プライドからの脱却5

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転職

 前回お伝えした2つの要因から、私はカツラを取る決断をしました。ただいきなり今日からカツラを取るという勇気もなかったので、あるきっかけを利用して取ることにしました。
 そのきっかけとは転職です。私は大学を卒業してから約11年間、とある食品会社に勤務していました。仕事自体はとても楽しく人間関係も良好でとてもよかったのですが、拘束時間がとても長く、仕事が朝早くから夜遅くまで1日15時間くらい働く日も多かったです。
 母が亡くなる前の約1年間の看病も、なかなか思い通りにできない事もあり、当時は母の看病と同時に祖母が認知症になり、私が母の看病、父が祖母の介護を行っていました。母が亡くなってからも祖母の介護が続いており、父の負担を減らしたいという思いもあったので、転職を考えるようになりました。
 生前母の看病中に母から、お前は福祉の仕事が向いていると言われた事をきっかけに、福祉の仕事に興味を持つようになりました。とりあえずの気持ちで社会福祉士の資格を取ろうと決断し、通信制の学校に登録して社会福祉士の受験資格を取得するため、約1年半掛けて勉強することにしました。

カミングアウト
 食品会社を辞めた後、ハローワークに通いながら福祉の仕事を探しました。社会福祉士の勉強をしながらだったので、焦らずゆっくり探そうというスタンスでしたから、次の仕事を見つけるまで約半年掛かりました。
 私がカツラを外したのは次の仕事を見つける途中の事で、正直言うとカミングアウトとは言っても、当時誰にも会うことがなかったので、私がカツラを取ったという事を誰も知る由もありませんでした。これをカミングアウトと言っていいのか分かりませんが・・・
 そして新しい職場に入った時も、その職場の人たちは私が以前カツラを被っていたことを知りません。本当のカミングアウトになったのは、翌年に前の会社の仲間の結婚式に招待された時で、その時はみんなとてもびっくりしていました。

解放感

 カツラを取ってからの私は解放感に満たされていました。今までは外に出かけるたびにカツラを付けなければならず、ちゃんとセットするのに10分程掛かっていました。カツラを取ってからはハンチング帽を被るのみで、暑い時は帽子なしで出かけることもあります。
 カツラのない生活は本当に楽なのです。カツラを被ると頭が蒸れたり、風の強い日はカツラがズレないか取れたりしないか気になっていましたが、もうその心配もいりません。なにより他人の目線が気にならなくなったのが一番でした。こんなに楽なら、なんで早く取らなかったんだと後悔してしまうこともありました。

次回はカツラを取ってから、初めて生まれた感情について話していきたいと思います。目からうろこの体験ですので、こうご期待下さい。

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