161 「許容できる“心理的瑕疵物件”のレベル」

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男女500人に聞いた「許容できる“心理的瑕疵物件”のレベル」ランキング発表 3位「孤独死」2位「周辺に嫌悪施設」…圧倒的1位は?



「心理的瑕疵(かし)物件」とは、「買ったり借りたりするにあたり、心理的なハードルがある物件」を意味する言葉で、いわゆる「事故物件」「訳あり物件」のことです。
「怖いから住みたくない」と考える人が多い一方で、家賃が相場より安くなるといったメリットもあるため、中には「見た目がきれいになっていれば、事故物件でも気にしない」という人もいます。


では、多くの人はどの程度であれば、心理的瑕疵物件でも許容できるのでしょうか。
AlbaLink(東京都江東区)が運営する“訳あり不動産”情報メディア「訳あり物件買取プロ」が、「許容できる心理的瑕疵物件のレベル」に関する調査を実施。
その結果をランキング形式で発表しました。



「どこでも人は死ぬ」「相場より安く住める」の声も
 調査は2022年10月、全国の男女を対象に、インターネットリサーチで実施。
計500人(男性163人、女性337人)から有効回答を得たものです。
なお、回答者の年代は、10代0.8%、20代14.6%、30代39.2%、40代26.4%、50代14.4%、60代4.6%となっています。



 まず、全員に「心理的瑕疵物件に住むことへの抵抗感」について聞いたところ、
「とても抵抗がある」が62.4%、
「やや抵抗がある」が23.4%という結果に。
全体の8割以上の人が「心理的瑕疵物件には住みたくない」と考えていることが分かりました。
なお、「あまり抵抗がない」人は11.2%、「全く抵抗がない」人は3.0%でした。



「抵抗がある」人に理由を聞くと、「私は怖がりなので、心理的瑕疵物件だと『お皿が落ちた』『電球が切れた』といったささいなことも『瑕疵物件のせいだ』と思ってしまい、生活にならないと思う(20代女性)」「単純に怖いからです。
病死や孤独死なら仕方ないとも思いますが、やはり知ってしまうと契約する気にはなれません(40代女性)」といった声が寄せられ、「心理的瑕疵物件では気持ちよく過ごせない」と感じる人が多いことがうかがえます。



 一方、「抵抗がない」人からは、「幽霊を信じていないからです(20代男性)」「相場より安く住めるのは魅力(30代男性)」「きれいにクリーニングされていたら気にしないです。
どこでも人は死ぬし、霊感など全くないためです(30代女性)」といった意見が。中には、「僕は心霊現象が大好きです。なので本当に心霊現象が現れるのか見てみたい(40代男性)」と、心理的瑕疵物件に住むことを面白がっている人もいるようです。



 なお、国土交通省のガイドラインによると、賃貸物件で心理的瑕疵(自殺や死亡事故など)の告知をすべきなのは、瑕疵発生から3年間。
そのため、3年より前に発生した瑕疵については教えてもらえないこともあり、知らないまま住んでいる可能性もあるといえます。



 次に、男女500人全員に、「許容できる心理的瑕疵物件」について具体的な内容を聞きました(複数回答)。



 3位は「孤独死(特殊清掃済み)」(96人)。
部屋に染みや臭いなどの物理的な問題がなければ「気にしない」という人は多いようで、「特殊清掃された場合は『部屋のどこで亡くなったか』が特定できないため(40代男性)」「特殊清掃が入っていて怨念がなさそう(20代女性)」「自然死は日常生活で十分あり得ることなので許容範囲。
ただし清掃はきちんとしておいてほしい(50代女性)」といった声が寄せられました。




 2位には「周辺に嫌悪施設がある」(147人)がランクイン。墓地、火葬場、遊戯施設、工場などは「嫌悪施設」と呼ばれ、こうした施設が近くにある物件は「何となくイメージが悪い」と敬遠されることもあります。
しかし、「室内に影響がなければ、周辺のことは気にしない(30代女性)」「遊戯施設や工場にはあまり嫌なイメージがない。騒音や悪臭などの実害が少なければ問題ない(40代女性)」など、実際にはあまり気にしない人が多いことがうかがえます。
ただし、「墓地など“イメージが悪いだけ”なら許容できる。騒音など実害がある施設は、実害の種類や程度による(20代男性)」など、施設からの騒音や臭いが気になる場合、「避けたい」と考える人はやはりいるようです。




 そして、1位となったのは「いずれも許容できない」(289人)でした。
心霊現象への恐怖、工場などからの異臭や騒音、反社会的勢力の事務所があることによる治安への不安…これらはどれも「ないに越したことはない」もの。「自分の性格上、あれこれ神経質に気にしてしまって穏やかに暮らせない(30代女性)」「どれもネガティブで、生活するのは厳しいと感じた。
精神が圧迫されそう(30代男性)」「何もないなら、何もない方がいい(50代男性)」という率直なコメントが集まる結果となりました。
特に、神経質な人や心配性の人は、心理的瑕疵を感じる物件は避けた方がよさそうです。




 調査結果を受けて、同社は「心理的瑕疵がある物件は、相場より家賃や売値が低くなっているケースも多いです。そのため、『神経質』『怖がり』『幽霊を信じている』といった人は、安い物件を見かけても飛びつかず、まず理由を探ってみましょう」とコメントを寄せています。

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