玄空飛星派風水とマンションと引っ越し(省略版)

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 「風水の良い家に住みたい」。風水を信頼する人ならば誰もが思うことだと思いますし、引っ越しというイベントは風水というものを意識しやすいタイミングかもしれません。

 この記事はおおむね3つの観点から文章を作っており、ひとつはマンションの外的環境を風水においてどのように考えるべきか、もう一つは「玄空飛星派風水(フライングスター風水)」という風水技法においてマンション(アパート)への引っ越しを私がどのように考えているか、最後は引っ越しに関してよくある質問に対する私なりの回答、というものです。

 玄空飛星派風水は主として目に見えない「財運、健康運、人間関係運」を司る建物内部の気の流れを測るために編み出された欧米諸国を含めて世界で最も信頼されている「最強の風水」とも呼ばれる風水技法で、わたしがメインで使用している技法です。

※ただしこの記事はわたしの考えを記載したものですので、玄空飛星派風水を使用するすべての鑑定士が同じ見解を持っているわけではないですよ。

 なお、この記事の玄空飛星派風水の項目についてはある程度理論を把握されている方向けの文章です。

 玄空飛星派風水がどのようなものか知りたい方は別記事で理論や鑑定例を紹介しているので参考にしてみてくださいね。


玄空飛星派風水とマンションと引っ越し


 風水というものは大きく分けると二つの観点から建物の吉凶を判断するもので、一つは「巒頭(らんとう)」と呼ばれる建物の周辺環境などの目に見えるもの、もう一つが「理気(りき)」と呼ばれる目に見えない気の流れです。

 ケースにもよりますが建物の周辺環境などの巒頭(らんとう)条件は理気と同等以上の影響力を持つもので、そもそも致命的に悪い環境を持った物件については理気を見るまでもなく凶物件だと断定できるものです。

 そのため影響力の強い凶にの周辺環境に該当する物件に住むべきではないというのがまず風水を考えた物件選びの第一の鉄則です。

 そしてその上で、玄空飛星における理気が好ましい物件を探すというわけですが・・・ここでネックになるのは間違いなく望んだチャートに該当する物件を選ぶことができるかどうかということになります。

 たとえばT字路突き当りにある物件、高速道路沿いの物件、線路沿いの物件や三角の土地にある物件、また三角形などのいびつな形の部屋など・・・風水で悪いとされる形殺は多数存在し、私の記事でも40個程度の凶となる環境は紹介させて頂いています。

 ただし・・・こうした凶とされる形殺は数多く、実際問題として都会の引っ越しですべての形殺を避けることは非常に困難です。

 そのため小さなものはやむを得ないとしても、致命的な形殺を避けることがまず重要になるということですよ。

四神相応が好ましいが優先すべきは何?

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 風水において、建物の四方はそれぞれ「物件背後・・・住人の助けとなる貴人のサポート」「右側・・・住人女性」「左側・・・住人男性」「前方・・・財運」を示すものとされており、物件の背後、左右の三方が守られて前方が開けた土地のことは「四神相応」と呼び吉祥の風水の代表格とされるものです。

 ただ実際のところ、都会でいざ四神相応の物件を探すとなればそのような好ましい立地の物件はそう多くはなく、数十軒に一軒程度しか存在しないと考えています。

 ですがこれをもう一歩考えを進めると、たとえば物件を探す本人が固定給の会社員や公務員などといった財運による収入面の変動がほぼないと考えられる方においてはいくら財運が良くても原則として収入面等の結果に結びつく可能性が低いため、建物前方のスペースの広さは気にする必要はないとわたしは考えています。

 同様に一人暮らしの女性が物件を探すならばまず重視するべきは自物件の右側が保護されているかどうかということであり、男性の一人暮らしならば自物件の左側が保護されているかどうかということになります。

 貴人からのサポートについてはおそらくはどの業種、あるいは学生においても関係しうると考えられるため、自物件の背後は保護する構造があった方が好ましいというところです。

マンションで住んではいけない階はある?

