前回は、「mulberry」と書いてあるハート形の桑の実が、筆文字の「桑」という漢字と融合したデザインが印象的な未来の「桑畑」の地図記号について紹介しました。
次は、私たちが日々飲むお茶を栽培する場所である「茶畑」の地図記号について紹介します。
従来の記号は、正三角形を描くように配置している黒丸3つが特徴的で、お茶の実の半分を切ると3つに分かれたような形からが由来となっています。
この由来を頭に入れてから、再びその記号を観察すると以下のような疑問が湧きました。
「正三角形のような配置で黒丸3つの記号って、他に『史跡・名勝・天然記念物』の地図記号があるが、どうやって見分けがつくのか?」
「今の時代において、大人が黒丸3つだけの記号を見て『茶畑』と連想する人がどれだけいるのか?ほとんどいないと思う。」
「お茶の実を半分切ることで3つ別れた形が由来というのが、現代人に伝わるのか?理解できる人がいるのか?」
「なぜ他の地図記号と似たような形のデザインにしたのか?他に候補とかなかったのか?」
このように思った私は、次のように未来の地図記号として表現しました。こちらです。
筆文字で書いた漢字の「茶」の上部に「茶畑」のイメージを描いたデザインにしました。
ここで「茶」という文字の一部に白い所がありますが、これには理由があります。
少し難しいですが、何でしょうか?
それは、訪日客がこの地図記号を見て印象が残りやすいように、お茶の英訳である「tea」の頭文字からとって目立つように工夫しています。
また、すぐに「tea」の頭文字であると思いつかなくても「何であそこだけ白いんやろう?」と初見の人に考えさせるようなデザインに仕上がっています。
こういう変わった地図記号のデザインも日本にしかないと思うので、将来実現して欲しいと願うばかりです。