【栄養学】プロテインについて

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プロテインパウダーの基礎知識

プロテインパウダー(以下、プロテイン)とは、タンパク質を主成分とした栄養補助食品です。タンパク質は、筋肉や骨、皮膚、髪などの体組織の材料となり、エネルギー源としても使われる重要な栄養素です。しかし、タンパク質は体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。

プロテインは、水や牛乳などに溶かして飲むことでタンパク質を補給することができます。特に運動後にプロテインを摂取すると、筋肉の損傷を修復し、筋肉量や筋力を増やす効果が期待できます。

プロテインにはさまざまな種類がありますが、大きく分けると動物性タンパク質と植物性タンパク質の2種類に分類できます。それぞれの特徴や効果について見ていきましょう。

動物性タンパク質
動物性タンパク質は、牛乳や卵などの動物由来の食品から抽出されたタンパク質です。動物性タンパク質は、9種類の必須アミノ酸(人間が体内で合成できないアミノ酸)をすべて含んでいる完全タンパク質と呼ばれます。
※必須アミノ酸は人間が体内で合成できないアミノ酸であり、筋肉の合成や代謝に欠かせない役割を果たします。

動物性タンパク質の中でも代表的なものはホエイプロテインです。ホエイプロテインは牛乳から作られるチーズの副産物であり、水溶性で消化吸収が早いことが特徴です。ホエイプロテインは、必須アミノ酸の中でも特に筋肉合成を促進するロイシンの含有量が高く、運動後に摂取することで筋肉増強効果が高まります。

また、カゼインプロテインも牛乳由来の動物性タンパク質ですが、ホエイプロテインとは異なり不溶性で消化吸収が遅いことが特徴です。カゼインプロテインは、長時間にわたって血中アミノ酸濃度を高めることで、筋肉分解を抑制し筋肉量や筋力を維持する効果が期待できます。

そのほかにも卵白タンパク質やフィッシュプロテインなどの動物性タンパク質もありますが、これらは乳製品にアレルギーがある方にオススメです。

植物性タンパク質
植物性タンパク質は、大豆やエンドウ豆などの植物由来の食品から抽出されたタンパク質です。植物性タンパク質は、必須アミノ酸のうち1種類以上が不足している不完全タンパク質と呼ばれます。そのため、植物性タンパク質だけでなく、食事からも必須アミノ酸を摂取することが大切です。

植物性タンパク質の中でも代表的なものはソイプロテインです。ソイプロテインは大豆から作られるタンパク質であり、植物性タンパク質の中では必須アミノ酸の含有量が最も高く、動物性タンパク質に匹敵する筋肉増強効果があります。また、ソイプロテインには大豆イソフラボンという成分が含まれており、女性ホルモンに似た働きをすることで美容や健康にも良い影響を与えると言われています。

そのほかにもヘンププロテインやライスプロテインなどの植物性タンパク質もありますが、これらは大豆にアレルギーがある人におすすめです。

プロテインの効果的な摂取方法

プロテインを効果的に摂取するためには、以下の3つのポイントに注意しましょう。

1. 1日のタンパク質推奨量と目標量を把握する
プロテインを摂取する目的は、食事からのタンパク質摂取量が不足する場合に補うことです。そのため、自分に必要なタンパク質量を知ることが重要です。
厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日に摂取したいタンパク質量が示されています。この中で推奨量は最低限摂取したい量であり、目標量は活動量やカラダの大きさなどに合わせて調整したい量です。

例えば、25歳女性であれば、タンパク質の1日の推奨量は50gです。この女性に必要なエネルギー摂取量が1,800kcalと仮定すると、タンパク質の目標量は13~20%エネルギーですから234~360kcalとなります。タンパク質は1gにつき約4kcalなので、重量にすると59~90gです。

このように自分の目標量を計算し、食事からどれだけ摂取できているかを確認します。不足分があればプロテインで補いますが、余分に摂取しても体脂肪として蓄積される可能性があるので注意しましょう。

2. 適切なタイミングで摂取する
プロテインを摂取するタイミングは、目的や種類によって異なります。一般的には、以下の3つのタイミングがおすすめです。

朝食前:朝起きたときは、一晩寝ている間に筋分解が進んでいる状態です。そのため、朝食前にプロテインを摂取することで、筋分解を防ぎ、筋肉量や筋力を維持する効果が期待できます。