 結論から言いますと、風水において住んではいけない階は基本的にはありませんが高層階には住まないほうが良いと考えられています。

 何階以上が悪いのかということについてしっかりとした結論は出ていませんが、わたし自身は10階くらいがひとつの目安になるのではないか・・・?と考えています。もし選択肢があるのならば6階以下とかが良いのかもしれませんし・・・。

 風水には、自宅周辺環境を観る巒頭(らんとう)風水と、目に見えない理気を観る理気風水に分かれますが、理気というものはもともと大地からのエネルギーという意味合いが強いものですから、大地から離れれば離れるだけ地からの助けを得られなくなるのは当然のことだと考えます。

 また、タワマンなどの巨大な高層建築においては、自物件の周りを守る建物が存在しない「孤峰殺(こほうさつ)」という形殺に該当する可能性が非常に高くなります。

 孤峰殺で言われるのは人間関係の悪化からくる孤独といった象意なのですが、こうした物件はやはり周囲の物件を見下ろす形になりやすく、逆に周囲からすれば「見下ろされる不快感」を感じる物件になってしまう。

 要は物件の形状と環境そのものが周囲に対してマウントを取るような形になってしまうということです。

 またタワマンにおいては物件の周囲を守る建物が存在しないケースが多く、そのケースにおいては玄空飛星における理気の考えとして「山星をサポートするものがなく、向星が力を得る」という結果につながるものです。

 山星は安静を、向星は活動的なものをサポートする星ですからそうした物件は「パーティなどの活動的な用途には向いているが、ゆっくりと時間を過ごす安静を取る用途には向かない」ということです。

 もう一ついえば「住んではいけない間取り/部屋10選」の記事に書いたように10階以上居住の妊婦さんにおいては流産率が38.9%であったとする論文があり、高血圧や精神不安、不眠などの発症率が高くなるという「高層階症候群」という呼称すら存在するようですので。

単身者、新婚夫婦、定年後夫婦などの家族形態における引っ越し物件の吉凶


 先ほども少し書きましたが、その物件に住む予定の方がどのような方なのか、どのような家族形態なのかによっても選ぶべき物件は異なります。

 当然単身者であれば自身が守られる周辺環境を選んで、一人が良い部屋を取ることができる物件を選ぶことができればよいわけですが、これが家族数が増えれば増えるだけ主変環境には少なくとも三方が守られた環境である方が好ましいですし、健康運の良い場所としては複数ある方がよいわけです。

 それにたとえば新婚夫婦においても今後子作り~出産、子育てという将来を考えている方が多いでしょうから、そうした方々においては子供を産んで育てていくためにマイナスとならない物件選びをするべきです。

 一例を挙げれば、先に書いたように高層階における流産率増加という問題もありますし、他にも特定の周辺環境などにおいては「子孫が絶える」といった象意を持つ環境も存在しますので、新婚夫婦においてはそういったものは当然避けるべきです。

 (ただし、当然ながらその環境の物件に住む方全員が子孫が絶えているわけではありませんよ。)

 そうした環境においても、子育てが終わって子供たちが独立した後の老夫婦が物件探しをする際にはそこまで気にする必要はないわけですし。

 ですので結論としては家族の形態、今後求める生活像によっても好ましい物件、あるいは避けるべき物件というものは変化するということです。


財運と健康運/人間関係運のどちらを優先すべきか?

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 さてもう少し話を進めますと、誰しも財運の良い家を選んだほうが良いのは当然のことなのですが、たとえば固定給の会社員の方が財運の良い住宅に住んだとしても給与が突然上がるなんてことは当然ありません。

 また、宝くじ等を狙って財運のいい家に住むというのもナンセンスなことだと私は考えています。財運の良い家だから宝くじが当たる!という考えは黄色の財布を持ったから財運が上がるとする考え方と大差のないものですから・・・。

 つまり、そうした会社員や公務員などの方はそこまで財運そのものを重視する必要はないとわたしは考えています。それはもちろん四柱推命における財運の良い時期も同じこと。

 ですが、これが事業主の方や歩合制の営業職の方、あるいはフリーランスの方々などにおいてはやはり財運の良い家に住むことができるに越したことはありません。

 また、その物件に住むであろう期間も加味して考えるべきことです。たとえば転勤などの理由から1~2年程度の居住を考えている物件を探すのと、この先30年間住むための家を探すことでももちろんどこまで力を入れて物件を探すかは変わってくるわけですし。

