プライドからの脱却4

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医師からの宣告

 私がカツラを外そうと決心したもうひとつの理由は、中学3年生から毎週通っていた大学病院の医師から言われた一言でした。ちょうど母が亡くなる2年ほど前の事で、この二つの事が重なって決心につながったのだと思います。
 大学病院の皮膚科では高校2年生の頃にはステロイドの服薬は終了となり、液体窒素や頭皮を被らせる液体を塗ったりして、頭皮に刺激を与える治療を行っていましたが、全く改善することはありませんでした。20代の後半になるとPUVA療法と言って、頭皮に紫外線を当てて刺激を与えるという治療も行いました。結局これも効果はありませんでした。
 そんなある日、いつものように大学病院の皮膚科を受診した時の事です。いつもの先生と顔を合わせると、先生は急にこう言いました。

 先生:これだけ色々やって効果が現れないのは、もう脱毛症の症状だけでは      なくて、若ハゲが入ってるのかも知れないね。

  私:え?
 先生:だからこれはもう若ハゲだから、ずっとこのままだと思いますよ。
  私:はあ

 先生:このまま治療を続けることも出来ますが、効果が出る可能性はかなり低いと思いますので、どうするかゆっくり考えてみて下さい。

  私:・・・・・分かりました。

 私は「おいおい、何言っちゃってんだよ先生」と心の中で突っ込みをいれていましたが、結局のところ先生からお手上げの宣告を受けたのです。私がカツラを付けた理由は、いつかは治るが前提でした。それがもう治らないです お手上げです と言われたら、カツラを付ける意味がないので、これは外した方が良いなと思うようになったのです。私も自分で気づかないうちに半分諦めていたのかも知れないです。だから先生にお手上げ宣告を受けた時、それほどショックを受けることもなく、おいおいって感じで済んだのです。

 ついに次回、カツラを外す時がやってきます。どのようなシチュエーションでカツラを外して、外した時の心境はどうだったのか、お伝えしたいと思います。また次回よろしくお願いします。

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