共に生きるアート展 Behind 後編

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デザイン・イラスト
 前編では、10周年記念として皆で作った本展のタイトルの制作の裏話について述べました。

 後編では、私本人が本展で展示した作品について述べます。
まず、こちらをご覧ください。
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作品のタイトルは「シクロデキストリンのプリンス~単視~」です。

 タイトルを見て、「シクロデキストリンって何?」と思った方は多いのではないでしょうか?
 そもそも「シクロデキストリン」は高校の化学ではなく、大学で応用化学を専攻している人向けの授業(※私が在学していた大学では)で習うものなので、ほとんどの人は知らないと思います。
 なので、初めて聞いた方に向けて「シクロデキストリン」について簡単に説明します。

「シクロデキストリン」とは、D-グルコースが反応によって結合(※α-1,4グリコシド結合といいます)し、環状構造として得られる環状オリゴ糖の一種であり、超分子化学の代表的な物質として挙げられています。
 上の作品の画像を見ると、上から見ると環状に見えますが、斜め横から見ると形がプリン状に見えることが明らかです。

※環状オリゴ糖とは、鎖状で消化酵素により輪になって得られる環状構造をもつ物質であり、腸内細菌の善玉菌の増殖や便秘の改善などの健康効果や食物繊維として注目されている物質でもあります。

 急に化学の話になりましたが、ここから作品について説明します。

 この作品はポリゴンアートで描きました。

 FireAlphacaという描画ソフトで下書きして書き出した画像を、イラストレーターのアートボードに固定し、その上で細かく一つ一つ丁寧に多角形の面を貼りつける作業をすべて埋まるまでやりました。
 多角形の面をすべて埋まった後、「シクロデキストリン」の構造が描かれている画像、筆文字で描かれた漢字の画像(※漢字はオリジナルで付け加えている所もあります)を漢字をアートボードに固定し、パスツールでトレースした後、完成という流れです。

 下書きで始めてから制作が完成するまで5か月かかりました。
※制作途中で他の作品と並行して作りました。

 作品のタイトルに「単視」とありますが、モデルが一つの視点を見ている姿を表現しています。

 また、「シクロデキストリン」に関するアートを描こうと思ったのは、構造的にポリゴンアートのようなアート作品と相性がいいと考えたのと、この作品を見て、苦手意識を持っている方、まだ分からない方など多くの人に少しでも「化学」、特に「有機化学」に興味を持ってもらおうという気持ちで制作しました。

 それに加え、何か書かれているこれらの漢字は、「シクロデキストリン」を中国語表記で「環糊精」と読みます。「糊精」は「デキストリン」で、「環」は「単結合の環状構造を表すシクロ」とそれぞれ意味します。

 モデルは、私の推しをモチーフにして作りました。

 さらに、本展では作品出展だけではなく、地元のケーブルテレビ「中海テレビ」さんから取材やインタビューを受けました。
 テレビから取材やインタビューを受けるのは初めてで、緊張してしまい、喋るときはカミカミでしたが、記者の方が大変親切で褒めてくださったので、楽しかったです。

 その後の報道はリアルタイムで見ていませんでしたが、職員さんがスクショしていただきました。ありがとうございます。

 自分の作品やコメントがテレビに映っていることに凄く歓心しました。
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 中海テレビさん、大変貴重な機会を与えていただきありがとうございます。

 最後にこのような貴重な機会を与えてくださった主催者の方々、ありがとうございました。

 また、このような機会があると良いですね。







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