バトンタッチ

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コラム
ミートゥバイトゥーの神様をお迎えした私は、少ないながらも依頼者の判事を取ったり、ニガイ(拝み)に行ったり、御嶽まわりをしたりしていました。
体調の方は良くなったり悪くなったりを繰り返していましたが、何とか自宅で生活が出来ていました。

そんなある日、いきなり祖母から電話があり、
「misa、あんたを御嶽に連れて行かないといけないよ。今すぐ準備しておばぁの家に来なさい。」
との事。
その日の私はあいにく体調が悪く、祖母に
「体調悪いんだよね。今度じゃダメ?」
とお願いするも、祖母からは
「今日じゃないとダメだ。」
と珍しく強引な返事が返ってきました。

私は重い体を持ち上げ、準備をして祖母の家に向かいました。
祖母はすでに準備を終えていて、私が到着するとすぐに御嶽へと出発しました。
「おばぁの神様がいる御嶽に行こうね。」
(マウをカミる際に何ヵ所かの御嶽を拝み、その中から自分のマウの中心の神様が決まります。)

祖母の言葉を聞いた私は一気に緊張が走り、
「えっ!!そこの御嶽、私が入っても大丈夫なの!?」
と叫んでしまいました😅
そこの御嶽は男子禁制で、入ると命を取られると有名な御嶽。
もちろん女性もユタ、神人以外は立ち入り禁止とされている有名な御嶽です。

祖母は
「大丈夫。ちゃんと許可をもらってきたからね。」
ニコニコしながら私をなだめてくれました。

御嶽に着くと祖母が何かを取り出し
「misa、これはあんたの為に準備した着物だよ。この御嶽には着物を持っていないと入れないからね。」
と私に差し出しました。
image3 (2).jpeg
祖母が私の為に準備してくれた着物です。
現在もこの着物を着て神事をしています。

御嶽の入り口で着物を着て、祖母と私は御嶽へと入ります。
普段立ち入り禁止のため、鳥居から拝所までの道のりは獣道。
そして距離が長い(´;ω;`)

その頃、既に足が悪かった祖母は杖をついていて獣道を歩くのがやっと。
拝所が見えてきた場所で祖母は
「おばぁはここまでしか行けない。あんたは一人で拝んできなさい。おばぁはここで拝むから大丈夫。」
と私に言いました。
それを聞いた私は心の中で
「これって罰ゲームですか?」
思わず言ってましたよ(笑)

ドキドキしながら拝所へ足を踏み入れると、そこはもう本当に素晴らしい世界で。
木々の間からキラキラと光が差し込み、たくさんの蝶が舞っている。
遠くでは波の音が聞こえ、時間が止まったような感覚でした。
私は神様にお線香とお供え物をし、必死にご挨拶。

ご挨拶を終え祖母の元に戻ると、祖母は涙を流しながら
「misa、あんたはもう大丈夫だ。こんなに苦しんできたあんたなら沢山の人を救える。頑張るんだよ。」
「カンヌフファ(神の子)、カンヌフファ(神の子)。おばぁは嬉しいさぁ。」
とずっと私の手を握っていました。

思えばそれが祖母から私への神人の引継ぎだったのでしょう。

その日を境に、祖母は神事の話をしなくなりました。

今日はここまで。

皆さま素敵な日曜日をお過ごしください♪

いつもありがとうございます🌷

☆misa☆



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