 ですが当然自宅物件を選ぶ際のハードルを上げれば上げるだけその敷居を超える物件に出会うことが難しくなるのは当然のことだというところです・・・。

※ちなみに財運の善し悪しは玄空飛星では玄関方位の飛星の配置を最も重視するものですが、玄関方位の飛星の吉凶というものは正確には財運だけをみるものではなく、住宅に入ってくる気の流れがどのようなものかも観るものです。そのため財運がたとえ好ましくなくとも、病や死、不幸ごとといったようなとても悪い象意をもった玄関というのは好ましくないものだと考えています。ご参考までに。

※もう一点、この財運という問題に関しては厳密に言えば「収入運」と突発的な支出の多寡を測るための「支出運」というものがあり、玄空飛星以外の技法の中では収入運と支出運を分けて判断を行うものも存在します。そのため会社員でそこまで重視する必要がないものは厳密に言うと収入運というところの話までとなります。

 さて、次に財運と健康運のどちらを重視すべきかという話ですが・・・結論から言いますと財運がいくら良くても健康運が悪い家に住んで体を壊しては当然何の意味もないとわたしは考えています。

 また玄空飛星派風水において健康運と人間関係運は同一の基準で判断をしますので、この問題は言い換えるならば孤独で不健康な富豪と信頼できる家族友人が周りにいる健康な庶民のどちらになりたいかというお話ですから。

 もちろん実際の収入であれ健康であれ人間関係であれ、これらすべての結果は風水や四柱推命といった運気どうこうだけで決定されるものではなく、個人の行動によって大きく結果は異なるものです。

 いくら財運が良くても明らかに味の悪い食事を出すレストランが流行ることはないですし、いくら健康運が良くても不健康な生活をしていれば健康を損なうのは当然、本人が傲慢なふるまいをしているならば人間関係運が良くても結果が伴うわけはありませんから。

 ですが風水というものはこれらの自分の行動の後押しやフォローをしてくれるものだとわたしは考えています。風水の善し悪しがすべて結果につながるわけではありませんが個人の努力の後押しをしてくれるものだと。

マンション/アパートにおける玄空飛星派風水の注意点

 ここからは具体的にマンションにおける玄空飛星派の理論について触れていきます。

 まず、玄空飛星派においては「建物の建築時期」と「建物が顔を向ける方位」という2つの観点から建物内部の気の流れを特定します。

 また、この理論においては「原則としてひとつの建物はひとつの坐向(建物の向き)」を持つもので、つまり同じ物件においてはすべての部屋が原則としてひとつのチャートを共有します。

※一定の条件下で複数の坐向を持つ例外は存在します。

 ですが、「建物で同一のチャートをすべての部屋が共有する」ということは言い換えれば、「部屋の方位や間取りが異なる部屋においては運気の流れが異なる」という結果につながります。

 一例を挙げれば下の飛星チャートは1984年から2003年までの間(第7運)に建築された南向き(午山子向)の物件にかかるチャート(南が上、北は下に書かれています)ですが・・・
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このチャートを持つ物件が集合住宅であった場合、玄関が北東にある部屋においては向星9の大吉の玄関を取ることができ収入運の良い家と見込みますが、同じ物件で玄関が北西にある部屋の場合には玄関の向星は病星2となり、病や体調不良に苦しむ家となりかねないという結果になります。玄関が北にある部屋と玄関が南にある部屋もいわずもがなです。

 (ここでは簡略化した形で書いてますので実際の判断はもう少し複雑です)

 そのため、同じマンションの部屋であってもすべての部屋が同じ気の流れをもつわけではなく、部屋の向きや間取りごとに部屋内の吉凶のエリアは異なるということがこの技法における結論となります。

 もちろん玄関が同じ位置についていても部屋数が違うケースなどで部屋の中心点(太極)が異なるケースでも結果は異なるものとなりますよ。

マンション/アパートの坐向(建物の向き)判断は難しい

 つぎに、マンションやアパートといった集合住宅における玄空飛星派の判断でネックとなるのは「坐向(建物の向き)があいまいな物件が多いこと」です。

 先に書いたように玄空飛星派風水においては建物の建築時期と建物の顔が向いた方位によってその建物内部の気の流れを特定するものですが・・・

 建物の顔、つまり建物の向きを決める要因となるものは「建物の主玄関(エントランス)」「建物に面するオープンスペース」「最も印象的な眺望の方位」「大きな窓などの再興の最も多い面」「宅内で最も社交的、活動的な面」「接道状況」「門の方位と玄関へのエントランス」などを挙げることができます。

