フライングスター風水の注意点「偏角/替星/空亡」

記事
占い
 この記事では フライングスター風水(玄空飛星派風水)の鑑定において注意すべき点を3点ご紹介します。

①風水で使用するのは地図上の真北ではなく磁石で測る「磁北」であり、磁北は年々移動している
②24方位の方位同士の中間付近に建物の向きが向いているときには、通常の飛星チャート以外の「替星チャート」という特殊なチャートを使用する必要がある
③24方位区分のちょうど境界線上に建物の向きが一致する物件「空亡」と呼ばれる大凶物件

 この記事はフライグスター風水(玄空飛星派風水)の理論をある程度把握した方向けの記事です。理論の概要については先に「フライングスター風水のあらましについて」の記事をご覧くださいね。

 なお、「あらまし」の記事に書いたように一軒家における玄関やエントランスの方位はすべて建物の向だ、またはマンションにおけるベランダの方位がすべて建物の向だとする流派があればそれは誤りです。

 誤った坐向をもとにしてチャートを作成することは鑑定の明らかな誤りを生むものなので注意してください。

1.偏角(へんかく)について

 偏角ってなに?と思われる前に、この章での結論は下の三つです。

①建物の方位は永遠に同じではない。
②地図上の北(真北)は磁石で測る北(磁北)とは異なるもので、風水では磁北を利用
③地図から角度を求める際には偏角を考慮しなければいけない。

 順番に説明していきますと、地図というものはいうまでもなく球体である地球の地理を平面に落とし込んだものです。

 球体を無理やり平面に変換するわけですから、当然北極や南極に近づくにつれて引き延ばしがされているわけで、それに伴い地図上の方位というものはあてにならなくなります。

 そのため地図上の北「真北(しんぼく)」と磁石で測る北「磁北(じほく)」にはズレが生じるわけ地図から方位を見る際にはこの地図上の真北と磁北とのズレの角度、「偏角(へんかく)」を差し引きする必要があります。

 偏角については国土地理院の「磁気図」で日本国内の地域ごとの偏角を確認することができますが例を挙げれば東京の千代田区であれば偏角は7.66度となり、地図上の真北から見て磁北は西に7.66度ずれているということになります。

 そのため、住所情報をなくして間取り図に記載されている北記号のみから建物の方位を測ることはできません。(そもそも間取り図の北記号はあてにならないものですが・・・)

2.替星チャートについて

 玄空飛星派風水において使用する基本的な飛星チャートは24方位の区分に分かれます(実際は16種類ですが)。
8d431e8cccb93c77e3182c91c30c80e5.png


 ですが実際には、これらの24方位のチャート以外にも玄空飛星派のチャートは存在します。
 具体的には、方位区分の境界付近に建物が向いた場合においては通常の飛星チャートが機能せず、そのかわりに「替星(たいせい)チャート」と呼ばれるチャートを使用するべきケースがあります。

 流派によって方位の境界をどこに設定するかは諸説あり、方位区分の境界から数えて1.5度以内、もしくは3度以内の区分に該当するときには替星チャートの適用を検討すべきというのが偉大な先人の方々が伝えている観法になります。

 なお、ここで「替星の使用を検討」と書いたのは、この区分に該当したから必ず替星チャートを適用すべきというものではなくて、1.5度以内もしくは3度以内に入った場合には飛星チャートか替星チャートの「どちらかで」チャートを判断すべきものだということになります。

 なお、この替星チャートについては各方位区分の(チャートが切り替わる)境界ごとに異なるチャートが存在しますのでひとつの時代(第八運、第九運など)ごとに32のチャートが存在します。

要はその区分内に入った際に、どちらが正しいチャートであるのかは実際の両方のチャートを作ってみて生活の状況を聞き取って象意を重ね合わせていくしか判断方法はありません。

 そのため引っ越しや新築を考えた際にはこの境界付近に位置する方位を持った家というのは、運気の流れが「入居するまで特定できない」家になってしまうというわけです。

 そう考えると現実問題としてこの風水技法において考慮すべきは24坐山の方位区分のみでなく、それらの境界線上の32方位を加味した56種類と考えるべきなのが当然の帰結になります。

 ですからここでも「自分で方位を測ること」「住宅情報サイトの間取り図記載の方位をうのみにすること」がどれだけ危険なことかわかっていただけると思います。方位が5度ずれた鑑定に信頼性はありません。

3.空亡について

 方位区分の境界付近に位置した場合には替星チャートの使用を検討する必要があると書きました。

 ですがこの方位区分の境界について、建物の向きが方位区分のちょうど境界と同じになってしまった場合のことを「空亡(くうぼう)」と呼びます。

空亡の家については「訴訟、破産、重病、一家自滅」などの意味を持つもので陰陽宅使用不可とされており、住居にしてもお墓にしても使用してはいけない方位になります。

※陰宅とはお墓のことで、陽宅とは住宅のことです。

 ここにあげた替星チャートや空亡の存在はまた、風水を使用しての引っ越しや新築の際には方位区分の境界付近を向いた家を建てることをお勧めしない理由になります。

 運気の流れが入居するまで確定せず、かつ偏角の移動に伴って空亡に陥る恐れがある物件になるわけですし、空亡の居宅に対する対処法などは存在しません。

 空亡においてはそもそも方位がどちらかの区分に該当するまでチャートを描くことができないもので、チャートが存在しない以上化殺を行うことはできず、対策は存在しません。

 正確には空亡についてはその方位区分ごとに4種類の空亡が存在しますが、いずれも良いものではありませんのでこれらに近しい方位の家には初めから住まないという選択をすることが好ましいと考えます。

おわりに

 こうしてみてきたものがフライングスター風水における注意点として私が考えているものになります。

 これらの事柄を考えたらどれだけ方位の正確な測定が大切であるかということをわかっていただけえるのではないかと思います。

 玄空飛星派風水の理論はシンプルなものですが、方位の測定誤りは致命的な間違いを招くものです。

 中には良い運気の家だと鑑定を受けて入居した結果、空亡に近い物件であった方の例も存在します。

 現実にわたしがざっとネットを見渡すだけでもフライングスター風水(玄空飛星派風水)を名乗る鑑定士があまりにもずさんな基準で鑑定を行っている例は無数に見受けます。

 正確な知識があればある程度は自分で方位のあたりをつけることは可能ですし、鑑定士が明らかな間違いを起こすならその間違いを指摘することができる知識は身につけることができると考えています。

 風水というものが目に見えない範囲の事柄を扱う理論だからこそ、それらに頼ろうとするときにはきちんと知識のある鑑定士に依頼することを検討していただけたらと考えています。

 そのために身を守る唯一の術となるのは知識ですので。

 それではこの記事はここまでです。ここまで読んでいただきありがとうございました。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す