逃げられない

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「はい・・○○病院です。」
怯えた・・「あの・・次のカウンセリングで義母も同席は可能でしょうか」
「カウンセリングは大切な時間です。親族の方でも入室はできません。」
「そうですか・・・」後ろからの視線が痛い・・
もう一度勇気を出して聞いてみた。
「あの・・カウンセリングの時間は無くてもいいです。義母に今の状況を説明して頂けませんか?」受付の方が「少々お待ちください」と待機になった。
担当医が出た。「今、そばに義母がいるんですか?」私は何も言えなかった。「これが、どれだけあなたにとって過酷な時間になるかわかっていますか?」「はい・・」
「わかりました、次回の診察には義母も同席してください。」

恐れていた日がやってきた。
一緒に電車に乗り込み、病院へと向かった。始終、義母は無口であった。
待合室でも、話すことはなかった。
名前が呼ばれ、診察室に2人で入り椅子に座った途端 義母が話し始めた。
「先生、悪いけどこの子の紹介状と診断書、書いてもらえないかな。
1年経っても治らないので、離婚させます。この子、浮気してるみたいだし
ちょうどいいので・・」
「浮気なんてしてません!」そう言うのが精一杯で泣くことしかできなかった。先生は、話し続ける義母を制止し「お母さん!私はあなたの担当医ではありません。あくまでも彼女の担当医です。他人のあなたがとやかく言うことではありませんし、それ以上話すなら、診察室から出ていきなさい!!!!」
義母は診察室から出て行った。屈辱的だった・・・あの人の浮気ではなく
私が浮気??
先生がゆっくりと話し始めた。
「今のあなたにとって、離婚は得策だと思います。鬱の原因はパートナーにあるのですから、そこから離れるのが治療の第一歩です。あなたが望むなら紹介状も診断書も書きます。しかし、あなたは責任感が強く子供は置いていけない。子供はどうしますか?」
「私には、子供を置いて離婚など考えられない・・」
「でも、あの母親はどうやっても実行しますよ? 今は突然の事で頭が混乱していると思います。そして、今は判断能力が低下しています。1週間後にまた来てください。その時、考えましょう。」

そう言われ診察室を後にした。
義母は、診療代を払う前に先に帰ってしまった。
涙で前が見えなかった、どうやって電車に乗ったかも
家に帰ったかも覚えていない。。。
続きはまた明日・・
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