前回は、漢字の「竹」とその絵とを融合した姿を記号化したのが由来である未来の「竹林」の地図記号について紹介しました。
次は、見た目が「竹」と間違えやすいけど七夕の短冊を飾る役割を果たす「笹地」の地図記号について紹介します。
従来の記号は、個人的にみると短い「ハ」の字の間に少し離れた距離で短い縦棒が特徴です。
その由来は、検索してみるとなかったので特にないそうで、形が「竹林」の地図記号と似ていると言われています。
これを知ってから改めて従来の「笹地」と「竹林」の地図記号を観察したところ、以下のような疑問が湧きました。
「『笹地』はもともと『竹林』と見た目が類似しているのに、なぜ互いに似ているような記号をデザインにしたのか?」
「この2つの記号の見分けをつくために、なぜもっと具体的でかつシンプルなデザインにしなかったのか?」
「地図記号は棒のものしかデザインが許されていないのか?」
「分かりやすい文字や葉っぱとか記号化にする方が分かりやすく覚えやすいのに、それはNGなのか?」
「初めて見る大人や訪日客がこの記号にしたのはなぜ?と聞いたら、何と説明するのか?」
このように思った私は、次のように未来の地図記号として表現しました。こちらです。
筆文字で書いたような漢字の「笹」に、「竹」と見分けがつくように特徴的な「笹の葉」を強調したものを取り入れることにより、「かっこよさ」「日本らしさ」「和風」「日本オリジナルの地図記号」という要素を含まれるという初見の人にも優しいデザインにしました。
前回の「竹林」は、葉っぱより竹の茎を強調しましたが、今回の「笹地」は七夕の「笹の葉」というイメージから、茎なしで印象的な「葉っぱ」のみにしました。
この2つの地図記号を並べてみると、上記で述べた4つの要素が含まれているので、日本人として誇らしく思います。
将来、教科書や地図に掲載されることを願うばかりです。そういう気持ちでこのようなデザインにしました。