#10 子宮に沈める

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コラム

ちょっとタイトルからしてアレな感じなので、
以前から観たかった映画でしたがなかなか決心がつかず‥
先日やっと?観ることが出来ました
(観てしまいました、かも)

これは2010年に大阪市内で起きた
「大阪2児餓死事件」を元に作られた映画です


夫からの一方的な離婚でシングルマザーとなり、
2人の子供、幸(サチ)と蒼空(ソラ)を育てていた若い母親が、
経済的な事情から風俗嬢として働き出す
最初の頃はなんとか両立させようと努力していたが、
日々のストレスや寂しさを紛らわすため次第にホストに嵌っていき、
育児放棄をした結果愛する我が子を餓死させてしまうという
非常に痛ましい内容でした

実際の事件は背景が少し違っていて、
離婚に至った原因は夫ではなく自身の浮気だったようです
そして彼女もまた、幼い頃に親からネグレクトを受けていたらしいです


映画は終始重め
BGMなどはなく、全て演者さんの会話と生活音のみ
それを定点カメラで刻々と映していく感じでした

冒頭では、子供たちのために毎日手の込んだ料理を作り、
愛情を持って育てているのがわかる描写がいくつもあって、
「こんなに優しいママがどうして‥?」と思いながら観ていましたが、
生活は少しずつ荒れていき、それと同時に母親の身なりが派手になり、
ある日突然幼い2人を置いて出て行ってしまいます

残された子供たちは3歳の女の子(幸)と1歳の男の子(蒼空)
帰らぬ母親を待ちながら、
弟の世話を一生懸命にしようとする姉の姿に泣けました
おぼつかない手でミルクを作ったり、
愚図る弟をあやすために抱き上げようにも、小さな身体ではままならず‥
それでも甲斐甲斐しく面倒を見るのですが、
やがて蒼空が餓死します

しかし3歳の幸には「死」の概念がなく
「起きて」と声をかけ続ける

不衛生な部屋に1人残った幸は食べ物を探し、
母親がそのままにしていったゴミ袋を漁り、
最終的には色粘土と水で空腹を満たしていました


結末は、
衰弱した幸が朦朧とした頃に母親は帰ってきます
家の中の異臭に顔をしかめながら、
甘えて縋る幸の問いかけにも無言で窓を開け、
虫がわく蒼空の亡骸を洗濯機(!!)で洗うんですね

その後、幸をお風呂で溺死させます

母親は妊娠しており、
ちょっと恐ろしい方法で自ら堕胎させてしまうんですが‥

もう何も救いがない、闇が深すぎる映画でした


実際の事件では、幼い姉弟は2人ほぼ同時期に餓死していたようなので、
幸が生き残る設定の部分は、2006年に北海道苫小牧市で起きた
「幼児置き去り餓死事件」がモデルになっていますが、
どちらにせよ本当に胸が痛いです‥



余談ですが
映画の子役の2人は本当の姉弟ということでした
姉役の女の子の演技がとにかく素晴らしかったですし、
主演の伊澤恵美子さんも私は好きでした

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