前回は、「博」という漢字に、ハート、英語表記の頭文字「M」や簡単なイメージを導入した「博物館」の地図記号について紹介しました。
次は誰もが身体や心を治療しに行く場所「病院」の地図記号について紹介します。
私から見ると、従来の地図記号は勲章や紋章みたいな形の中に十字架があるイメージです。
なぜ十字架があるかというと、調べてみると旧陸軍の衛生隊の印がベースであるそうです。
ところが、時代が変わっており、現代人の価値観も変わっているにも関わらず、個人的に堅いイメージから逃れない従来のままの地図記号で良いでしょうか?
新世代が見ても「身体や心を治す」場所の病院であると分かるでしょうか?
見る人に優しいイメージを与えるような地図記号がなかったでしょうか?
私はそう思わざるを得ません。
そこで私は未来の地図記号として次のように表現しました。
「旧陸軍の衛生隊の印を表す十字架」を残し、それを優しく囲むハートやその上優しい顔で見つめる人を表しました。
病気や傷が完全に回復して元の健康な状態に戻ることを意味する言葉「治癒」の「癒」は「癒す、癒される」ともいうので、この地図記号を見る人すべてが癒されるということを想像しながら描きました。
体や心の病気を治すことに必要なのは「癒す、癒される」ことだと思います。
このような考えで未来の地図記号として描くことに決めました。
将来「未来の地図記号の病院」が町にあれば、今より幸せになれるのではないでしょうか。