 そしてマンションにおいては、そもそも玄関とベランダが正反対の方位に存在しており二つ以上の面に同程度の道路が接道している、またエントランスが複数方位に存在するといったケースなどが無数に存在することから、坐向をどのように取るかの判断は難しくなるものが多いです。

※玄空飛星派の坐向判断においては「玄関側が建物の向き」「ベランダ側が建物の向き」といった固定化した基準は存在しません。

 ですからこれら建物の向きを判断する要因が複数方位にまたがるケースにおいては聞き取った実際の居住状況と部屋内の使用方位の吉凶を併せ見て坐向の判断をすることが通常です。

 あるいは正確な知識とそれに基づく経験値を持った鑑定士の方々がそれらを外観のみから判断できるケースも当然あるかと思いますが、そうしたトッププロともいえる方々が日本にどれだけいるかは甚だ疑問です。もしかすると日本全体で10名以下、どんなに多く見積もっても30名はいないだろうと考えてしまいますが・・・?

 少なくともわたしにはそこまでの知識と経験はありませんのでそうしたケースにおいては生活状況の聞き取りから坐向を判断させて頂いているものであり、マンションにおいて建物の顔、つまり坐向の判断に迷うケースは実際に多いです。

入居前に坐向が確実に取れる物件を選ぶために

 つまり先に書いたようなことを考えると、玄空飛星派風水を考慮してマンション、アパートなどの集合住宅に引っ越しをしたい場合には、坐向があいまいな物件はなるだけ選ばないことが賢明です。

 坐向を決める要素が複数方位にまたがる物件を選んだ場合、「入居してからしかチャートの特定ができない」という事態に陥ってしまうことがしばしばあるため物件の理気の善し悪しを入居前に知ることは困難です。

 つまり、坐向を安心して取る物件を選ぶための一般論としては、上にあげた多くの要素からみて同一の向きを取ることができる物件が好ましいということです。

 坐向を確定するための要素があいまいな物件は入居するまで運気の良し悪しが確定できない物件となることが非常に多いです。
 逆に、安易に坐向を判断して悪い結果に終わった例はこの業界非常に多く存在し、わたし自身も別の鑑定士さんの坐向判断が誤った例の再鑑定を受けることはとても多いですのでどうかご注意をいただければと思います。

替星区分、空亡などの不安定な物件を選ばないこと


 さて、そのように選んだ物件であってもチャートが好ましいものかどうかは実際に方位を適切に測ってチャートと間取りを適合させる必要があります。

 ここで考慮すべきことは二点、間取り図記載の北記号はまったくあてにならないこと、偏角を考量する必要があること、というところです。

 実際に地図と見比べてみるとわかるのですが、賃貸サイトの間取り図に書かれた北記号はあくまで目安としてのみの北方位を記載しているもので正確な真北を担保するものではありません。

 実際に測れば間取り図の北と実際の北が10度以上ずれているなんてのはザラにある話ですから。

 また地図というものは球体の地球を無理やり平面に落とし込んだものですので赤道から離れるほどに方位に誤差が生じます。その差を埋める「偏角」の差を考慮しなければ地図上の方位というものはあてになりません。

 もちろん自分で現地計測する手もあるわけですが、これも難しいことで実際に磁石を持つとわかりますが、磁石というのはほんとうに微細な状況で簡単に方位が狂います。近くの自動車、電線、あるいは腕時計・・・。ですので少なくとも「方位を測ることの難しさ」を知らない素人が測る方位というものもまたあてにできるものではありません。

 ですから結論は自分で方位計測を行う際にはこれらに注意するべきですし、もし鑑定士が間取り図記載の北記号を方位計測に利用するならわたしはその鑑定士をけして信用しませんよ。

替星/空亡を避けるために

 「フライングスター風水の注意点/偏角・替星・空亡」の記事で書いたように、通常の24坐山における飛星チャートの方位境界に向きを持った物件については、「替星チャート」という独自のチャートの使用を検討すべき方位になり、方位境界と重なる向きを持った物件は「空亡」として避けるべき物件になります。

