戦う力

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戦う力など もう残っていなかった・・
ただ 黙々と引っ越しの荷造りをする。
離れてしまう次女には、できるだけの愛情を伝えながらも
私の心の中の何かが剥がれ落ち、薄っぺらになっていく。
淡々と手続きをしながら、離婚届を出す日と子供たちの故郷にと作った我が家を出る日を決めた。荷物はまとまっていくが、発送するお金がない。
地元には次男と共に夜行バスで帰ると決めた。
玄関先に積まれていく荷物が邪魔になってきたのであろう、あの人から封筒が渡された。「引っ越しするのにお金が必要だろ?とりあえず、送料分10万と しばらくの生活費20万」そう言って30万頂いた。「まだ、優しさは残っていたんだ・・」頂いたお金で荷物を姉の所に送った。
離婚届は3月28日に提出。転居届も出した。関東を離れる日は、3月30日。
鬱の薬はどんどん増えていく。最後の診察日、先生に別れを告げた。
先生は余計な話はしないで、ただ何とも言えない顔のまま見送ってくれた。
家を出ることも、離婚することも、ご近所の方々には伝えていなかった。
まだまだしなければいけない手続きがある。余力を残しておかないと、全く動けなくなる事がわかっていたから、できるだけ外部との接触を避けた。

結婚生活22年間を振り返った。あの人が結婚時から使っていた古くなった財布が気になっていたので、頂いたお金から革の使い勝手のよさそうなお財布を買って、私の至らなかった点の反省と感謝の気持ちを手紙に託しプレゼントした

夜行バスで帰る予定だったが、あの人が急に車で送っていくと言い出し
私たちは、あの人の車に乗り込み 若かりし頃逃げた街にと帰った。
あの人が帰るときには、ハグをし「今までありがとうございました。」と伝えた。。。
全ての手続きが終わり、次男は転校先で新学年を迎え 順調に滑り出した。
が・・まだ和解金の100万と養育費は振り込まれていない。
その旨をメールで伝えた。「10日には振り込む」そう返ってきた。
10日になり、通帳を確かめた 振り込まれていたのは・・67万・・・
そう・・引っ越し代と言われて渡された30万と養育費がひかれた金額
しかも、次男の学資保険の受取人は、私に鬱の病気があるため受理されず
結局、あの人が管理することになった。。。
全て計算済みの行動だった。悔しかった、あの人が嫌いで離婚した訳ではないが、憎むことでしかあの人を忘れることはできなかった。
新しい病院に行き、カウンセリングと血液検査を終え とりあえず今までもらっていた薬で様子を見ることになった。
心機一転のつもりだったが、私の心は確実に壊れていた。
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