『悩みを聴く技術〈ディープ・リスニング〉入門』ジェローム・リス著

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学び
本日は傾聴力を上げるためにタイトル買いをした、ディープ・リスニングという傾聴術の技術をご紹介したいと思います。

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PartⅠ 耳をすます、ディープ・リスニング

Lesson01 聴くことは手伝うこと
3.まず、ギアを「ゆっくり」にシフト
4.聞き手は舞台にあがらない
5.「安心できる空間」を
6.話し手尊重の原則
7.ディープ・リスニングは静かな旅

 □時間をかける、急がない。
 □判断、解釈、解決、答え、早いリズムを押しつけない。
 □話を聴きながら、同時に自分自身の声にも耳を傾ける。
 □「行動すること」から「受けとめること」へ。

Lesson02 こんなふうに聴いてみると
8.ひとまずトゲを抜く
9.感情の流れにフォーカス
10.感情をひろげる
11.からだことばも聴く
12.苦しみをわかちあう
13.ネガティブにとどまる意味
14.リバウンドの波を知る
苦しみは、失われてしまったポジティブな感情を表しています。感情がある程度解放され、はっきりとした言葉で表現できるところに至って初めて、苦痛、喪失、失望の背後にあった「ポジティブななにか」に触れ、その人の成長を支える内的なものがなっがれだし、スプリングボードのような役目を果たすのです。
15.ダメージを与える12の聴き方
 ①「早すぎるアドバイス」のワナ
「こうしたらいいんじゃないかな。」
 ②「自分の話」のワナ
「私にも同じことがあったわ。私の場合は……」
 ③「中断、さえぎり」のワナ
「あ、それってこういうことでしょ。」
 ④「見当違いの共感」のワナ
「あなたがどう感じているかわかります。私も同じ体験がありますから。」
 ⑤「解釈」のワナ
「あなたは嫉妬しているんです。」
  解釈によって真実の一部が明らかになるかもしれませんが、それが「すべて」であると仮定すれば現実をゆがめるでしょう。
 ⑥「重要性の否定」のワナ
「考えすぎ、考えすぎ!もっとポジティブに考えたら。」
 ⑦「停滞」のワナ
「それは前に聞いたよ?ずっと同じことを言っているような気がするんだけど……」
 ⑧「たえまない否定」のワナ
「それは、どうみてもあなたがおかしいよ。」
  これは一般的に見られる「〈真実とまちがい〉という二分法」の考え方です。すべての行為からはポジティブ、ネガティブ両方の効果(影響)が生まれるという考え方に立つと、おのおのの方法に利点と不利な点があることになり、反対することはできないのです。
 ⑨「お説教」のワナ
「それはわがままだよ。もっと大人になりなよ。」
 ⑩「中傷」のワナ
「普通の人はそんなふうには考えないよ。ちょっとおかしいんじゃないの。」
 ⑪「皮肉」のワナ
「世捨て人にでもなればいいんじゃない。」
 ⑫その他
感情の恐れ(こんなに泣くなんて、この人はおかしいんじゃないか。ちょっと怖いよ……)
ノンバーバルな否定表現(しかめっ面……)

 □「何が起きたの?」「何かあったの?」はノックの言葉。
 □話し手にとってのリアリティを大切に。
 □感情と感覚にフォーカスする。
 □苦しみはわかちあわれることで変化する。

PartⅡ ディープ・リスニングの実際

Lesson03 あるセラピストの聴き方
<省略>

PartⅢ ディープ・リスニング・レッスン

Lesson04 「問題」を聴く 〈問題〉と〈解決〉の2段階
17.まずギアを確認
18.「問題をさぐる」が基本
聴き手のチャレンジは「自分の答えを話さないこと」です。ディープ・リスニングの第一歩は「自分は答えを示すためにここにいるのではない、ここにいるのは問題を理解するためであり、おそらくそのうちに話し手は自分で答えを見つけるだろう」ということを受け入れることです。
19.自分の感情も受け入れる
20.話し手のチャレンジ
 1 問題が起きたとき、それにまつわる感情をわかちあうこと
 2 苦悩のもとになる状況を探る
21.問題を言葉にしてもらう
22.感情を言葉にしてもらう
23.言葉と感情のつなぎ方
「その感情をからだ全体を使って表現してください」ということで、心とからだのつながりが強められ、変化が生まれるのです。
24.「解決」のワークにすすむ場合
多くの人にとっては問題に向き合うだけでは十分ではありません。「解決のワーク」とは、まず頭で計画をたて、次にロール・プレイでそれを練習して、具体的な行動のかたちをつくることを指します。
聴き手は落ち着いた時点で、「気分がよくなったのですね。これからのことを考えてもいいですか。同じ状況におかれたら、次はどんな行動をとるでしょう」などと提案することもできます。話し手がこの提案を受け入れれば、次の「解決のワーク」の段階に進みます。
25.一歩ずつ、具体的に
26.体験の記憶を蓄積する
27.切り替えのタイミング
「問題と解決」は二段階のアプローチをとおして人が成長することを指します。
「問題サーチ」の第一ステップだけで終われば、「問題点はわかるけど、それを変えることができない」という、同じ問題の繰り返しを感じます。他方、「解決のワーク」の第二段階だけをとりあつかう場合は、話し手は自分の内面の緊張や不安のカタマリがないがしろにされたと感じます。
「ディープ・リスニング」のアート、極意は、「問題サーチ」を「解決のワーク」に切り替える方法と、タイミングの見極めにあります。

