過去(トラウマ)との対峙の仕方 その3「パソコン」

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さて、読者はパソコンの仕組みをご存知だろうか?
私は、以前、自動運転のテストドライバーだった事もあり、パソコンを触る事も多かった為、一通りの事はわかるようになった。

この仕事をする前に、自分のトラウマとはある程度、決着はついていたのだが、パソコンの仕組みを知った後、思った事は、

「人間の脳みそ、心の構造に似ているな…。」

という事だった。

パソコンの演算の仕組みには、おおまかに、3種類の部品が使われている。
まず、「CPU」これは、実際に演算をする部品である。
私は、これを人の心に似ていると感じた。

次に、「メモリ」。これは、データを引っ張ってきて演算するスペースである。よくある例えとしては、作業台であるとか、机。

最後に「ハード」。データを蓄積しておく場所である。最近では、ネットのスピードが上がったので、これも、都度、ネットから引っ張ってきて演算してしまうこともも多い。いわゆる、クラウドである。ここは、脳に似ている。

さて、おおまかに3つの部品を使って、演算する訳だが、よく巷で言われる、ウィルス感染は、主にハードの部分に、怪しいプログラムやデータをインストールしてしまい、コンピュータが誤作動する事を指す。

誤作動を治すには、ウィルスを削除して、駆除するか、データの入っているハードをフォーマット(データを全部消して、まっさらにする。)する方法がとられる。
フォーマットは、スター・ウォーズのC3POが、データ消去されるあれだ。
彼は、また始めからやり直す羽目になるw
ただ、そもそものCPUや、その他は変わらないので、C3POである事に間違いはない。
でも、記憶は無くなってしまっている。もう、R2D2の顔を覚えてはいない。
再起動すると、いつものセリフが始まる。

「私はC-3PO。人間とロボットの仲介役です。あなたは?」

この状態は、少し、仏教的な輪廻転生に似てるかもしれない。
C-3POは、C-3POだが、以前のC-3POではない。
ちなみに、物語では、R2D2が記憶をバックアップしていて、それをインストールして、以前のC-3POに戻る事ができる。

話が逸れた。

いずれにせよ、こうして、コンピュータは再び正常に動きだす。

さて、人間はどうだろう?
フラッシュバックが起きたり、トラウマを思い出す事で、心は、「悲しみ」や、「悔しさ」「恨み」「怒り」「恐れ」にとらわれて、悩み、解決しようと考え込む。
それは、1日1回ぐらいだったのに、そのうちに、2回になり、3回になり、果ては、1日中それだけ考えるようになる。
最終的には「うつ」になり、薬漬けになり、廃人の完成だ。
君は、社会復帰できない。
めでたく、精神病院行きが決定する。
酷い場合は、自殺するだろう。

では、その「フラッシュバック」「トラウマ」「嫌な記憶」を削除してしまえばいい。

我々の脳は、パソコンより優秀な筈だ。
当然だ。パソコンは人間が作ったのだ。
作ったほうが優秀に決まっている。

君の脳に蓄積された過去のデータの中から、検索して、「嫌な記憶」を呼び出すのは、簡単だ。

特定の何かがおきると、自動再生されるからだ。
トリガーは、子供の鳴き声かもしれないし、人間関係? 性被害であれば、異性との接触かもしれない。

さて、「嫌な記憶」はロードした。
いつものように再生され、長ければ、映画一本分あるかもしれない。
いつもの嫌な気持ちになって、加害者や状況に対する「恨み」「つらみ」「怒り」「悲しみ」「恐れ」が、巻き起こる。

「あんな事がなければ、もっとマシな人生だったのに。」

「全て〇〇〇〇のせいだ。」

その通り、あなたには、何の落ち度もない。

さあ、これは、君の記憶だ。
こんな面倒な記憶は必要ない。
Delete(削除)してしまえ!!
君の脳だ。
脳は君の筈だ!!
君がコントロールしてるんだろう?

脳は、君じゃないのか?
記憶は、君じゃないのか?
人間は、パソコンより優秀な筈じゃないのか?

ここで、読者は、不思議な事に気づくだろう。
そもそも、人間は、脳をコントロールできているんだろうか?
我々は、自分の脳を手足のように、操れているのか?

手を熱湯に入れたらどうするだろう、手を引っ込める筈だ。
それがどうだ、嫌な記憶を頼まれもしないのに、延々と再生してしまう我々の脳は、まるで勝手に動いている。
それを見た心は、いちいち反応して、ずっと動揺しているのだ。

さあ、もう一度命じる。
我が脳よ。
人間が、パソコンより優秀な事を証明したいなら、「嫌な記憶」を、Deleteするんだ!!

それで、私は、この悪夢から、未来永劫、解放される!!

残念だが…

そんな事ができる人間は…

有史以来…

誰もいやしない…。

                              (つづく)


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