単価の上げ方

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ビジネス・マーケティング
正社員のときは、昇進をすれば単価(給与)が上がっていきますが、フリーランスはどうやって単価を上げていけばいいのかはケースバイケースだと思います。今回のエントリーでは、フリーのコンサルがどうやって単価を上げていくのかを議論できればと思います。

1.上流案件の対応をする
僕がここで、上流・下流と表現するのは「経営戦略」との距離だと理解いただけるとありがたいです。

例えば、「SEOコンサル」をやっている方は、さらに上流として「WEBマーケ戦略」になるでしょうし、「WEBマーケ戦略」の上流は「事業戦略」になると思います。

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ここで、一番議論したいのが、どうやって上流案件を獲得するかということです。
A:できるだけ長くクライアントに関わり、フレッシュインサイトを提供する
昔は戦略コンサルファームに戦略策定を依頼することも多かったようですが、現在では戦略ファーム内でも、「ピュア戦略案件」はそこまで多くないようです。(あっても、立案フェーズでお金をとるのではなく、その後の運用フェーズでお金をとっていくスタイル)

別言すると、クライアント側も「戦略策定のみを高額に発注する意味はない」と考え始めているのだと思います。VUCAの世界で、ある任意の時点で作った戦略が長期的に意味をなすことは難しくなっているのだと思います。

一方で、企業というのは思考の慣性のようなものがあって、いつの間にか過去の成功事例に固執したり、硬直化した思考をしてしまうものです。つまり、より精度の高い戦略を思考し続けるには、常にフレッシュなインサイトが必要なはずです。

2つの話を統合すると、下記です。
・戦略をある任意の時点で高いお金を払ってまで作りきってもらうニーズは少ない
・とはいえ、常にフレッシュインサイトを求めており、それを材料に「戦略的思考」をしておきたい

つまり、短期間で戦略策定のプロジェクト受注は筋が悪いが、日々の支援で戦略に資する情報提供をすることで、徐々に上流に関わっていくことができます。(参加する会議体がより上流になる)

その結果、「◯◯企業の戦略策定に関わっている」という実績ができ、他社での新規案件を受注するときにより上流のスコープで支援ができるということです。(あくまで、既存の案件で単価を上げるのは簡単ではないことを注記しておきます)

B:より経営者と近い仕事をする
中小企業でも大企業でも社長は社長です。No.2とは違います。

勿論、大企業の社長(または経営企画や社長室)と仕事ができればいいのかもしれませんが、簡単ではありません。

そう考えると中小企業は、基本的にあらゆる企画系のオーナシップを持つのは社長なので、どのプロジェクトから入っても社長とコミュニケーションを取る機会を作ることがしやすいはずです。

仮に、プロジェクト開始時点で社長がカウンターパートではなくても、定期的に報告会を実施するなどで社長とのコミュニケーション機会を探ったほうがいいと思います。


2.コストではなく、投資としてみなしてもらう
基本的に、コンサル費用は販管費でありコストです。
一方で、これがコストではなく投資として見てもらおうということです。

一般的に言えば、ミドルバックオフィスの業務はコスト意識が高く、コンサルの単価を上げるのは難しいです。そもそも、ミドルバックオフィスの案件は予算が小さいです。(あえてあるとしたら、成果がみやすい業務改善系でしょうか)

一方で、事業部門は投資したコンサルフィーが、大きな売上につながることがあります。「私はコンサルフィーが高いですが、売上を◯◯作れますよ」と言われたら投資しない理由が思いつかないですよね。

そこでいただくご質問なのですが、「私は、元々バックオフィス出身で営業とかしたことないんですが」というものです。例えば、採用や人事のプロとして独立して方などでしょうか。

一方で、このバックオフィス系の方も事業側に食い込む方法はあります。具体的には下記です。
・自分の専門領域の事業やプロダクト開発に関わる
 e.g.)採用のプロであれば採用管理システムの事業開発に関わる
・自分の専門領域のプロダクトを自分のネットワークで販促を行う
 e.g.)採用のプロが採用管理システムを自分が所属する人事採用ネットワークで販促(≠ごりごり営業)を行う


3.成果報酬(インセンティブ)を設ける
基本的に、コンサルは固定フィーです。
コンサルの質に限らず、固定での収益が確保されるので安定感はありますが、単価を引き上げることは難しいです。(基本的に前の契約が踏襲される)

一方で、成果報酬については、実績を上げれば上げるほど単価が上がります。なおかつ、それは基本的に青天井になります。

僕の個人的な趣味で、上場しているコンサル会社のPLを分析していたりするのですが、やはりシステム開発などの固定フィー形式のコンサルは、業績を見通しやすい一方で、あまりサプライズがないなという印象を持ちます。一方で、コスト削減などの成果報酬を基礎にしているコンサルは、案件の見極めが正しければフィー以上のアップサイドの収益を獲得しているなと感じました。(案件の見極めができないと、ただ原価がかかるだけで全く儲からない)

固定モデルも、成果報酬もpros/consがあるのですが、そういう意味ではハイブリットで契約を締結するのがいいのではないかと思います。そうすれば最低限の固定収益を守りながらアップサイドを狙うことができます。


4.最後に
単価を上げるということでエントリーを書いてみました。コンサル業界は良くも悪くも単価が言い値なので、言ったもんがちなところもあるかと思います。最初はそれで受注できるかもしれませんが、あとからより「質の高い」or「報酬が低い」コンサルにスイッチされる可能性があります。

受注するために、自身の報酬を下げるのは元も子もないので、やはり最後は「質を上げる」ということに着地するのかなと思います。

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