 □解決は急がない。
 □自分に暗い気持ちが感染しても受けとめる。
 □感情と言葉の回路を一緒につくる。
 □問題から解決への切り替えタイミングを見極める。

Lesson05 「感情」を聴く 〈キーワード〉と〈ガイド・フレーズ〉
28.「キーワード」、扉を開く鍵の言葉
「キーワード」は、話し手の話す言葉のなかで、感情のエネルギーが特に込められた、特別な言葉を指します。
29.「感情の音楽」が聴こえますか
感情のこもった「キーワード」をくりかえすことによって、聴き手と話し手は、キーワードの歌、”キーワード・ソング”を作り上げます。
聴き手によるキーワードのエコーは、共感を生むうえでも役に立ちます。
30.「ガイド・フレーズ」は懐中電灯
「ガイド・フレーズ」は「サーチする方向」を話し手に提示します。
32.事実も感情も大切に

 □感情がこもった言葉、キーワードをさがす。
 □感情が聞こえてくる場所に「ガイド・フレーズ」で光を当てる。
 □問題をさぐる?解決をさぐる?
 □リバウンドは生命力の表れ。

Lesson06 「からだ」を聴く 〈アチューンメント〉
37.自分の「からだことば」に注意する
コミュニケーションは、言葉だけではなく、表情、うなずき、手のジェスチャー、姿勢、呼吸、そのほかからだに関するすべての側面で成り立っています。
38.からだの共鳴と「アチューンメント」
ダニエル・スターン博士はお母さんと子供の間には自発的な「ミラーリング」(鏡のように動作が同じになる)があることを証明しました。お母さんが微笑むと赤ちゃんも微笑み返します。赤ちゃんが腕を挙げるとお母さんも自分の腕を伸ばします。赤ちゃんが喉を鳴らすとお母さんも自然にまねをして、遊びます。
博士はこの音と動きの同調を「アチューンメント」と名づけました。
39.こわばりとトラウマ
一定のトラウマを体験すると、「自然なミラーリング」能力がほとんど消えてしまいます。
40.凍った感情を溶かすには
自発的な「アチューンメント」能力を再発見し、育てることで凍結した感情の負の遺産も克服することができます。
41.からだの共鳴と共感
「アチューンメントが共感に役立つ」のはどうしてでしょうか。
「共感」とは話し手が、自分の内面の気持ちを聴き手が感じとってくれ、実際に話し手である自分と同じ立場で感じてくれると感じる特別な感覚です。
「アチューンメント」とは、身体における共鳴(ボディエンパシー)を意味します。

 □チューニングはあっているか、感じてみる。
 □聴き手自身のからだのメッセージに意識的になる。
 □自分のからだと感情のつながりを意識しよう。
 □リズムや流れが生まれているか、感じてみよう。

Lesson07 聴くことをあきらめない 対話ツール〈メタコミュニケーション〉
42.困ったときのメタコミュニケーション
「メタコミュニケーション」は、「話の中身」ではなく、「話し方」「コミュニケーションのとり方」についてはなすコミュニケーションです。
思わぬ混線、脱線を修復し、「軌道修正」する道具に「メタコミュニケーション」があります。
43.聞き手は、話し手がそれについて「話したいかどうか」たずねる
44.話し手も「この話をしたいので聴いてほしいです」と聴き手に前もって伝える
45.聴き手が「このことを話し手みませんか」と伝えることもできる
46.「誤解の構造」を理解する
「絶対に正しいリスニング」の保証など、どこにもありません。すべてのコミュニケーションがもつ「二重の性格」がその原因です。
47.「誤解の構造」をのりこえる
コミュニケーションには常に発信者と受けてという二人の人間が存在します。「発信者の意図」と、「受ける側の印象」の間には必ず差があり、そこから誤解が生まれます。
48.「話し手の意図」と「聴き手の実際のインパクト」を区別する
49.「メタコミュニケーション」は未来のコミュニケーション
50.いつものあの人の話を聴いてみよう

 □かみあわないときはメタコミュニケーションをとってみる。
 □「話し手の意図」と「聴き手の実際のインパクト」を区別する。
 □話し手が自分に耳をすますことができるように。
 □あの人の話が聴けるかな。

【感想】

もちろん、基本的には他の傾聴術と共通する部分もたくさんあったかと思います。それでもディープ・リスニングをざっくり言うと、
 ・「問題サーチ」の段階をしっかり経てから「解決ワーク」の段階へ
 ・傾聴には「アチューンメント」(自然なミラーリング能力)が大事である
 ・メタコミュニケーションによってアチューンメントを調整していく
ことだと思います。

この本は翻訳であることから、少し読みづらい部分があります。文章の中で同じ事柄を指すのに別な言葉を使うことは、わかりやすさへ繋がることが多いですが、翻訳であるが故、逆にわかりづらくなっているように感じました。
各Lessonごとに具体例があり、PartⅡでは丸々事例紹介となっていますので、読みごたえはありました。

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心理セラピストtakashi

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