運動前:運動前にプロテインを摂取することで、運動中の筋肉損傷を軽減し、運動後の筋肉合成を促進する効果が期待できます。

運動後:運動後は、筋肉の修復や増強に最も効果的なタイミングです。運動後にプロテインを摂取することで、筋肉の合成を最大限に高め、回復を早める効果が期待できます。

3. 適切な量と水分と一緒に摂取する
プロテインを効果的に摂取するためには、適切な量と水分と一緒に摂取することが重要です。

適切な量は、1回あたり20~30g程度です。これ以上摂取しても筋肉合成には影響しないという研究結果があります。また、1日あたりの上限量は体重1kgあたり2g程度です。これ以上摂取しても体脂肪として蓄積される可能性があるので注意しましょう。

水分と一緒に摂取することは、プロテインの溶解性や消化吸収性を高めるだけでなく、腎臓への負担を軽減する効果もあります。水分としては水や牛乳などがおすすめですが、ジュースやスポーツドリンクなどは糖分やカロリーが多いので注意しましょう。

プロテインの選び方

プロテインを選ぶときには、以下のようなポイントに注意しましょう。

- 自分の目的に合った種類を選ぶ:前述のようにプロテインにはホエイ、カゼイン、ソイなどの種類があります。それぞれに特徴や効果が異なるので、自分の目的に応じて適切なものを選びましょう。最も一般的なホエイプロテインが基本的にはオススメです。

- たんぱく質含有率が高いものを選ぶ:プロテインはたんぱく質を効率的に摂取するためのものです。そのため、プロテイン100gあたりに含まれるたんぱく質の量が多いほど良いと言えます。一般的には、たんぱく質含有率が80%以上のものがおすすめです。

- 飲みやすい味を選ぶ:プロテインは継続して飲むことで効果が現れます。そのため、自分の好みに合った味を選ぶことが重要です。プロテインにはココア味やバニラ味、バナナ味などさまざまな味があります。試飲サンプルや口コミなどを参考にして、飲みやすい味を見つけましょう。

- コスパで選ぶ:プロテインは価格や容量によってコスパが異なります。同じ種類や味でも、メーカーやブランドによって値段が変わることがあります。また、大容量のものや詰め替え用のものなどもあります。自分の予算や消費ペースに合わせて、コスパの高いものを選びましょう。

以上がプロテインの選び方のポイントです。自分に最適なプロテインを見つけて、健康的なカラダづくりを目指しましょう。

プロテインの購入場所

プロテインは、さまざまな場所で購入できますが、以下に代表的な販売店を紹介します。

スポーツ用品店:プロテインの種類やブランドが豊富に揃っており、自分の目的や好みに合わせて選ぶことができます。また、スタッフからアドバイスを受けることもできます。

ドラッグストア:プロテインはドラッグストアでも購入できます。また、中にはオンラインストアも運営しているところもあります。例えば、ドラッグストア マツモトキヨシでは、プロテインの種類や価格を検索したり、ネットで注文したりすることができます。

スーパー:プロテインは、スーパーでも販売されています。スーパーの中には、自社ブランドのプロテインパウダーを開発・販売しているところもあります。例えば、イオンでは、「Forスタンダードプロテインパウダーココア味」という商品を販売しています。

オンラインストア:オンラインストアでは、プロテインパウダーの種類やブランドが豊富に揃っており、価格やレビューなどを比較したり、自宅や職場に配送してもらったりすることができます。楽天市場やAmazonなどが代表例です。各メーカーの直販サイトでの購入も可能です。

以上がプロテインを購入できる場所の一例です。自分の利便性や予算に合わせて、最適な販売店を探してみましょう。

一般的なプロテインのお値段

※念のためですが、私はかれこれ15年近くプロテインを飲み続けているので、そこそこ信頼していただいていいと思います。

 結論から申し上げますと、プロテイン1kgあたりのお値段は、だいたい2,000円〜6,000円ぐらいです。

 傾向としては、
・国内産は高く、海外産は安い。
・原材料に拘っているものは高め。
・店頭購入は高く、ネット注文は安い。
・安全性が高く健康志向のものほど高め。
・大量購入(18kg一括購入など)すれば安め。
・タンパク質以外の付加価値がつくと高い。

