小説家にとって、ChatGPTが神ツールである理由

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私は、主に、法律資格系ライターとして仕事していますが、ライターの仕事では、ChatGPTなどのAIを使わないことをポリシーとしています。
前回のブログで書いたように、現状、ChatGPTは、法律や資格関係の記事で利用するには、あまりに不正確すぎますし、自分で書いた方が圧倒的に早いからです。

では、小説を書く場合は?
というと、ChatGPTなどのAIを利用する価値があると感じています。
ただ、私がAIを使うというのは、あくまでも参考資料として使うだけで、AIが書いた小説をそのまま、電子出版するという意味ではありません。

AIが得意とするのは、膨大なデータを読み込んで、必要な文章を抽出したり、まとめることです。
小説の場合も、AIは、ネット上の膨大な小説、とりわけ、小説家になろうなどの小説投稿サイトの無数の小説を読み込んでいると思われます。
そうした小説データをもとに、AIは、もっともらしい小説を書き出していると思われます。
このような仮定ならば、AIも利用価値があります。

小説家になろうなどの小説投稿サイトにある無数の小説をすべて読むことは、今や不可能です。少なくとも私にはそんな時間はありません。
しかし、どういう傾向の小説がネットに投稿されているのかは知っておく必要があります。
そこで、AIが代わりに読んでくれるなら、これほどありがたいことはありません。

例えば、「中華風ファンタジー小説を書いてください」と指示する。
その指示に従って、AIが書き出した中華風ファンタジー小説は、小説投稿サイトなど、ネットで好んで描かれている中華風ファンタジー小説の平均値を示していると考えられるわけです。
それを読めば、小説投稿サイトなどの中華風ファンタジー小説をざっと読んだことになるのではないかと考えられるわけですね。
そして、AIの作品を参考に、AIを超える小説を書くことを目標とする。その意味でAIも利用価値があるわけです。

それから、AIは、プロットも書き出してくれます。
「中華風ファンタジー小説のプロットを考えてください」と指示すれば、やはり、ネット上の小説を基に、平均的なプロットを書き出していると考えられるわけです。
AIが書き出したプロットは平均的な小説家が考えるであろうプロットですから、そのまま使うと、平凡な小説に仕上がると思います。
平凡でも、「読みやすい小説」との評価が得られるかもしれません。
意外性はなくても、一般的な読者も安心して読めるストーリーに仕上がるでしょう。
一方、AIが書き出したプロットをあえて崩すことで、意外性のある小説を書き上げられる可能性もあるわけですね。
ただ、AIのプロットを崩すと、一般的な読者からは読みにくいとか、読むのが苦痛といった印象を持たれてしまうかもしれません。
どの程度、AIのプロットを参考にするかは、小説を書く人の匙加減になるでしょう。

さらに、AIは、キャラクターも考えてくれます。
「中華風ファンタジー小説のヒロインを考えてください」と指示すれば、やはり、ネット上の小説を基に、平均的なヒロインを作り出していると考えられるわけです。
平均的なヒロインだと、読者にとってなじみやすいヒロインになると考えられます。
読者になじんでもらえるかどうかは、小説が読まれるかどうかの大きなポイントになりますから、AIの考え出すヒロイン像は大いに参考になります。
一方で、ありきたりなヒロインだとの評価も受けるでしょう。
やはり、どの程度、参考にするかは、小説を書く人の匙加減と言えると思います。

また、AIは、海外の小説も読みこんでいると思われます。
私は、中国の小説投稿サイトである「起点中文網」の小説もいくつか、読んでいます。
ただ、私の中国語のレベルでは、日本の小説のようにすらすら読み進められるわけではありませんから、あの膨大な小説群をすべて読むことは、なおさら不可能です。
そこで、ChatGPTに中国語で上記のような質問をすれば、「起点中文網」などの中国の小説投稿サイトなどで好んで描かれている小説の傾向、プロット、ヒロイン像を知ることができるわけです。
AIに考えてもらった中国ファンタジーのプロットをそのまま使えば、日本ではあまりなじみがない本格的な中国ファンタジーを書き上げられるでしょう。
もっとも、中国で読まれている小説が日本の読者にも好まれるとは限らないので、日本の読者に合わせた修正が必要になります。
そのあたりのことは、やはり、小説を書く人の匙加減になります。

このような活用方法なら、ChatGPTなどのAIも、小説を書く際の参考になると考えています。
AIは、ある程度のレベルにある小説家にとっては、脅威ではなく、むしろ、さらなる高みに導いてくれるよき相棒になると思います。

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