薬学部生の6年間【5年生】卒業研究編

記事
コラム
皆さんこんにちは。
今回は複数回に分けた5年生の卒業研究編についてです。
結論から申しますと、流れ的には一般の理系学部の4年生と同じようなものだと思います。(理系学部については大学ごとに研究室配属のタイミングが異なる場合があるため、何年生から研究室に配属されているかは一律ではないかと存じます。)
今回は私の出身大学における流れになりますので、すべての薬学生と全く同じということではありませんが、大まかな流れは同じと思われますので、その点はご留意いただければと思います。

私の大学では、5年生に上がるタイミングで研究室配属がありました。研究室とは、教授を筆頭に、准教授、助教授、講師などで構成されている組織であり、教授の数だけ、様々な名称の研究室が存在します(私は腫瘍生物学という研究室でした)。教授の研究をその下にいる先生が共同で研究していたり、少し別角度で下の先生個人で研究していたりと様々な形があります。学生は研究テーマを与えられ、そのテーマについて卒業論文を書かなければ卒業できません。そのために必要な実験や論文調査などを行うのが卒業研究です。研究室によって研究内容は全然違うため、自分が好きな科目、分野の研究室に入りたいと皆思うのですが、人気の研究室は競合します。そのため、5年に上がるために行われるCBT*対策のための試験でよい成績を収めた学生から優先的に選ぶことができます。*CBTについては4年生編をご覧ください。

好きな分野の研究であれば実験も楽しいかと思いますが、嫌々配属された学生のモチベーションは低く、最低限卒業できるレベルの論文をサクッと仕上げて国家試験勉強に時間を当てている人も少なくありませんでした。
研究室の内容は幅広く、薬学部には有機化学、物理化学、生物学、微生物学、公衆衛生学、栄養学、東洋医学…etcと様々な学問があり、例えば、遺伝子組み換えを必要とした研究をやりたければ生物学、理科の実験のような研究をやりたければ有機化学など自分の興味のある分野を選ぶことで、卒業論文のモチベーションは大きく変わるかと思います。

細かい説明が長くなりました。5年生の流れですが、一年のうち、病院、薬局の現場実習がそれぞれ2.5カ月あり、残りの時間は基本的に研究室にいます。研究室の方針にもよりますが、会社員のように9時17時を要求する教授もいます。フレックスで自分のやるべきことさえやっていれば時間の拘束がないところもあり、社畜のごとく遅い時間まで残っている友人もいました。特に、実験動物を用いる研究室では、定期の仕事としてケージ交換(ラットやマウスの住まいの掃除)というものがあり、交代制で誰かしらがやらなければならず、苦労している友人もいました。私も、遺伝子組み換えを行っていましたので、それに必要な細胞を継代(約3日おきに細胞をシャーレから一部取り出し、きれいな培養液に移すこと)を必要としていたため、定期的に大学に行っていました。
そんなこんなで一年を過ごし、6年生に上がります。5年から6年へ上がるタイミングでは関門などはありませんが、取りこぼした単位の状況次第では卒業ができないことが確定する学生もいます(5年、6年で科目の再履修ができない場合)。

長々と書いてきましたが、実習以外は案外気楽なもので、国家試験対策前の最後の余暇といった印象です。今思えば、これから始まる講義、定期テスト地獄に向けての準備期間だったと思いますね。

では、次回最終章、6年生をお話ししていきます。6年生も盛りだくさんの内容のため、複数回に区切ると思います。ご愛読いただけますと幸いです。
ではまた。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す