前にも触れましたが、私はそれほど絵の才能が飛び抜けていたとは言えず、自称努力型なのです。
5人兄弟に生まれ、一番上の長男が先頭に立って、幼い頃はよく5人で遊んでいました。「ごっこ遊び」が多かったですね。
そうすると、5人の中で一番つまらないことをするのが、この私でした。ワンパターンになったり、アイデアがなかったり。勝負事にも弱かったし。
ただ、このコンプレックスが「他の人の良いところを吸収する」という性格へと変えていきました。そういった意味ではプライドはゼロに近い。
で、兄弟の真似をしたところで学校の先生や同級生にはバレないわけです。
兄二人は子どもの頃、私に大きなコンプレックスと憧れを抱かせた一番最初の人かもしれません。長男はベーシックコンピューターを高校時代に購入。次男は天才的な描写力をイラストなどで発揮。
しかし、大人になってから、二人とも結局その仕事にはつくことはなく、一番アイデアも才能もないこの私が、パソコン使って絵の仕事をしているわけです。
だから本当に、子どもの頃の成績や得意なことなんて、大人になったら関係ありませんから。
そしてまた、高校時代に、到底追いつきそうもないくらいに、マンガやイラストが上手な同級生も何人かいました。私が知る二人は実際、その仕事を目指しましたが、一人は都会のプロの仕事を見て自信喪失し筆を折り。一人は拘りが強かったせいで、なかなか漫画雑誌の編集と折り合いがつかず、プロデビューできないまま中年に(今付き合いがないので、どうなったかわからんです)。
とにかく、才能があったのに、描かなくなってしまった人を何人も見てきました。
大抵の原因は、学生の途中まで「上手い、上手い」と絶賛されていたのに、専門学校やらプロの世界を覗いた時に初めて大きな挫折を味わってしまい、そこからのショックで辞めてしまう…というケースでしょうか。
今、ネット社会で、ネット上に、すごい作品がガンガン上がっているので、また、ちょっと当時とは違うかもしれませんが。
長年、絵の世界に携わってきて出た結論は
「絵の才能があるか無いかよりも
絵が好きでいる限り、ずっと続けられるし
嫌いになったら、才能があっても終わり」。
多分プロの人なら、わかると思うんですけど
「描きたいと思わなくなる」ことが一番怖いのです。
手が動かなくなることよりも。
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