土下座

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コラム
私は、すぐに義母の家へと車を走らせた。
義母のマンションの下にあの人の自転車があった。
恐る恐る家に入ると、予想通り 義母とあの人はお酒を飲んでいる
何も言えないで立ち尽くす私に、義母は言った。
「座れば?」「はい・・」
沈黙の後 勇気を出して言った
「あの・・病気は治します。だから、離婚はしません。至らない所は全部治します、だから離婚しないでください!お願いします。」
そう言って私は床に這いつくばり、土下座をした。
義母は言った。「椅子に座れば?」「はい・・」
「あなた、自分のやっていることわかってる?鬱だとか言って、浮気して・・
家庭を支え、身を粉にして働いている息子を馬鹿にしてるの?」
「浮気はしていません!!それに、夫には感謝もしています。」
「へー、夫婦の営みも拒否するような嫁は、もう用がないんじゃないの?」
え?・・そんな事まで、この人は義母に話しているの?頭が混乱し始めた。
あの人は、何も言わないでお酒を飲んでいる。。

「おかあさん、お言葉ですが・・私は決して浮気はしていません。
夜の方は、薬を飲んで寝てしまうので拒否っていうより意識がありません。
それに・・夫はフィリピン女性に毎月お金を渡し、その他にも宝石やドレス
色んな物を買って、女性の匂いをさせながら帰ってきます。
そういう気持ち・・お母さんにわかりますか?」

初めてあの人が口を開いた。「俺が稼いだ金を何に使うかは自由だ。」
義母は続けていった「そんなのは男の甲斐性だよ。」
狂ってる・・・この家族は狂ってる・・・
「酒がまずくなってきた、帰る」そう言って、あの人は帰る支度を始めた。
「私も帰ります」 あの人の後を追うように、家を出た。
自転車に乗ろうとしているあの人を捕まえ、「離婚はしないから!」
そう言ったが、あの人から返ってきた言葉は
「お前はもういらないんだよ!離婚はする、1か月以内に出ていけ」
私は頭が混乱していたが、負けじと言った。
「離婚を望むなら、こちら側は、子供の親権、財産分与、慰謝料、養育費を請求します。裁判もします。」
「へー、お前にそんな権利があると思ってるのか?金もないくせに、できるものならやってみな?」そう言ってあの人は帰っていった・・・
悔しかった・・私の22年間は何だったんだろう・・・
義祖母の介護をし看取り、義父も看取った、義母の言うことは全て聞いてきた
長男の嫁として、親戚のおもてなしも お正月のおせちも手作りしてきた。
なのに・・・こんな事・・・
家に帰ると、あの人はお風呂に入っていた。
次女が私に言った「ママ、自由になって・・私は大丈夫。まだ、高校生活があるからママと一緒には行けないけど、私なりに頑張るから ママは自由になって病気を治して、自分らしく生きてほしい。私のことは考えないで・・・」
次女を抱きしめ 泣いた。
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