第15回「音屋のkatsu」の音楽あるある〜幼稚な大人編〜

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ビジネス・マーケティング
自分で自分の殻を脱ぎ、ズル向けた私は地元で就職を決めた友人「T」君と、
高校の同級生でもあるベーシスト「M」君と
「インスト」(歌なし)バンドを始めました。

元々はボーカルが在籍していたんですが、仕事の都合もあり
音楽活動ができないと言われ半ば強引にインストバンドに切り替えたんです。

「芸は身を助く」

二十歳を過ぎると技量もセンスもさらに磨きがかかって来ていました。

私達は、自主制作(ポートフォリオ参照)で楽曲を発表しライヴ活動を中心に
地元でその成果を振い始めていました。

周りのひと世代上の方々は前世代のバンドブーム(ROCK/METAL系)の方が
多く、当時はかなり活気に溢れていました。

「地元をROCKで盛り上げよう!」みたいな風潮がバンド界隈でもあり、
私たちもそれに参加していた感じです。

その方達はオリジナル曲よりもコピーバンドの方が人気で、もちろん腕前は
プロ並みの人達ばかりです。

「音楽をこよなく愛している」と言う気迫は重々に伝わって来ました。

ですが、目上に対して大変失礼な物言いなのですがその
「音楽をこよなく愛している」に「ある」はずのものが感じ取れないんです。

それは、わかる人はわかる表現だと思いますがズバリ、
「化学反応」です。

「爆発力」がないんです。

バンドって、違う楽器、違う人間が混ざり合って一つの「音」を出すものだと
私は思っています。
つまり「化学反応」と同じで、人間同士での「化学反応」を行い、
良い意味での「混ぜるな危険!」を起こす事で
「他に類を見ない」程の「爆発力」が生じると考えています。

その「爆発力」が「音」として見ているお客さんが五感とそれ以上で感じ取る
事で「感動」が生まれると思うんです。

もちろん、「趣味」で演奏している人達ですのでその「爆発力」を求めても
仕方のない事かも知れませんが、例えコピーバンドでも「爆発力」をもった
人達の演奏はとてつもない「衝撃」を与えていきます。

これはテクニックや、高級な機材、ましてや経験などで補えるものとは、
私は判断しておりません。
完全に人間の持つ「人間力」のぶつけ合いです。

そんな中で私達の「インスト」は確かに「爆発力」がありました。

後から考えてみると、多分先述した「五感とそれ以上で感じる何か」が
その方達の「嫉妬心」に火をつけてしまったんだと思います。

「自分に無くて、人に有る」モノに人は「恨み」や「妬み」を抱きます。
しかもそれが「お金を払って買えるモノ」でないのなら尚更です。

ある日のライヴでの打ち上げに参加した時の事です。
地元では結構有名なギタリストの方が私を捕まえてこう言いました。

「お前たちの歳であんな演奏されたら、俺たちが目立たなくなるだろ?」

初め、褒め言葉なのかなとも思ったのですが違います。

お酒の席と言うこともありましたが、その人の目つきが「本気」で
脅している事は理解しました。

「別にお株を奪ってやろうなんて思っちゃいねぇのに、
 何良い歳こいたおっさんがこんなガキ捕まえてイビリ散らしてんだよ?
 逆だろ?なんでその年まで俺らみたいな演奏ができねぇんだよ?
 機材ばっかり金かけてねぇで、もっと自分磨きでもしてろやボケが!」

本心はそう思っていました。
ですが、地元の演奏の場がなくなる事は困ります。
その方々に気配りをしなければ地元ではやっていけません。

私はどうでも良いのですが、地元に残る「M」君や「T」君のメンバーが
ライヴ活動が出来なくなることだけは絶対に避けたかったのでその場は
大人な対応をしました。

それからも、その方々の要望や要求はできるだけ答えて来たつもりです。

ですが「与えて」も「与えられる」事の方がずっと少なかったとも思います。

唯一もらったチャンスは、その方々を束ねていらっしゃる方からの
プロミュージシャン紹介でした。

「もしまた、東京行くんなら良い人紹介してやるよ。」

私はこの言葉をいただいたおかげで更なるステージに上がることができました。

もしかしたら「幼稚」だからいつまでもROCKができるのかも知れないし、
「幼稚」が故に、私達に「感じる何か」に「嫉妬」して下さったのかも。

良いことも、悪いことも包み隠さず接して下さった「幼稚な大人」の皆様との
出会いがあったからこそ、今の私がいます。
大変感謝と勉強をさせていただきありがとうございました。

この話の続きはまた次回にでも。


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