面接官の立場に立って考えましょう。

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 面接官に課せられた使命は「入学者を選ぶこと」ですが、逆に言えば、「決して入れてはいけない人を選ぶこと」とも言えます。就活であれば、新卒採用は「人買い」と言われ、入社後3年間は利益を生まない、赤字覚悟で育てると考えられていますが、そうすると採用コストは約1,000万円となります。一方、中途採用は「技買い」と言われ、即戦力を求めるわけですが、その採用コストは中小企業でも約100万円はかかります。これに対して、大学受験の場合、1人の学生が4年間に払う学費が約500万円であるとすると、ちょうど新卒採用と中途採用の中間に当たり、人事採用に相当する面接官の責任は重大です。したがって、大学側が最も避けないといけない人とは「途中で辞める可能性のある人」ということになります。就活でも最後の採用の決め手は「やる気」「会社へのコミットメント」と言われるように、大学受験でも最後は「やる気」「大学・学部志望理由」が決め手となります。

①「自分が面接官だったらこの人を採りたいか」という観点を持つ。
 面接はプレゼンテーションの場である以上、「私を入れた方がいいですよ。その方がお得ですよ」という気持ちを持って臨むべきですが、常に必要なのは「自己の客観評価」であり、「評価する側の視点」を持つことです。具体的には「自分が面接官だったらこの人を採りたいか」という観点を持つことであり、「自分が自分を面接した場合、果たして合格を出すだろうか」ということです。そのためには「自己分析」「自己認識」を深めざるを得ず、これなくして何のインパクトも生まれてきません。したがって、面接の基本ルールといった表面的な仕上げだけをしていても、これは受験生である以上、「出来て当然」のレベルですから、無難な面接で終わってしまいます。面接練習をいくら重ねてもなかなか伸びないケースは、この視点が欠けている場合が多いのです。結局、自分が語る一言がそれを聞いている相手の心にどのような波紋をもたらすか、客観的に把握できるようにならなければないのであり、「相手の目に自分はどう映るか」を知らずして、「人の心をつかむ」ことはできないのです。逆に面接の訓練を通じて、自己表現が上手になってくると、あらゆる人間関係に自信がついてくるでしょう。

②2つの「志望理由」で最大の差別化を図る。
 志望理由書や小論文の結果などは全て面接官の手元にある状態で、面接が行なわれます。すでに志望理由書に書かれていることですが、2つの「志望理由」が最も重要な訴求力をもつことになります。すなわち、将来の職業・職種と直結する「学部・学科志望理由」と、いくつかある大学の中でなぜその大学を選んだかという「大学志望理由」です。これが掘り下げられていて、具体的であればあるほど説得力が増し、誰でも言える通り一遍の話であれば、意欲がそれほど伝わらないことになります。経済学部であれば、「なぜ経済学を学びたいのか、学んでその後どうしたいのか」が問われますし、経済学部はいろいろな大学にあるのに、「どうしてこの大学で学びたいのか、どの特徴・特色にメリットを感じているのか」をきちんと説明しなければなりません。そのためにはガイドブック、パンフレット、ホームページで調べることはもちろんのこと、直接学校見学に行ったり、研究内容や論文を調べたり、メールで教授に問い合わせをしたり、教授の書いた本に目を通したりして、リサーチを重ねている人はその重み、すごみが応答の端々ににじみ出るのです。
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