高齢者の皮膚のかゆみについて

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冬になると特に増えてくるお悩みの一つに、


「かゆい」


というのがあります。



高齢者さんは、とにかく乾燥肌。

なので、服を脱ぐと雪のように白い粉がふぁ~っと舞ったりします。

皮膚が乾燥して、皮がめくれてはらはらと雪のように舞うんです。



カサカサに乾燥すると皮膚ってかゆいんです。

なので、ポリポリと手の届く範囲は掻いてしまい、
気が付くと血が出てる・・・


なんてことが往々にしてあります。



お風呂の介助をしていると、

背中やわき腹に、赤いシュプールを作っている高齢者に度々出会います。


搔きまくって線状に内出血しているんです。

やりすぎです~~




また


若い時のように毎日お風呂に入らない


ということも、痒みの原因になっていたりします。



冬でも、汗をかいていなさそうに見えても

体温調整のために人は汗をかきます。

でも、夏でもない限りはすぐ蒸発したり、

衣類が吸い取れるくらいの量なので、

一件汗をかいていないように見えるのです。


だから、「今日は汗をかいてないので風呂はやめとこ」

とか、


「寒いし、面倒だし。」

なんてお風呂は冬は特に敬遠されがち。





身体機能上の理由で、お風呂が週1回や、入れずに清拭のみ(体をふくこと)
になっている場合もあります。


そうすると汗が汚れとなって垢となり、たまっていきます。


それが皮膚を刺激してかゆみを引き起こします。



ずっとおむつをしている方だと、

尿や便の刺激でかゆみが起こっていることもあります。


皮膚はアルカリ性ですが、尿や便は酸性で、
それが皮膚を刺激してしまうんです。




もちろん、全身性疾患で、皮膚にも症状が出てくる場合があり、
痒みを引き起こすことがあります。


肝臓疾患で、黄疸(皮膚が黄色く変色すること)が出ると、

皮膚の痒みが起こることがあります。




もともとアレルギーやアトピー体質だったり、皮膚の疾患をおもちの方は、


特に痒みは、本当につらいものです。



まずは


皮膚を清潔にしましょう。


ナイロン製のタオルを使って洗うのはとても気持ちいいけれど、

皮膚を傷つけてしまうこともあるので、

できれば普通のタオルで、しっかりせっけんを泡立てて洗いましょう。

泡に汚れを吸着させる感じです。



おむつをしている人も、1日1回は泡を使っておしりや、陰部を洗いましょう。

おむつ交換のたびにするのはまた、皮膚の油分を余計に奪ってしまいます。


尿や便をきれいにふき取っておむつ交換をすれば
それなりに皮膚はきれいになるので、

毎回洗浄の必要はありません。


そのあとに油分がしっかりある保湿剤を塗布しましょう。



訪問看護では、皮膚の保護のために、ワセリンを塗布したりします。

尿や便が直接皮膚に付着しないようにしてくれる効果もあります。




きれいにした後は、しっかりと「保湿」しましょう。


カサカサ肌は水分だけではなくて。油分も足りません。


なので、清潔にした後はしっかり油分が必要です。



でもだからといって「ベビーオイル」は高齢者の肌には適切ではありません。


あれは「赤ちゃん用」に作られているからです。




もちもち、ツルツルの赤ちゃんの肌に合わせて作られているので、

カサカサの高齢者の肌には合いません。



高齢者の肌にあった保湿剤を使うようにします。


皮膚科に行くと処方してくださいますし、在宅医療で、
医師が往診してくださるなら

医師に相談しましょう。

なにか、皮膚の疾患があるかもしれませんから、
自己判断で市販のお薬を買うのは危険です。



特に、皮膚の疾患がないようなら市販の保湿剤でも大丈夫です。

今では市販の保湿剤もいいものが販売されています。


そして清潔な肌着を着ましょう。

綿素材のものがいいです。汗や汚れをしっかりと吸い取ってくれます。



できれば毎日交換しましょう。お風呂に入らなくても

汗や汚れを吸い取った下着は、またそれが刺激となって
かゆみを誘発するからです。




痒みは突然出てきます。

掻くことで痛み刺激となり、それが気持ちいいと脳が誤診します。


本当は皮膚を傷つけると痛いのに、痒みの刺激に対して皮膚を傷つけると

気持ちいいと感じるんです。



その時は確かに気持ちいいのです。



でも掻いた後の皮膚を見てみると、線上に真っ赤になっていませんか?


血が出ている時もあるのではないでしょうか?



そんなに掻いてもまたかゆくなってしまいませんか?


気持ちいいのはその時だけで、また同じ刺激にさらされ続けてると

かゆくなってしまうんです。



なので、


痒みの原因を知って、適切に対処しましょう。


爪を立てて掻いたり、孫の手を使って掻いたりせず、

少し服の上からポンポンと叩いてみるのも、

意外と痒みにはいい刺激です。


痒くなったら保湿剤を少し塗るのもいいですね。




お薬を塗る時に気を付けてほしいのが、量です。


あまりにかゆみが強くて、医師から「ステロイド剤」を処方されたときには、


「このぐらいかな」と思って出した量よりも少ない量を塗ってください。


きっと


たくさん塗ったほうが早く良くなる。


と思ってドバっと塗ってしまいがちです。


ステロイド剤は万能薬ですが、副作用もあります。


そして意外と、少ない量で、うす~くのばして塗り込むようにするほうが


よく効くんです。


たくさん塗るともったいないし、意外と効果ないんです。


ケチくさくないんですwww



*皮膚を清潔にする

*保湿する

*掻かないようにする

*薬を正しく塗る


高齢者さんの皮膚はほんとにデリケートです。

ちょっとの刺激で傷をつくったり、血が出たりします。


免疫も低下している方が多いので、すこしの傷でも膿んだりしやすく、

治りにくいです。


痛みや、苦痛がなく過ごせるようにしてあげたいものです。



在宅でのお世話で、困ったことがあれば
遠慮なくご相談くださいね。



















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