ラブポチ信託によるペット保護(1)

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法律・税務・士業全般
こんにちは、司法書士の金城です。

ラブポチ信託は、認定NPO法人ピーサポネットが開発した仕組みです。
ピーサポネットの代表者は、犬や猫が殺処分されている現状を見て、ペットたちの命を守りたいという強い思いから、ラブポチ信託という仕組みを開発したようです。

前回のブログで紹介したペット信託の場合、信頼できる受託者や受益者がなかなか見つからないという問題がありました。

ラブポチ信託では、信託会社が受託者となり、認定NPO法人ピーサポネットが受益者となります。

受託者は信託会社ですので、個人が受託者になる場合とは異なり、信託財産が不正使用される心配がありません。

また、ピーサポネットは、所轄庁から認定を受けている認定NPO法人ですので、受益者による不正使用の心配もなく、信託財産は確実にペットのために使われます。

全国に50,586あるNPO法人の中でも、所轄庁から認定を受けている認定NPO法人の数は1,247しかなく、認定の割合はわずか2%ほどという厳しさ(令和4年7月末現在)です。
ピーサポネットが如何に優良なNPO法人であるかはお分かりになるかと思います。

ペット信託の場合は、受託者・受益者ともに原則として個人がなりますので、「信託した財産がキチンとペットのために使われるだろうか」という不安は払拭し切れないものがあります。
しかし、ラブポチ信託ならその心配は無用のものとなります。

ラブポチ信託の仕組みは次のようなものです。
①まず、飼主が生命保険会社との間でペットのために生命保険に加入します。
例えばペットが犬1頭の場合、死亡保険金が500万円の生命保険に加入します。生命保険の受取人は信託会社になります。
②飼主が亡くなった場合、信託会社が受け取った死亡保険金は、受益者であるピーサポネットに一括で送金されます。
③ピーサポネットは、飼主死亡の連絡を受けてペットを引き取り、ピーサポネットが提携している優良動物保護施設(令和4年9月現在、全国で15カ所)にペットの飼育を委託します。
④ペットの飼育費用や治療費等は、ペットが天寿をまっとうするまで、ピーサポネットからその優良動物保護施設に対して給付されます。

以上がラブポチ信託の仕組みですが、さらに詳しいことを知りたい方は認定NPO法人ピーサポネットのホームページをご覧いただければ、ラブポチ信託について詳細に説明されています。

ラブポチ信託は非常に優れた仕組みですので、いちど是非ホームページを見ていただければと思います。

ところで、ペットのために生命保険に加入しようとしても、年齢や病気等の理由で生命保険に加入できない方もいます。
そのような方の場合は、認定NPO法人ピーサポネットを受遺者として「負担付遺贈」をする方法によるラブポチ信託があります。

この負担付遺贈によるラブポチ信託については、次回のブログで説明します。

なお、私は【一般社団法人日本ペットトラスト協会】の「ペット相続士」として登録されていますので、ラブポチ信託に関与させていただくことがあります。


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