私は、どこへ行っても「良い子にしてるね」と褒められるような子だった。
「そんなこともないんですよ!」と嬉しそうに(謙遜する)母を見て、
喜んでいる、もっと良い子にしよう!と、正解ではなさそうな方向に
全力で進んできたような人生だった。
だけど、見ないふりをしていただけで腹の中は誰よりドス黒かった。
誰にでも裏と面があるのは後から知った。
私は、私だけがこんなにチグハグなんだとつい最近まで、本気で信じていた。
良い子でありたい私は、むくむく湧き上がるドス黒い方の自分を
腹ん中で常に倒そうとした。
そっちの自分が認められなくて、無視したし、貶したし、打ち倒そうとしていた。
歳を取るほどに、私の裏と面は本気で仲違いして、
「認められない、許せない」という感情はとうとう外に出て行ってしまった。
本当に手に負えなかった。
”白か黒、正義か悪か”に異常に拘った。
ジャッジが常に沸き起こった。
不出来な自分を許せないのに、
次の瞬間には他人を酷くジャッジして、とにかく偉ぶった。
時間が経つと、その時の自分が恥ずかしくなって今度は消えたくなった。
情緒の安定させ方は知らなかった。
母のそれ、だったから。
母も感情の扱い方をよく分かっていない人だったから。
今なら理解できる。母もずっとこんな風に苦しかったんだろうな、と。
私が一番の理解者になってあげたかったし、
そのためにずっと頑張ってきてACにまでなったんだよ?
今でも一番に救ってあげたい人。
みつは