お金が無限に増える状況の例について

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金融の数学について簡単に勉強したよ、というお話です。
「経済数学の直感的方法」を参考にして無リスクポートフォリオのお話を紹介します。
 (本当はインサイダー取引のお話をしたかったのですが、Malliavin解析の参考書がとても長かったのでお茶を濁した形です。そっちはまた今度。)
※私は金融については素人なので用語やその用法はかなり怪しいと思います。


まずはポートフォリオについて調べてみると、債券などの金融資産などの構成の事を指しているようです。
無リスクポートフォリオとはその構成方法の中でも、不利益が発生しない構成になっている事を言うのでしょう。

「経済数学の直感的方法」ではジェラルミンの債券価格と航空機パーツの債券価格を例にして無リスクポートフォリオの解説されていましたが、
リアルタイムなお話としてGPUの価格 x とPCの価格 y を例を考えてもいいかもしれません。

GPUとは主にPCの画像処理を行うパーツであり、いわゆるゲーミングPCなどではその画像処理性能が戦績に影響するため高性能なものが使用されています。
加えて、ビットコインなどの暗号通貨のマイニングなどでもこのパーツが活躍します。

最近は、マイニングやコロナによる影響 (テレワーク、半導体の生産遅延 等々) によってこの x, y の値もおかしな動きをしており、2年ほどの間に非常に大きな乱高下がありました。
ここで重要な事が、この2つの値に相関があるという所なのです。


そこで y = F(x) という形をもし知っていれば  (なおかつ、その F の性質が良ければ) 、このような乱高下のある場面でも得をするかもしれない、というのが今回のお話になります。

x には今述べたようなランダムな要素が存在するので、その部分を表すために w を導入することにします。(これはブラウン運動やウィーナー過程と呼ばれるものであり、 Norbert Wiener の w です。)

すると x の微小変分は
dx = Adt + Bdw
と書くことが出来ます。(そういうものなのです。)

つぎに y の微小変分も考えたいのですが、ここで y が x の関数であるという事実が役に立ち
dy = ( F'A + 1/2 F''B² )dt + F'Bdw
という事実が成り立つのです!
これは伊藤の公式から導くことが出来ます。
(誰が言い出したか忘れましたが (おそらく Paul Lévy ) 、大雑把には dw = d√t なのです。) 

そして、それぞれの購入する個数を C, D とするとポートフォリオは
Cx + Dy
という構成になることがわかります。

ではランダムな項によるリスクを消すためには C, D をどうすればよいでしょうか?
C = -F'D とすればよさそうですね。
 (ここでの負の値は空売りのようなものを考えればよさそうです。) 

そうしておけば、ポートフォリオは
1/2 F''B²D dt 
として時間に応じて変化していくことになります。

つまり、
( F が既知で凸なら) お金が無限に増えていく!
というお話でした。


こういう状況がどこかに転がってないかな。
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