家庭裁判所

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「何してる!オマエって奴は!」
いきなり父が部屋に入って来た。
寝てると思い、こっそり窓を開けてシンナーを吸っていた。
しかしバレバレだった。
久しぶりに吸ったもんだから、かなりおかしくなっていたと思う。
超逆ギレしたのを覚えている。
シンナーを取り上げ、全部流してしまった父に対して
「流した分のシンナー代をよこせ!」
と大騒ぎした。
お金を渡し
「出て行け!」
と言う父に
「オマエには私を育てる義務がある!何があっても出ていかない!」
と言い放った。
そして部屋に戻ると、こんな時の為に1本だけ別の所に隠しておいたシンナーを朝まで吸った。
急に更正しようとした結果、逆にえらい事になった。
翌日の家裁では
「実の成る木を書いて下さい」
と言われ、実を1つしか書かない私について
「この実はマユさんが心を開いている人です。少なすぎますね…」
と父は説明されていた。
シンナーを吸った時に見た幻覚の内容を聞かれ説明すると
「マユさんの心の孤独感が幻覚によく表れています…」
と言われ、父はうつむいていた。
そして、その翌日から私を家に1人にしない作戦に出た。
かといって、誰かしらが家に必ずいる状態にしたわけでは無い。
自分達が朝家を出る時に私もいっしょに家の外に出してしまうのだ。
あと、電話の線を抜いて私が友達とよからぬ相談をするのを阻止しようとした。
しかし何だか詰めが甘かった…

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