一次感情と二次感情

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「怒り」の裏にあるもの

  何の前触れもなく怒ることは実は'あり得ません'。
 「怒り」の裏には実は'隠された感情'があります。

 その多くが、「一次感情」というマイナスの感情から間もなくか、あるいはしばらくたった後に怒りに変異することがほとんどです。
 イラストの通り、「怒り」はあくまでも'氷山の一角'の「二次感情」でしかありません。
 では、「一次感情」にはどのようなものがあるでしょうか?


1.不安
2.不満
3.いや(拒否)
4.苦しい
5.辛い
6.寂しい
7.心配
8.悲しい
9.怖い
10.悔しい(後悔)
11.罪悪感
12.むなしい

 特に、発達障がいやHSPスペクトラム(繊細さん)はこうした「一次感情」に非常に敏感なのが特徴です。

 「怒り」は防衛感情とも呼ばれ、自分自身を守るために存在します。
 これは人間も'動物の一種'として当たり前に備えている感情です。特に、犬や猫などの他の動物は「闘争・逃走反応」として生き残りをかけた反応なのです。他の動物はこの感情をアドレナリンという脳みそのホルモンを分泌させて心身を緊張状態にさせて、戦うか逃げるかの反応をします。

 しかし、人間は日常生活の中で命の危機などに晒されることはほぼありません。それでも、「自分が大切にしているものが脅かされたと感じる」と怒りが生まれます。
 自分の子どもが危険な目に合いそうになった時に、親は思いっきり怒ります。これは、怒ることで自分の大切なもの(子ども)を危険から守ろうとしているのです。

 ところが、「怒り」はメリットよりもデメリットが多く、決してストレス発散にはなりません。むしろ「涙活」ということで、「一次感情」を素直に吐き出すことをおすすめします。

 しかし、「怒り」は'万能感情'とも呼ばれ、「一次感情」をごまかすのに頼りがちになります。それでも頼りすぎると、全ての感情が「怒りのみ」に転じてしまい、何でも思い通りにできる、自分が一番と思い込みやすいです。最悪は、「自己愛性人格障がい」や「サイコバス(反社会性人格障がい)」や「解離性障がい(多重人格)」と医療介入などが必要となってしまいます。

 解決するには、やはり「一次感情」を小さくする必要があります。
 これと向き合うには相当の粘り強さ(根気)、勇気と冷静さが必要です。
 そのためにも、相手の「一次感情」を見抜いて理解する(受け入れる)ことが大切です。

 仏教で「小事が大事」と言われていますが、まさに「一次感情」が「小事」であり、「大事」なのです。

 特に、発達障がいのある子どもや人は「言葉足らず」の傾向が高いため、衝動性の特徴から「一次感情」→「二次感情」への変異が素早いです。そして、「二次感情」による行動が目立つようになります。
 発達障がいのある子どもが毎日体中に絆創膏だらけ、包帯だらけなのもこのためです。

 かつての私もそうですが、感情に任せて「すぐ手を出す子」でした。(^-^;
 しかし、薬物療法や経験で功を成すことができました。一方で、「怒るのが面倒くさい」などいわゆる「かえる化現象」で冷めてしまいました。

 だからこそ、周りの人、特に家族のような身近な人はじっくりと相手と向き合い観察し、「一次感情」を見抜きましょう。
 そのためには、一つずつ質問するとよいです。そして'感情の対弁'を忘れずにしましょう。

1.「どうして手を出したの?」
2.「寂しいのね?」
3.「でも、お母さん(○○さん)も(怒ってばかりの○○は)寂しい(悲しい)のだよ」

 これを時間をかけて行います。かなり根気が必要です。
 もちろん、漢方薬などの「薬物療法」も欠かせませんが、あくまで'対症療法(その日その場しのぎ)'です。
 やはりきちんと相手に向き合って「一次感情」を解消するしかありません。
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