逃げ出したい

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コラム
遠のいていく意識の中で、あの人の声が聞こえる。
私は今、何をしているんだろう・・・
薬は飲んだ。ゆっくりと眠れる。でもベッドにはいない。
気が付いたら朝になっていた、重い体を引きずるように
朝ごはんの用意をする。あの人は会社に行って もういない。
次女は部活があるからと、朝6時に家を出た。
次男に朝ご飯を食べさせ、学校に行く支度を促した。
もうすぐ春休み。次男が言った「今日から、登校拒否の友達が学校に来るって!」「え?すごいじゃん!!よかったね。」次男の顔は喜びでいっぱいだった。「迎えに行って、一緒に行くんだ!」「うん、頑張って!!」
送り出した後は、静けさが戻った。吐き気と頭痛がひどく頭が重い。
何もしたくない。。でも、引っ越しの荷造りをしなければ・・

幸い、住むところは 姉夫婦の家に間借りすることになった。
突然のことで、引っ越し代も物件を探す時間もないからと「義兄が余ってる部屋使っていいよ」と言ってくれたのだ。同じ年の甥っ子もいる。姉は私の病気も理解してくれている。しばらくは穏やかに過ごせそうだ。。
転校先では、次男が引っ越しをしてくることが甥っ子から伝わり
ゲーム仲間のチャットで「これで毎日遊べるな!!早く来ないかな!」と皆が
大歓迎ムードを伝えてくれ、私も次男もほっとした。

夜、あの人が帰宅するなり 2枚の紙を渡された。
「え?・・・」1枚はあの人の署名と捺印
1枚は・・・私が署名したであろう名前と押印。。混乱した。
署名をした覚えはない・・・ハンコを押した覚えもない。
でも、蛇のようにのたくった字は、明らかに私の字だ・・
「これで和解成立だな!!証拠として各1枚、計2枚コピーをお互い持っている。これがれっきとした証拠になるから、調停は取り消せ!!もう、こちら側の弁護士に提出済みだ。」愕然とした。
「自分でできないなら、こちら側の弁護士に動いてもらう。」
そう言って離婚届に署名をした紙を渡され あの人はまた出て行った・・
数日後、家庭裁判取り消しの通知が届いた。私は無力なのか・・・
法律とは、弱い立場の人間を助けてはくれないのか・・・
薬を飲みながら、朦朧としながら、それでも必死に自分に言い聞かせ
通った裁判所。法テラス。市の無料法律相談。
あの時間と葛藤は無駄だったのか・・お金と権力だけが全てなのか・・
私が生きてきた22年間の結婚生活は、こんな形で終わるのか・・
消えたい・・・この世から消えたい・・過去を取り戻すことも疲れた
戦うことも疲れた・・消えたい・・泡となって消えてしまいたい。

私の心は疲れ果て、さらに無気力になり、話すことも出来なくなっていた。
過去の自分が、今の自分を見たらどう思うだろう・・
「かっこわる!怖いもの知らずで、自分の出来ない事はないと偉そうに言っていたやんちゃ娘がその様かよ!!」きっとそう言うだろう。
どうでもいい・・もうどうでもいい・・何もかも忘れたい。。
20歳までの命と言われていたのに・・その時に終わっていればこんな思い・・
奇跡の子なんて嘘だ・・何もかも信じられない。
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