思いつくまま書いてはいけない(原稿執筆のコツ6)

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ビジネス・マーケティング
原稿を書きなれていない人の特徴のひとつに、
●思いつくまま書く
があります。
思いつくまま書くと、その前に記述した内容を指すだろうと思われる指示代名詞が多数使われることにつながりやすいです。
例を見ていきましょう。
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私もサラリーマンを辞めたあとは、フリーランスを経験したが売り上げの上限に限界を感じ、そこから脱却したのが、商品販売するということだった。
そのため、この商品を売ることでのインパクトや、最初の1つの商品が未来を変えてくれたことを考えると、この稼ぐというフェーズでは、もっとも大きな転換期になると言ってもいい。
ただ、そのぶん、ハードルに感じる人も多く、なかなか一歩が踏み出せないという人は、安い単価のものを扱い、商品を売ることに慣れることだ。
そこで売ることに慣れれば、販売単価を変えるなどの方法で徐々に上げればいい。
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まず2行目に「そこ」が出てきます。
これは、その前の文章から考えると、
・フリーランス自体に限界を感じたのか?
・売り上げの限界を感じたことなのか?
がはっきり識別できません。
同様に、3行目の「この」はどこを指すのでしょうか?
文脈を追ってもはっきりしません。
これは典型的な、思いつくまま書いたときに出やすい表現です。
さらに、4行目の「この」も同様です。
なくても意味は通ります。
そして指示代名詞ではありませんが、7行目の「そのぶん」にも言及しましょう。
どのぶんなのか? 読んだだけではわかりづらいです。これも思いつくまま書いたときに出る特徴といえます。
ちなみに直後に「ハードルに感じる」という文章があります。これは「ハードルが高いと感じる」としないと文章では意味が通じません。誰かと話している際、「これハードルになっちゃってさ」と言うと、相手もその前の話から何となく「ハードルが高いんだろう」と解釈してくれることもあるでしょう。
しかし、文章にするとこうしたあいまい表現は原稿を難解にする原因となります。これに関しては後述します。
最後の行の「そこで」はどこでしょうか?
「安い単価のものを扱い、商品を売ることに慣れること」だと思われます。ここは意味が通りますが、もっと簡潔に書けないか?とワンクッション入れるのが肝心です。
「~こと、~こと」と近い距離で同じフレーズが頻発するのも書きなれていない人の特徴です。
例にあげた原稿を直してみます。
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私もサラリーマンを辞めた後は、フリーランスの仕事を経験した。しかし、売り上げの上限に自分の限界を感じた。そこから脱却したのが商品販売だった。
最初の1つの商品が売れることで未来が変わると考えると稼ぐフェーズでの最大の転換期になるといってもいい。
ただ、ハードルが高いと感じ、なかなか一歩が踏み出せないという人も多い。その場合は、低単価の商品を扱い販売に慣れることが解決策となる。
販売に慣れれば、その後は販売単価を変えるなどの施策で徐々に上げていけばいい。
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255文字の元の原稿のムダを削ぎ落として、表現の補足を入れて226文字になりました。
思いつくのはいいことですが、そのまま書く前に一度整理する必要があるとわかると思います。

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