電気回路とブラウン運動の微分のお話

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インサイダー取引お勉強シリーズ第 3 弾です。  

第 1 弾
第 2 弾

以前お話したマリアバン解析ではブラウン運動の微分を考えているという側面があります。
実際マリアバン解析では W(h) という形がよく出てくるのですが、これが大雑把には確率積分であって

∫ h(t) dW(t)

というものであり、さらに W の微分 W' を考えると

∫ h(t) W'(t) dt

と書き下すことが出来ます。
 (以前の B も今回の W も両方ともブラウン運動を表しています。
厳密には W は少し異なりますが。) 

この W'ホワイトノイズと呼ばれ 飛田 武幸 という先生が良く研究されていたようです。
 (結構、確率論周りは日本人が強い印象ありますね。) 

そして Lee-Wiener の電気回路と呼ばれる回路にホワイトノイズを入力すると Laguerre 関数に指数関数を掛けたもの確率積分が返ってくるという話が 
飛田 武幸. (2018). ブラウン運動 第4刷.: 岩波書店.
に書いてありました。

Laguerre 関数に指数関数を掛けたもの (長いですが仕方なし) は (-∞, 0] における完全正規直交系になるので、それらの確率積分というのは結構強力な構造を持ちます。

参考文献では詳細は触れていませんでしたが、確率微分方程式の解法などに利用できるようなニュアンスの言葉でこの話は締めくくられていました。
現実的な存在というのを考えづらい事が多い数学の話ですが、工学的な構成法も一応あるんですね。

短いですが今日のお話でした。
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