前回は、ハート形で筆文字で書いたような漢字の「田」に囲まれた水田の草のイメージが特徴的な「田んぼ」の地図記号について紹介しました。
次は、穀物をはじめ、お米、野菜、豆類、イモ類、果樹などを育成する「畑」の地図記号について紹介します。
従来の記号は、アルファベット「V」を横に開いた形が特徴です。これは、植物が芽吹くときの「二葉(ふたば)」の形が記号化したのが由来です。
この由来を知った私は、再び従来の記号を観察したところ、以下のように疑問が湧きました。
「V型が記号であると、『荒地』のイメージが連想して間違えそうな気がする。」
「今の時代において形がV型だけで『畑』と理解できる人がどれくらいいるのか?」
「『二葉』の形が記号化したのがV型であるが、初見でもそう見えないと思う。」
「植物が芽吹くときの『二葉』以外で記号化できるものが今までなかったのか?誰も提案していなかったのか?」
このように思った私は、次のように未来の地図記号として表現しました。こちらです。
田んぼなどその他の植物園と区別するために、全体的に形を漢字の「畑」にしました。
右側の田んぼに注目してください。
ただの「田」という漢字ではありません。
これは、複数個あるアルファベット「f」を囲んだビニールハウスのイメージを表しています。
アルファベット「f」と書いているのは、畑の英語表記が「field」の頭文字から取ったものであることを示しています。
訪日客が「畑」と覚えやすく、「この記号は何なのか、『f』とは何なのか?」と考えさせるような気持ちを想像しながら創作しました。
また、他の植物の地図記号と見分けがつくように、畑での栽培はビニールハウスで行うイメージがあることから、漢字の「畑」とともに記号化にしてみました。
このような地図記号が将来実現すると、訪日客を含め見る人がどういう反応するか想像するとワクワクします。