若手の育成は無理じゃないでしょうか

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【これはフィクションであり、私が勤めていた職場とは関係がありませんので、あしからず】

新しいサービスを開始するためには新たな負担が発生します。このためスタッフを増やす、他の業務を減らす、外部へ業務を依頼するほか、スタッフの能力向上や効率的な業務の実践も求められます。人員増と外部発注は経費増、業務量軽減は収入減に繋がりますので、経営の観点で難しい判断が必要になり、中間管理職の私は「部下の育成」「能率アップ」が目標と定められます。
私自身も先輩から「今の若い者は」と言われていたでしょうが、最近の若手スタッフに対し「今の若い者は」と感じる場面が増えています。手を動かす前に口が動く。周囲に対する協力姿勢に欠ける。時間外勤務の命令を拒む。これらのことは、私が若いころには極めて少ない事象でした。
自分の意見を言えずに上司や先輩の指示どおり動き、周囲の仕事を手伝い、自らの判断で時間外勤務を行う。今の若手の中にも少数ではありますが、そういう「変わり種」がいます。「変わり種」ではないスタッフを「普通の若手」と呼ぶとすれば、「普通の若手」は「変わり種」に損な役割を押し付け、見て見ぬ振りをしているように感じます。
総務担当部長は人員確保に苦労しているようです。しかし頭数だけ揃えられても「普通の若手」を配置されると全体の士気に悪い影響が出ます。この点は総務部局と議論になるところです。同業者の集まりでも同じような話題になることが多く、悩みの種となっているところは私たちだけではないようです。
人材紹介が業務として成り立っています。自分が勤める職場を他人に探してもらうことが一般的となり、並べられた職場の中から雇用される側が選択できる時代です。また、フリーランスでも暮らすことができる社会ですから、人を雇用する形態の職場は崩壊する方向にあるようにも感じます。
そこで私は「変わり種」を確保するために採用方法を一新できないものかと考えました。私立高校と提携し、修学資金を毎年10人程の学生に支給し、その学生には「変わり種」育成のための特別な授業又は活動を経験させ、高校卒業とともに採用を約束する。私が働く職場では大学で学ぶ知識を活用する場面は数少ないので、業務に支障が発生することは考えにくい。大学生に比べ高校生はコストが安いので、修学資金の財源が補填できる。「普通の若手」の大半を占める大学出身者にはフリーランスの仕事がありますので、彼等には退職勧告を行う。職場の血を入れ替えるよう取り組まなければ、若手の育成は難しく、今後、新しいサービスを提供する際に苦しくなることが見込まれます。
幸い、私の職場は某高校との太いパイプがありビジネス科の創設などによって「変わり種」育成の対応も可能な環境にあると思います。いつも高飛車な態度の総務部局には「普通の若手」が多く見られますので反論は必至でしょう。自らの職場の業績向上よりも、自分の身を守ることに力を発揮するのが彼等「普通の若手」の特徴です。
残り少ない私たち「変わり種」の底力を結集するときが来たように思っています。

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