【クラウンスポーツ(トヨタ)】(2023年)
クラウンクロスオーバー(以後クロスオーバーと略す)から続きスポーツも登場。
クラウンスポーツ(以後Cスポーツと略す)はどこかプジョーやフェラーリプロサングエを思わせる輸入車っぽいデザインで、これまでの日本車にはないカッコ良さが感じられるモデルになっていました。
(丸みのある筋肉質な盛り上がりなどが強調されたデザイン。特にリア周りの筋肉質がスゴイ迫力です)
そして、21インチという大きなタイヤも印象的です(タイヤの維持費は怖いですが)。
SUVっぽいデザインですが、SUVより背は低い感じでジャガーIペイスや、プジョー408を思わせる形状。
そのため、セダン系よりも乗り降り楽なのがまた良いですね。
室内の質感はクロスオーバーと所々ちがうもののデザインはほぼ同じ。
(シフトノブやミラースイッチ周囲はラメ入りピアノブラック調に進化。ただ走行モードスイッチのツマミが小さく逆に周囲の傷が目立ちそう)
(Cスポーツの黒内装は特にドアトリム一色で質素。クロスオーバーはオプション?でブラウンなどの組み合わせでオシャレ感ありますが高級感がある感じではないです)
デザインと質感に関しては新型プリウスとそう変わらない印象で、プリウスの方が少しでもアンビエントライトがあるなど豪華に感じてしまいます。
ここは価格差からみた高級車と考えると個人的には気になってしまう所です。
ボタンはマツダのようにピアノを押すような形状で押しやすい。
スマホの充電は立て掛けて出来るのも便利そう。
シートを冷やす機能もありがたいですね。
デジタルインナーミラー+ドラレコ付が標準装備、ハンズオフドライブ可能(時速40キロ以上)等もポイント。
ナビ画面は広く画質もいいのですが、2画面に出来なかったり操作性は賛否あります。
デザインは今までのクラウンの面影はないですが、運転席などから助手席の電動シートを操作出来るボタンがあったり、前席の肘置きは左右どちらからでも開閉可能といったクラウンらしい機能は健在でした。
後ろドアはクロスオーバーより開かず、スポーツはやや乗り込みにくさがあるためご注意を。
(SUVのようにドアがボディ下部まで覆うように閉められるためスカートの裾等が汚れずいいですね)
後席の足周りはクラウンシリーズの中では一番狭い印象で広いといった感じは無いですが普通に座ることができるスペースはあります。
ですが頭上はクロスオーバーより余裕がありました。
後席の中央肘置き(ドリンクホルダー)を出すと良い高さで止まりますが、窓側の肘置きスペースがクロスオーバーより非常に狭くまともに肘を置くことができません。
また、中央との高さの左右差もあり(ここはクロスオーバーも同じ)、リクライニング無、シートヒーターも無いため後席は優先される車ではないです。
(クロスオーバーは4人乗車でも長い物が入れられる開閉口がありましたがCスポーツはありません)
荷室は電動開閉可能。
後席倒すとほぼフラットでそこそこ積めますが、スタイル重視のためか高さスペースは思ったより圧迫しているためご注意を。
エンジンは定評のある2.5LハイブリッドとPHEVのみ。(グレードもワングレードのみ)
ハイブリッドはこれまで通り加速だけでなく出だしのレスポンスの良さも健在で、パワーも全く不満ありません。
モーターからエンジンの切り替わりも滑らかで踏み込まないと分からないほど熟成されています。
加速すると軽い感じのエンジン音は聞こえこれまでのカムリと同じような感じですが、振動が凄く抑えられているように感じられます。
(先代は特にシフトノブからの振動が伝わりやすかった)
熟成されたハイブリッドで凄く良いのですが、エンジンに関してはこれまで通りって感じでスポーツって印象が無かったのは残念ポイント。
ブレーキもカックンとならず止まることができ、トヨタハイブリッドのブレーキも凄く扱いやすくなってます。
そして、アクセルは加工型ではなく本当に下から設置されたオルガン式。
ハンドルの触った質感は良く、操作もこれまでのトヨタらしく凄く滑らか。
ハンドル操作が軽かった先代クラウンよりコシというか重みが増し、より上質な仕上がりになっていて好印象。
(カムリより、もう少しだけコシが増した味付けでさらに良かった)
乗ってすぐ体感できることが乗り味の重厚感が増したこと。
ややドイツ車を思わせる乗り味に進化してました。
そのためかカーブ時の安定性やハンドリングも良く、体の持っていかれ感も少なく楽に運転が出来ました。
さらに、両脇のサポートは程々ですが(ロールが少ないので楽)、シートが背中全体を優しく包んでくれます。
そこがまた日本車らしく、ソフトでいて芯があり、ゆったりした安心感があるシートでした。
乗り心地については、時にゴトンと衝撃がありますが室内に直接響く感じではなかったです。
ある大きな段差ではビーンといった硬い突き上げが入りますが(大きな衝撃ではないですが響くような突き上げ)ボディのブルブル感はそれ程気にならず剛性の高さが体感できます。
ロードノイズも結構抑えられていてカムリと比べてもハイレベル。
荒れた路面でも遠くで聞こえる程度。
これだけ遮音レベルが高いとES並みの静粛性があるのでは?と思える程でした。
視界については筋肉質なボディや大きさなどから、車体の大きさは時に気になりますが、視界は比較的良好で三角窓の死角もなく360°モニターもあるため良いですね。
気になる点はスポーツといった感じは外観デザイン以外感じられない所(走りも室内も)。
ただ、PHEVではスポーツ専用設定の作りとなり、その他にもセミバケットシート、レッド内装、パドルあり、後席のシートヒーターあり等、物足りない部分が追加されてます。
そのためクラウンスポーツはPHEVが本命ですね。
★★こんな方にオススメ★★
新型クラウン4種の中で、クラウンスポーツは見た目のデザインで決められる車に感じられます。
そのため後席の快適性は4種で一番優先度が低く、荷室も使い勝手は良いとは言えないでしょう。
また、スポーツという装備&走りは体感できず、これまでの完成されたハイブリッド車。(車としては万能)
本当のスポーツを求める方は専用装備&味付けされたPHEVなのでしょう。