辞儀をしたら一緒に落ちそうになるし。。。

アンパン帽の方が楽でよかったじゃん!!!

と、ナースキャップに憧れていた割に、実際につけてみらた面倒であっという間に、苦痛のキャップに変わってしまいました。

テレビでナースキャップをしているナースがかっこよく見えたから、つけてみたかっただけで、みているのと、実際につけるのとでは違いがあることを実感しました。

学生時代にはわからなかったナイチンゲールの偉大さ
訪問看護を始めて4年くらいの時に、実家に帰ったらナイチンゲールの覚え書きを見つけて、東京に持ってきました。職場に持っていき、読んでみたら、なんてすごいんだ!!!

在宅での看護で、本当になんでこんな汚くなっきゃうのかなとか、もっと環境を整えなくちゃいけないなとか、自分が思っていることをナイチンゲールが伝えていた!!!ってことにびっくりした。

当たり前の本でしかなかったものが、見る視点が変わることで、全く違うすごい人の本となってしまった。こんなに素晴らしいことをナイチンゲールは知っていたなんて!もっと早く知りたかった!!!

読んでいると、ちゃんと大事なところには赤字で線が引いてあり、学生時代の私が引いたものだけど、その時はただテストに出るから覚えておかないとな。。というための赤線。

それが訪問看護をしている時に見ると、その赤線は今いる利用者さんにぴったりの事ばかり。

見る視点、勉強を何のためにするのか、それだけで一冊の本の重要性が変わってしまうってことを気付かされました。

学生時代は、国家試験があるから、テストのために勉強をしていました。

でも、仕事を始めたら、どうやって使えるか?その視点で学ばないと無意味な学習になってしまう。 この違いが、役に立つナースと動けないナースの違いになるんだなってことを痛いほど実感させられました。


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