 そのため、これらの方位境界が疑われる物件については入居するまでどのような運気の流れを持った物件なのかわからないということになるわけです。

 またそうした物件においては偏角の移動によりいずれ方位境界選に建物の向きがぴったりと重なる「空亡」と呼ばれる大凶の風水に該当する時期が来るかもしれませんし。

 ですので実際に計測した方位区分が24区分の境界付近に位置する物件については原則住むべきではありません。

※ただし、午と丁、艮と寅のようにもともと飛星チャートが同一になる区分の方位境界においては替星チャートを検討する必要はありませんが空亡は存在します。

24坐山の方位境界においては「替星チャート」という独自のチャート使用を検討すべき方位がある
24坐山の境界に方位が重なる物件は「空亡」と呼ばれる大凶の物件
そのため方位境界に位置する物件は原則避けるべき


全方位が吉となることは不可能/いかに吉エリアを活用するか


 さて、ここまでに書いたような条件をクリアした後に玄関や就寝に利用できる方位、リビングやキッチンなどが好ましい星の配置にある物件かどうかというところを見ていくというものが玄空飛星派において吉物件を探す手順になります。

 そのうえで、大原則としてこの理論においてはすべての方位が吉方位となることはあり得ないため、使用頻度の高いエリアに吉星が巡る物件を探すことになります。

 その中でも、どんな方においても共通する部分を語るなら玄関方位と就寝方位の優先順位が高いと私は考えています。

 先に書いたように会社員や公務員の方が財運を重視する必要はないと考えていますが、それでも玄関方位があまりに悪い星である場合には不幸を呼び込む風水ともいえるものですから最低限「悪くない」玄関を選ぶ方が好ましいですし、健康運や人間関係運を司る就寝方位についてはどの職種であっても吉方位を取れることが望ましいですから。

※もちろん出勤を伴う会社員の方よりも在宅時間の長いリモートワーカー、個人事業主、ブロガーやユーチューバーなどを含めた在宅ワーカーの方は自宅の風水から受ける影響は大きいためリビングや書斎などの滞在時間の長いエリアで吉を取れることが好ましいことは言うまでもありません。

 ここで「鑑定例」の記事から例をあげますと、下の物件においては2024年2月3日までの期間(この風水技法で「第8運」と呼ばれる期間です)においては財運が好ましい家で、かつ南東方位に就寝を取れればよい健康運と人間関係運を取ることのできる物件だという判断になります。
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 この玄空飛星派においては時間の流れとともに間取り内の吉凶が変わると説くものですし、同じ部屋でも就寝エリアが異なれば判断は変わってきます。(そのため実際の鑑定の際には就寝に適したエリアなどの案内をするものです)

 ですがこの物件においても2024年2月4日以降、つまり「第9運」と呼ばれる期間に入った後には財運が落ちてしまうことが予想されますし、少なくとも2023年記事執筆現在においては間取り図上の洋室の右側エリア(北東方位と東方位)にかけては長時間の滞在をお勧めできないエリアだと判断します。

 全体を通じて言えることですが100点満点の物件は存在しません。ですのでどこを妥協するのかというのが物件を探す際のポイントになりますよ。


自宅から引越し先物件への方位は風水に影響する?

 日本の「九星気学」の流派においては「この年はこの方位への引っ越しは厳禁!」といったその年ごとの引っ越し方位の吉凶を論じる向きがあります。

 ですが結論から言いますと、中国伝統風水において自宅から転居先物件への方位は判断しません。

 引っ越し後の風水の善し悪しはあくまで引っ越し後の物件の風水の善し悪しを判断するものです。ただし次に書くように引っ越しの日にちについては擇日(たくじつ)と呼ばれる技法で日どりを選ぶことが一般的ですよ。

 なお、方位学というものに関してはもちろんながら中国占術においても存在します。

 ですが引っ越しに関してそれを利用して入居というのはあまり一般的ではないのかな・・・と私自身は考えており、私自身も引っ越しの際に使用しているわけではありません。

 なお、ご参考までに中国占術における方位取りにおいては2時間ごとの吉凶方位が入れ替われる「時盤」、もしくはその日ごとの吉凶方位「日盤」までを用いるのが一般的であり、その年単位での吉凶方位を論じる「年盤」は個人生活においてはそう使用するものではありません。