といえます。そのため、

・国内産で原材料に拘り、
・店頭でしか購入できなくて1袋1kg以下。
・有名ジムやトレーナーなどが監修。
・安全安心かつ微量栄養素も高含有なもの

こういった商品は1kgあたり6,000円を超えるものもあります。

それに対し、

・海外産で原材料は普通の品質。
・ネットで5kgの大袋などを購入。
・シンプルにタンパク質のみのパウダー。
・人工甘味料や保存料など普通に使われている。

こういった商品はセール時なら1kgあたり2,000円ほどで購入可です。ちなみにですが、毎日30gずつ摂取すると1kgは1ヶ月で消費します。月に2,000~6,000円の筋肉に対する投資、ということですね。

1kgあたりの値段だけで判断すると、国内メーカーでしたら「エクスプロージョン」「ビーレジェンド」、海外メーカーですと「マイプロテイン」がお買い得です。ただ、プロテインの価値は値段だけではないので、この後の解説も踏まえたうえで購入先を選択しましょう。

プロテインあるある トレーニングしない日は?

CMなどの影響で、プロテインは筋トレ後に飲むモノ、という印象があるかと思いますが、前述の通り摂取タイミングは1つではありません。

実は、筋肉が成長するタイミングというのは筋力トレーニング直後の短い時間ではなく、筋トレ後48〜72時間は継続すると言われています。そのため、その時間内に筋肉作りの材料となるタンパク質が不足してしまわないようにする必要があります。

週に2回以上筋力トレーニングを行う場合、常に筋肉がタンパク質を必要としていることになるため、一般的な食生活でタンパク質が不足してしまいそうなのであれば、筋トレをしない日であってもプロテインの摂取はした方が良いでしょう。

プロテインあるある プロテインは太るのか?

プロテインは低カロリー、低脂肪であるため、プロテインそのもので太ることはほぼないはずですが、プロテインを飲んだ後に通常通り食事や間食をすると、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り、体脂肪として蓄積される可能性があります。そのため、プロテインを飲む場合は、食事や間食の量や内容を調整する必要があります。

タンパク質は1gあたり約4kcalのエネルギーがありますから、過剰に摂取すると余分なカロリーとなります。また、プロテインはタンパク質を効率的に摂取できる便利な食品ですが、必要以上に多く摂取しても筋肉合成には影響しません。そのため、プロテインの摂取量は自分の目的や体重に合わせて適切に決める必要があります。

また、プロテインには糖質や脂質などの他の栄養素も含まれている商品があります。があります。そのため、プロテインを選ぶ際には自分の目的や体質に合わせて成分表や栄養成分表示を確認する必要があります。

プロテインの安全性について

プロテインは工場で生産され、物流に乗って私たちのもとに届きます。そして、1度に消費できる量では無いので、通常賞味期限は1年以上に設定されており、当然ですが保存料などが添加されています。

また、様々なフレーバーをつけるために人工甘味料が使われ、溶けやすく、泡立ちが少なくなるように乳化剤などが使われているのが普通です。その他にも酸味料、香料などが添加されています。

ホエイプロテインは牛乳が原材料ですが、多くの乳牛は牛舎で育てられ、穀物で育ちます。牧場・牧草で育った乳牛のお乳を原材料にしているホエイプロテインは稀です。

また、高濃度のタンパク質を大量に摂取すると、腎臓や肝臓に負担がかかり健康を害するリスクもあります。

と、ここまで読んでみて、
「こんな危ないもの飲みたくない!」
と思うかもしれません。

 確かに。元々自然界になかったものを添加し、一部の栄養素を不自然に抽出したものは、身体に負担をかけるかもしれません。

しかし、それを言ってしまったら世の中の加工食品全てを危険視しなければなりません。砂糖だって、食塩だってそうですね。

 もちろん、プロテインは完全に絶対に安全安心で事故は起こり得ない!とは言いきれませんし、摂りすぎれば健康には良くないですし、完全自然食品派の方は無理に摂取する必要はないでしょう。

 ですが、普段から外食で脂っこいものを食べたり、コンビニでお菓子を買っていたりする方は、そういったものを控えてプロテインを生活習慣の中に取り入れることは決してマイナスにはならないと考えます。
※少なくとも肥満のリスクは下げられますよ、という意味です。

 その中でも、出来るだけ安全性が高いものをご紹介します。

 まずは全体を通して言えることですが、フレーバー付きのものは人工甘味料が多く添加されているので、気になる方はノンフレーバーのものにしましょう。そしてインスタントコーヒーや100%フルーツジュースなどで割れば美味しくいただけます。

