ドイツのジークフリート線とロシアのウクライナ侵攻

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ロシアのウクライナ侵攻から想起されるのが第二次世界大戦末期のジークフリート線をめぐるドイツ軍と米軍の攻防戦です。ヒトラーは二正面作戦を回避するためドイツ西部に長大な防衛ラインを完成させてからポーランドに侵攻しました。フランスのマジノ線のドイツ版のようなものです。さすがにヒトラーが心血を注いだだけのことはあり物質的には強力で、1度は米軍を押し返すことに成功します。しかしドイツの指揮官はその戦果に満足せず、米軍をドイツ領内から一掃すべく、まさかの攻勢に打って出ます。しかしこれが見事に裏目に出ます。そこにはもはや精強をうたわれたドイツ軍の姿はなく、実戦経験が乏しい新兵や老兵の寄せ集めがジークフリート線を出て攻勢に打って出たところで米軍を押し返す力などあろうはずがありません。結局ドイツ軍は総崩れになり、防衛には不向きとされるベルリン攻防戦でも敗れてドイツは降伏します。ロシアがウクライナに侵攻したと聞いた時はがく然としました。はげちゃびんはロシアの歴史を知らんのか?司馬さんの著書によるとロシアの祖先はバイキングだそうです。だとすればはげちゃびんの飽くなき侵攻意欲はDNAなのでしょうか?それとも超絶無能か?とうとう天に昇る時が来たのか?正気の沙汰とは思えません。確かにロシアはナポレオンにもヒトラーにも勝ちました。それはロシアが攻めて攻め抜いて勝ったのではなく彼らの激しい侵攻から国土をしぶとくしたたかに守り抜いて勝ったのです。氷雪の厳しい気候と広大な風土をうまく使って守り抜いて勝つのがロシアのお家芸です。司馬さんだってロシアのウクライナ侵攻には驚きを隠せないはずです。おそらく私とほぼ同じ見解でしょう。ナポレオンがロシア遠征に失敗したのはロシア軍が精強だったからではなくナポレオンにリアリティーが欠如していたからです。彼はなぜかロシアの若き皇帝が大好きで片思いしていたのではないかとさえ思えるほどです。ナポレオンが弾丸のように訪れるロシアの冬の恐ろしさを知るよしもなく、のほほんとモスクワで居直り強盗していたところへロシア軍がモスクワを焼き払った時にナポレオンは何でこんなことをするのかと真顔でロシア皇帝に手紙で問いただしているのです。ヒトラーに勝てたのも彼がアメリカに宣戦布告したからです。真珠湾攻撃の2日後にドイツはアメリカに宣戦布告しましたが日独伊三国軍事同盟では日本がアメリカに宣戦布告してもドイツにその義務はありません。アメリカからの挑発行為はありましたがドイツとの関係は表向きは良好でした。独ソ戦が始まっても日本がソ連に宣戦布告することなく日ソ中立条約を堅持したのも同じです。ドイツがソ連に宣戦布告しても日本にその義務はないのです。ナポレオンに勝てたのは彼にリアリティーが欠如していたからだし、ヒトラーに勝てたのもスターリングラードで勝てたのが要因ではありますが、米軍と戦ってドイツ軍が無駄に消耗し疲弊していったのも事実です。
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