企画書の書き方 6 読者ターゲット

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ビジネス・マーケティング
紙の商業出版、KDPとも対象読者の設定は重要です。
・30代のビジネスパーソン
・占いに興味がある人
くらいの薄っぺらい読者像だと話になりません。
例えば、「将来不安」というテーマで本を出すとします。
・20代で正社員になれずに雇用の不安定から将来不安
・離婚したい女性が、離婚した後の経済的な将来不安
・定年が近い会社員がその後の人生をどうしたらいいのかという将来不安
・妻に先立たれた年老いた夫の将来不安
など絞り込むといろいろと考えられます。
私の具体例だと、50歳を過ぎて急に将来不安を感じるようになりました。
出版社の会社員として本の編集をずっと仕事にしていて、「定年まであと10年しかない」「何歳まででも今の仕事がしたい」「お手本となるような歳の取り方をしている人がいない」と不安の要素を絞り込むと3つの要素が浮かびました。
さらに絞り込むと、「どうしたら前向きに楽しく日々をすごせるのか」という結論に至りました。
私の同世代で同じ思いを抱える人は山ほどいるということも実感できます。
「こんな思いや願望を抱えている人が大勢いる」のがポイントです。
読者像が見えたときに企画立案したのが、
『50歳を過ぎたら高田純次のように生きよう 東京タワーの展望台でトイレの順番ゆずったら本がだせました』(高田純次/主婦の友社)です。
『じゅん散歩』(テレビ朝日系)で見せるご機嫌ぶり、テキトーに見えて気遣う姿勢。
何より楽しそうに街と人とからんでいる姿は年齢を感じさせません(ちなみに現在76歳です!)。
高田さんのようにはなれないけれど、目指すことでご機嫌になれると考えました。
ターゲットはもちろん、
・50歳を過ぎて将来の仕事や老後資金などに不安を抱えて後ろ向きな考えに陥りがちな男性(とくに会社員)
です。
・年代
・性別
・不安や願望
これらを自分が出したい本のテーマに沿って掘り下げを繰り返すわけです。
真の意味でのマーケティングといっていいと思います。
「クラフトビールを好む人は〇万人に増加していて」といった市場規模だけを頼りにしても、売れて耳目に触れることは本の世界ではあまりないです。
自分のためにこの本がある!くらいに心が動かないと買って読んでもらうまでには至らないのです。

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