 そして、海外製品は危なくて国内産が安全かと言われると、必ずしもそうとは限りません。何か問題が起きた時のフォローが受けやすいのは国内産かもしれませんが、海外製品だから危険、とは言えません。国内産のプロテインでも原料はアメリカ産だったりもしますしね。
特にアメリカではサプリメントの需要が日本とは比較にならないほど高く、その分各メーカーが安全性や品質を切磋琢磨して向上させていると考えられますし、何か問題が起きれば訴訟!というお国柄なので、品質が日本と比べて劣っていることはないと思います。

判断材料として、「インフォームドチョイス」や「GMP」または「cGMP」というマークが表示されている商品は安全に対する信頼性が高いと考えてよいかと思います。
※禁止薬物や不純物が混入していない、高い品質のものであると認証を受けているという表示です。

これらを踏まえて、2つのメーカーをご紹介します。

 1つはビーレジェンドです。

 こちらは原材料に使用している乳タンパクを牧草牛のお乳から抽出しています。いわゆるグラスフェッドという牛さんですね。牛舎で育った乳牛に比べ病気のリスクも低くストレスもかけずに育てられた牛さんなので、品質が良い!という印象です。また、インフォームドチョイスの認証を受けています。

 そして2つめは、チョイスニュートリションです。こちらはGMPの認証を受けています。
 こちらはビーレジェンド同様、グラスフェッドの牛さんから乳タンパクを抽出しており、さらに添加物が使用されておりません。もちろん人工甘味料も使われておらず、ステビアという天然の甘味料が使われてます。一般的なプロテインと大きく差別化されています。※多少溶けづらいのはご愛嬌。

また、プロテインの飲みすぎは身体によくない、という認識をお持ちの方も少なくないと思います。

現状分かっている範囲では、タンパク質の過剰摂取による腎臓、肝臓へのリスクは、それほど高くないといえます。ただし、今現在腎臓または肝臓に何らかの持病を抱えている方にとってはオススメできません。

1日1〜2杯程度であれば問題はないと考えられますが、念のため次のアドバイスを参考にしてください。

- タンパク質の摂取量は、一般的に体重1kgあたり1.5g~2gが適切とされています。プロテイン1杯で約20gのタンパク質が摂取できるので、普段の食事と合わせて適切な量を調整する必要があります。

- タンパク質は分解されると尿素となり、腎臓で濾過されて尿として排出されます。しかし、タンパク質の摂取量が多すぎると、腎臓の機能が追いつかず、尿素が血液中に蓄積されてしまいます。これは腎不全の原因となるほか、血液が酸性に傾くことで骨粗しょう症や筋肉の分解を引き起こす恐れもあります。

- タンパク質は肝臓でアミノ酸に分解されますが、その際に発生するアンモニアは毒性が高く、肝臓で尿素に変換されてから排出されます。しかし、タンパク質の摂取量が多すぎると、肝臓の機能が追いつかず、アンモニアが血液中に蓄積されてしまいます。これは肝不全や肝硬変の原因となるほか、脳に障害を与える恐れもあります。

プロテインは、筋トレやダイエットの効果を高めるだけでなく、美肌や健康維持にも役立つサプリメントですが、摂りすぎると逆効果になることもあります。医師や自分の身体と相談しながら、適度に利用することが大切です。

プロテインのまとめ
プロテインは、タンパク質を主成分とした栄養補助食品です。タンパク質は筋肉や骨などの体組織の材料となり、エネルギー源としても使われる重要な栄養素です。
プロテインには動物性タンパク質と植物性タンパク質の2種類があります。動物性タンパク質は必須アミノ酸をすべて含んでいる完全タンパク質であり、筋肉増強効果が高いです。植物性タンパク質は必須アミノ酸のうち1種類以上が不足している不完全タンパク質であり、食事からも必須アミノ酸を摂取する必要があります。

プロテインを効果的に摂取するためには、1日のタンパク質推奨量と目標量を把握し、適切なタイミングで摂取し、適切な量と水分と一緒に摂取することが大切です。

プロテインは、食事からのタンパク質摂取量が不足する場合に補うことができる便利な食品です。自分の目的や体質に合わせて、最適なプロテインを選んでみましょう。

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