 気学に関して詳しい知識があるわけでないのではっきりとは申せませんが、気学の方位取りで使用しているのはこの「年盤」に近いものなのだろうな・・・と私は推測しています。

引っ越しの吉日選び「擇日(たくじつ)」のこと


 引っ越しというものに関して、中国風水で転居先物件の風水の善し悪し以外で気にするものはこの日選びになります。

 日本において大安仏滅といった「六曜(ろくよう)」や神道によるもっと細やかな日選びがあるのと同様に中国占術においても日選びの思想は存在し、それを「擇日(たくじつ)」と呼びます。

 この擇日による日選びはとても詳細なもので、たとえば引っ越しという観点においても既存物件への引っ越し、新居への引っ越し、妻が男性の家に入る日、反対に婿養子の男性が女性の家に入る日、店舗の引っ越し・・・などと恐ろしく精細に渡るものです。引っ越し以外でももちろん多数の日選びが存在しますよ。

 たとえば単純な賃貸物件への引っ越しということでいえば毎月おおよそ4~5日程度引っ越しに好ましい日があるというところでしょうか。もちろん引っ越しに良い日があれば、避けるべき日というものも存在します。

※なお、日本の日選びは中国式の擇日をベースに独自進化したものですが、中国式の擇日に「一粒万倍日」というものはありません。(天赦日はあります)
 ・・・とはいえ縁起の良い日と言われるものなので中国式の吉日と一粒万倍日が合うのであればそれらを併せてゲン担ぎすることは良いことかなとも思いますよ。

前入居者、現在の他入居者、競売物件、事故物件のこと


 これは風水の話とは別のお話ですが、「良い物件を探す」という観点から考えたら、前入居者の退去に至った理由やいま現在その物件に住んでいる他の入居者の状況、また事故物件ではないかという観点はわたし個人的には重視しているところです。

風水が良い物件であればこれらの状況が極悪な物件に該当する可能性は低くなるのではないか?と個人的には考えているところですが風水の良い物件が必ず他の入居者も好ましく、事故物件ではないと言い切れるものではありません。

 そのため可能であれば契約前に前入居者の退去に至った状況や、物件の他の住人の様子を駐車場や駐輪場、ゴミ捨て場などの共用部など実際に現地の物件の様子を見ることで推察する方が好ましいだろうと私は考えています。

 また、この意味で言えば銀行などの抵当権実施による競売物件などについては基本的にお金周りが悪くなる等の要因でその物件が売りに出されるものなので、少なくとも財運については好ましい物件ではないだろうと予測を立てることもできるわけです。

(もちろん風水だけですべての結果を説明できるわけはないため、中には財運が好ましい物件であっても競売に出されることはありうるとは思います)

 最後に事故物件については告知義務もあるかとは思いますが、それでも契約前の担当者にそうした話の確認を取ることや何某事故物件サイトなどを利用して調べられる限りの情報は掴んでおいて良いのではないかと考えています。

 わたし自身は心霊体験はありませんしその他第六感のような感覚はありませんが、それでも風水の理論の中には「特定の環境、条件においては幽霊が出うる」とするものはあり、実際にそうした霊的体験があったと言われるケースもしばしばあるものだと聞き及んでいます。

 何を信じるかはもちろん個人の自由ですが少なくともわたしはそうした物件は避けたいです、というだけの話です笑

ハザードマップ(災害地図)について

 これも完全に風水の話ではありませんが、引っ越し先を考える際にはわたしは行政の作成しているハザードマップを参考にしています。

 ハザードマップとは行政が作成する、一定規模の自然災害などが発生した場合の被害想定を地図上に落とし込んだものです。

 地域によって作成されているハザードマップは異なりますが、たとえばハザードマップには以下のようなものがあります。

①洪水ハザードマップ
②土砂災害ハザードマップ
③津波ハザードマップ
④内水ハザードマップ

 なお、①と④の違いは①洪水ハザードマップは一定規模以上の大雨が降った場合に一級河川などの氾濫による冠水の恐れがある区域を示したもので、④内水ハザードマップは一定規模以上大雨が降った場合に下水道や水路などから水が溢れて冠水する可能性がある区域を示したものになります。

 これらのハザードマップは地域によってあるものないものが変わりますので、転居予定地の状況を確認したい方は「転居予定地の市町村名」+「ハザードマップ」などで検索をかけて頂ければ見ることができると思います。

おわりに/万人に勧められる80点の物件はどれだけあるのか?


