高卒デザイナーの独り言(天才肌だった兄貴のはなし)

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デザイン・イラスト
ブログの冒頭の方で、兄貴の話に触れたと思いますが、あらためて書こうと思います。私のは二人の兄がおりまして。二人とも天才肌と申しましょうか。

長男は子どもの頃、駄菓子屋にあるくじ引きでは、当たり方を覚えてしまったり、ゲームでも、いつも最高得点を叩き出して周りに人が集まってしまうという、ゲームの天才でした。

次男は幼い頃から描写力や発想が子ども離れしていて。高校の時に競馬新聞に掲載する広告で馬のイラストを頼まれて描きましたが、高校生が描いたとは誰も思わなかったと思うほどの完成度。例えば、私が妹・弟と紙にキャラクターを描いて、平面的な家を描いて遊んでいると、加わってきたかと思うと、同じ画用紙で立体的に組み立ててしまったり、と、毎度、兄弟ながら驚かされておりました。

しかしながら、高校生に入って、イラストに没頭したかと思うと、いわゆるロボットアニメが盛んな時代だったからか、戦闘機からロボットに変形していくようなイラストを頻繁に描くようになり。
それがエスカレートすると、当時のアニメでは絶対に描かなかった
「ロボットの下敷きになる人間の死体」まで、描くようになったのです。

いや、もう、、、、、何といってよいやら。

同じ高校の美術部でも、その特異な才能は一目置かれていたようで。
私も高校で美術部に入部して、市内高校合同美術展で、兄貴の後輩にあたる人たちが、突然、私に話しかけてきて
「もしかして、●先輩の妹さんですか?」と聞いてきました。
「はい」と答えると。
「やっぱり!!!! 絵の雰囲気が似てるから、すぐにわかりました!」と嬉しそうな表情を浮かべました。

誤解のないよう書いておきますが、私はロボットも死体も描いてません。
夜景に、水が入ったワイングラスを描いただけです。しかしながら、兄の影響を受けていると、その後輩達は見抜いたわけですね。

そんな兄でしたが。
東京アニメーション学院に入学した後、その学校の先生に絵についてボロクソな批評をされてしまい中退。その後、兄貴の絵を見かけたことはありません。

その批評なのですが、本当に、褒め言葉が一つもなくて。
絵は点描で描かれたネコなんですけど、どこが悪いのか、よくわからないくらい、きっちりした描写でした。

言葉が悪いですが、当時のここの専門学校は、高額な入学金を集めるのが目的であって、学生達に最後まで学ばせようとか、育てようとか、そういう方針は無かったのではないかな、と思います。

その後、私は、アニメスタジオに入って知ったのは、専門学校を出ていてもいなくても、アニメ業界はあんまり関係ないってことでした。逆に、専門学校出身の人は、ヘマをすると揶揄われたりして可哀想でしたね。

天才肌がぱったり絵を描かなくなる、、、比較的、見かけた光景です。
なかなか難しい問題ですね。
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