作家の適性を考える

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まず自分大好き。ただそれだけの人は無理です。これだけははっきり言い切れます。というのも小説もコラムも基本的には自分以外のことを書くことの方が圧倒的に多いからです。だから他者に対して共感力ゼロの人は厳しいと言わざるを得ません。壊れたテープレコーダータイプも全然ダメです。紋切り型のフレーズしか出てこない。何十回でも同じ話ばかり平気でできる人。相手を楽しませるサービス精神に欠ける人は厳しいです。小説はとことん相手のことを考え抜く作業ですから考えて仕事しない。生活していない人は厳しいでしょうね。社会経験は問われませんが、挫折や失敗経験が乏しい人はかなり苦戦を強いられそうです。逆に満たされている人も大苦戦するでしょう。ハングリーでないといかんわけではないのですが、例えば寺山修司が著書で語ったように彼がボクシングをやめたのはボクシングはハングリーじゃなくてアングリー。つまり怒りがないとだめだと知ったからだそうです。これは作家にも当てはまる気がします。国や社会に対する怒りが強い人は向いているといえます。怒りの対象は何でもいいのです。負の感情や豊かになりたいという気持ちが強い人もいいですね。作家に必要なのは社会経験よりもむしろマイナスな感情や挫折、失敗経験です。うまくいかなかったときの引き出しを豊富に持っている人は強いです。興味の幅が狭い人も厳しそうです。興味の領域は詳しくなくてもいいのでなるべく広い方がいいです。私と同世代のオタクはまず無理です。いくらガンダムに詳しくてもそれに疎い人を小ばかにするようなレベルではただの1行も書けはしません。まあ何をやっても無理です。私生活がきちんと送れない人はあきらめた方がいいでしょう。作家だから私生活や女性にルーズでも許されたのはどこまでいっても昭和までです。あの頃をうらやむようなレベルでは厳しいです。太宰をうらやむような人は甘えが強いんじゃないですか。あの頃をうらやむ前にまずは書いてみることです。自分に甘い人は脱落します。逆にストイックな人には向いています。ただ自分が大好きなだけじゃなくて独自の世界観を持っている人には向いています。語彙や雑学は豊富な方が有利です。総じて言えるのは社会人として平均以上であればいいということです。特別な才能は一切不要だけれども作品世界を作り込んで、そこにのめり込めるかどうか。不遇の時代が長くても腐らない人には才能があるといえます。なぜならば腐らないというのも立派な才能だからです。まずは書いてみることです。
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