連載「霊能者かんなぎの人生」vol.6 霊能家系に生まれても、異端である

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連載「霊能者かんなぎの人生」vol.6 霊能家系に生まれても、異端である


なんとなく、人生を書き綴ろうと思った事に対した理由はない。
ただ、同じような思いをしている人がいるならば、そういう人に届けば良い、そう思った。

【注意喚起】
※今回は幼児性愛者・変質者等による虐待または未遂を含む内容です。ご自身の心の危険を感じる方はこの先に進まないでください※



それから、その先に色々な事があっても、何よりも母に知られない事を優先し続けたまま小学生になった。

夏休みと冬休みは、母の実家に数週間帰るのが恒例で、その時はだいたい父が仕事の期間だったので、母と弟と三人で、または従兄弟たちと一緒に子どもだけで飛行機に乗るのが定番だった。

祖父母の家には、両親が離婚し、祖父母の養子に入れられた、ちょっと年上の従兄弟が居た。
その従兄弟は、祖父母がかわいがっていたのもあり、従兄弟の中でもちょっと年齢より幼くワガママで、そうしてちょっと意地悪だった。
だから私はその従兄弟があまり好きではなく、ほとんど会話をした記憶もなかった。


なので、年末に、年越し番組を見たいがために頑張ってテレビの前で起きていた私は、他の皆がギブアップしたにも関わらず、その従兄弟がなかなか自室に行かない事に気まずさを感じながら、それでもテレビ見たさに、お互い無言の空間に居た。

そうして、無言のまま飲み物を取りに行った従兄弟は、なぜか私の隣に座った。何か会話をする気にでもなかったのだろうか、と思ったのだが、
私はそんな気も起こらなかったので、従兄弟の方を見る事もなかった。

その次の瞬間、幼少期の「異質な手」の記憶が蘇った。
さすがに、その意味は分かる年齢になっていた。
そうして、従兄弟の異質な手は、私に虐待を始めた。
しかし、この従兄弟は祖父母に育てられた人だ。
知られれば、大好きな祖父母が悲しむ。
何故か祖父母の気持ちを優先してしまった私は、
従兄弟の異質な手を、払い除ける事も出来ずに居た。

それで味をしめたのだろう。
それからずっと、一人になった私を見つけると、必ず虐待を行うようになった。
無言で時間が過ぎるのを待つ私は、親に言う事もなければ祖父母にも言わない、
そんな事、見透かすなんて簡単な事だ。

その内容はどんどんエスカレートしていくわけなのだが、
ここで微細に書く必要もないと思う。

私が寝ていようが起きていようが、隙あらばと何年も続いたその虐待。
私は本当なら大好きな祖父母に会う事を諦めて家で留守番をしたかった。
でも、それを言えば、理由を話さないといけない。
それは祖父母を悲しませる事でしかなかったので、私はやはり、祖父母の気持ちを優先してしまった。

そんなある日、母がたまたま、それを見たようだ。
そうして母は、その従兄弟ではなく私を外に呼び出し、
私の顔を見ないまま、「一緒に頑張りましょうね」と言った。
その時は一瞬の希望が見えた。

母が、祖父母に上手に伝えてくれるかもしれない、従兄弟を止めてくれるかもしれない。
そんな希望を持った。

一緒に頑張りましょうね、という事は、一緒に戦ってくれるんだと、そう思っていた。

しかし、それからも何事も変わらないまままた日々が過ぎ、
それでも、どこかで母はまた助けてくれる、と信じていた。
この気持を母も理解してくれている、そう思っていた。

しかし、またそれを見た母は、鬼の形相で私を外に呼び出し、
「あなたはなんてふしだらなの!」と怒鳴った。
また、この言葉を聞かされたわけだが、今回はこの言葉の意味を理解していた。

「まったく穢らわしい」と母は吐き捨てた。
希望なんて一瞬だった。結局母は、助ける気は無かったという事だ。
穢らわしいという事は、この件は私が従兄弟を誘った、という事なのだろうか。
始まりからずっと、そんな事は一度も無かった。

じゃあ何で穢らわしいんだろう、それは私が「悪い子」だからだろうか。
あの教会に行って懺悔室に入れば、私は赦しを得られるのだろうか。
神父様に問えば、神父様は何と答えただろうか。
昔のように私のほっぺたを一回つついてから、あの大きなクッキーを手渡して、「赤チンキちゃんは悪い子なんかじゃない」と言ってくれるのだろうか。
そう考えてもみたが、今の私は神父様すら赦してはくれないのかもしれない。と思い、その気持を封じ込める事にした。


その従兄弟も今は行方が分からないらしい。
何度か、従兄弟連中にお金の無心に来たらしいが、それからの行方は誰も知らないようだった。
私は、その従兄弟がずっと行方不明で居てくれて構わないと思っている。


今の私だったら、その従兄弟ときっと戦える。
それぐらいには精神的に強くなったと思っている。
それでも、フラッシュバックは止められないし、そのフラッシュバックとも上手く付き合っていかないといけない。
私は決して「可哀想な人」ではない。正しく被害者であると、そう思っている。


そんな私の人生を語る事に意味があるのかはわからない。
ただ、自分がもし、異端だと思っている人がいれば、
また、これから先の話を通して、苦しい人生を歩んでいる人に「ひとりじゃない」と思って貰えれば、と思い、
不定期ながら人生を語らせていただこうと思う。
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