 最後になりますが、もう一点考えるべきことは、風水の効果というものは在宅の時間が長いかどうかによって左右するものです。

 たとえば一年の半分以上を移動して暮らす生活を送っている国際便パイロットの方と、リモートワーカーや専業ブロガーなどの在宅ワークで長時間を自宅で過ごす方で比べたら自宅風水の影響力が異なるというのはおそらく理屈としてわかっていただけることではないかと。

 賃貸物件において100点満点中80点の物件はおそらく全体で見れば数百件に一軒程度のものではないかと自分自身の物件探しの経験から考えています。

 ですがこれを、だれの目でもわかりそうな悪い周辺環境の物件を省くことでおそらく十分の一程度にまでは候補を絞ることができるため、その「明らかに好ましくなさそうな物件を避けた」後であれば数件に一件程度は少なくともそれなりの物件が見つかるだろうと考えています。

 そのためどこまでの物件を求めるかによって求めるハードルは大きく変わってくるため、何をどこまでを妥協できるか、それを決めていくことが風水を使って物件を探す作業となるのかもしれません。

 また、私自身が物件を探す中で、はじめに当たりをつけていた物件が内覧開始前に契約者が決まってしまっていたということも実は過去に2回ありました。

 それらの物件に入居を決めた方たちが風水をみて物件を選んだのかどうかはわかりませんが中には風水理論を知らずに物件を選んだ方もいることでしょう。そうした方はほんとうに「運がいい」のだと感じます。

 ですがそうした偶然性に頼らずに良い物件を選ぶためには、自分自身で正確な知識を身につけるか専門家に依頼するしかないのだとわたしは考えています。

 少なくともマンション選びは判断が難しいケースが多いので、鑑定士に依頼して良いと思った物件に入居しても様子がおかしいので再鑑定したら最悪だった・・・なんて例はわたしが依頼いただいた中でもいくつも知ってます。

 なお、無論わたしだけがきちんとした鑑定を行うことができる鑑定士だ!などと言うつもりは毛頭なく、わたしが学ばせて頂いている先生方はもちろん、そうした場でお会いする先生方にもそうした方々はみえます。

 ですがこの風水という分野においてはそれ以上に信頼のできない自称鑑定士が多数いることは事実です。マンションの坐向を出すことが難しいことは真摯にこの理論に向き合えば自明の話ですから簡単に坐向を出す鑑定士が優れているわけではありません。

 また様々な専門家がいる中でその方の書籍やHP、あるいは動画を観ればどのような理論と思想を持った方なのかということは事前にわかりますので実際に鑑定士を探すならばそうしたものを見える形で公開している方の情報を比較検討することが好ましいと思います。

 それが社会学であれ経済学であれ歴史学であれ、どの分野においても1,2冊の本だけを読んで勉強した方は自分の知識を過信しがちで物事を単純化して断言しがちなもので、それが5冊の本を読めば簡単に断言なんてできないことがわかってきます。だけどその先に50冊、あるいは100冊の本を読みこんでいくことで見えてくる世界というものがあるのではないかとわたしは考えています。

 もちろんこれは本だけの話ではなくてどういった先生から学ぶか、学んだ知識を基にしてどのような経験を積んでいくかという意味も含めてのお話ですよ。

 ですからその意味でも、風水や四柱推命などの理論を学ぶ際には「どの先生から学んでその先生の知識をどれだけ自分のものにできているのか」ということが、自身の引っ越しや鑑定、あるいは新築の相談を預けるならば「どの鑑定士に依頼するか」が大きな意味を持つものです。

 最後になりますが、住居選びは人生の大きなイベントです。その大きなイベントはそこでの生活に直結するものですからその大切な引っ越しを預けるのなら信頼のできる方に預けていただくようにお願いしたいと思いますよ。

 このサイトの知識があなたがそうした方を選ぶ助けになればうれしく思います。
 それではこの記事はここまでです。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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