インフルエンザ脳症の赤ちゃんと家族 3

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コラム
救急車に乗って病院が決定し発車するまでの約10分の間に、二回目の熱性けいれんが起きた。
嘔吐し嗚咽を繰り返す。そして完全に意識消失。
永遠とも感じる自宅の前から発車までの時間。救急車と赤ちゃんを見て動けない父親。

救急隊員から、予防接種はー…、今何ヵ月ですかー…などと質問されても、動揺からまったく答えられない。

家の戸締りをして貴重品をカバンに詰め込んで準備をする母親。救急隊員からの質問に母子手帳を見ながら答える。

病院が決定して発車する。救急車に一緒に乗った母親は、現実味がなくドラマの世界のようだった。
この赤ちゃんは本当に少し前まで私と同じ布団ですやすやと寝ていたあの子なんだろうか…

そして、救急車の中で赤ちゃんを見ていた隊員から

「呼吸停止、呼吸停止」

無線で病院へ連絡している声が聞こえる。

数分後、病院に到着。
救急処置をしている間に3回目の熱性けいれん。

状態が悪いことで、県内で一番小児治療の有名な病院へヘリコプターで搬送することに。

ヘリが到着するまで約15分。
ヘリに乗せて、その病院に到着するまで約30分

ヘリの中で4回目の熱性けいれんを起こす。

つづく

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